ほとんどのアリが越冬している中、季節が狂っているコロニーがある。
ヤマクロヤマアリ(Formica lemani)だ。
今年の6月当初、標高1900mで単独越冬していた脱翅雌を見つけたので
採集してきて飼育しているものだ。
まだ飛行が行われていない時期に単独でいたのは
飛行時期が遅かったため、そのまま産卵せずに越冬したと考えられる。
寒冷地に棲むヤマアリ属にはよくあることで
ツヤクロヤマアリやアカヤマアリでも同じような個体を見かけることがある。
今年の夏は恒温器にて飼育し、庫内温度は最高25℃にしてあった。
亜高山帯に棲むアリを多数飼育しているが
そのおかげで今夏は順調にすごすことができた。
しかし、このヤマクロヤマアリはどうしたことだろう。
採集してきてすぐに産卵を始めたのだが、他のアリのように卵塊はできず
幼虫が育ったら数個産卵をし、それが育ったら数個産卵するというパターンで
多くのアリが越冬態勢になった9月頃まで産卵が続き、今でも繭がある。

春からの産卵でコロニーはW13になっている。
通常ならすでに越冬中のはずなのだが、繭はあと2つあるので
恒温器の中でクロナガアリと一緒に飼育している。
この季節が狂っているヤマクロヤマアリコロニーは
ちゃんと越冬できるのでしょうか。