ピッコロさん以上にカッコイイ脇役は知らん。
よその星の人間の息子を,今や貴重な戦力に仕立て上げただけでも凄いのに,命がけでその異星のガキの盾になった。
しかも戦闘力も低くない。腕がもげても生えてくる。
そんな事を考えていると急に俺もピッコロさんみたいな男になりたくなった。
という事でまずは悟飯の様な愛弟子を探す事にした。
我が弟が候補に挙がったが,奴を「悟飯」と呼ぶのは気が引けるので却下。
俺は悩んだ。
とりあえず煙草を買いに行くために玄関に出ようとしたその時,くりくりと丸い目をして必死に寒さに耐えているアイツが目に入った。
金魚である。
コイツとの出会いは2年前にまで遡る。
祭の夜店で酸欠になっているところを掬ってやったのだ。
ソイツは泡ぶくぶくの水槽に入れてやっても何故か死にそうな動きをするので, 同期から隔離し,100ml4000円もする添加剤を配合した水に漬けてやった。
添加剤のおかげでヤツは水を得た魚みたいになりやがった。
今では次々死んでいく同期を差し置いてコヤツがリーダー格である。
そして昨日,俺はコイツを悟飯と名付けた。
鮒を品種改良した結果があの赤い色なのだが,コイツは金魚のくせに色は鮒のままである。
そんな悟飯が可愛くて仕方ない。
冷たい水の中で悟飯はじっとしている。寒いのだろう。
私は湯呑みに熱湯を注ぎ,それを水槽に移し替えてやった。
ヤツは物凄い速さで逃げ回る。
水面近くまで浮上してきたところで,俺は餌を与えた。
しかしヤツにとっては餌どころの騒ぎではないらしい。
無視しやがった。
俺と悟飯のアドベンチャーはまだ始まったばかりだ。受験生思いの俺はオチをつけない。しかし大いに滑った感が濃厚である。

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