横浜シティオペラ「不思議の国のアリス」

2016/8/31 | 投稿者: 木下

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横浜シティオペラ
《不思議の国のアリス/木下牧子作曲》

 ■日時:2015年12月5日(土)昼夜二回公演
 ■場所:横浜みなとみらい小ホール
 ■作曲:木下牧子(台本:高橋英郎、木下牧子)
 ■演出:中村敬一
 ■演奏:増田宏昭(指揮)横浜シティオペラアンサンブル
 ■出演:
  浅野美帆子/小田切一恵(アリス)
  岩下晶子/清水由紀子(姉・ユリ)
  東 美和/井上千佳子(白兎) 友清 崇/堀野浩史(ドードー鳥)
  香月 健/山本竹佑(笑い猫) 悦田比呂子/鵜飼文子(公爵夫人)
  柳澤涼子/山本ひで子(女王) 君島宏昭/勝又康介(帽子屋)
  小林彰英/三村卓也(ジャック) 東 卓治/倉沢一郎(王)
  鈴木美也子/藤田直子(ケシ1) 川口美和/大隅麻奈未(ケシ2)
  声楽アンサンブル
    上綱敦子、藤本恵美子、簗取洋子、松本明子
    吉田龍之介、中川誠宏、清水一成、今村啓介

※横浜シティオペラが、私のオペラ「不思議の国のアリス」を神奈川オペラフェスティバル'15の第二夜で上演してくれました。オペラは自主的に公演するにはあまりに費用がかかるので、どこかのオペラ団体が取り上げてくれるのを待つしかありません。幸いこのオペラは途切れることなく、いろいろなオペラ団体に公演して頂けて、とてもラッキー。
 横浜みなとみらいという素敵なロケーションで、満員のお客様で昼夜二回公演が行われました。私が観賞できたのは夜公演のみでしたが、実力派キャストによって生き生きした魅力的なオペラとなり、作曲者として嬉しく観賞しました。
 このオペラの客層には、初演時から親御さんに連れられたお子さんも多く、最初は騒いだり歩き回ったりするのではと心配したのですが、今まで騒いだり大声を出した子どもを一度も見た事がありません。開演前まで動き回っていた私の前の席の子が、オペラ開始後静かになったので、眠ったのかと覗いてみたら、目を爛々とさせて舞台に見入っていたこともありました。
 このオペラの趣旨は「大人から子どもまで楽しめる日本語オペラ」ですが、実際の音楽作りでは、子どもへのアピールは別段考えてなかったので、子どもさんたちが驚くほどオペラに入り込んでくれることが不思議ですらあります。
 英語の原作が当時の英国人に受けたのはわかりますし、今も文学研究で多く取り上げられるのもわかります。なぜなら全編言葉遊びで、当時のイギリスの政治や文学、言い回しに対するパロディやおちょくりだらけですから。特にマザーグースの歌を知っていると物語の突然の飛躍も理解できますが、少なくとも外国人(アメリカ含)にとって、翻訳された「アリス」は只の超シュールな物語。いろいろな翻訳本を読みましたが、どれも決して読みやすくありません。言葉遊びの訳は難しいですから。テニエルのさし絵はたしかにイギリス的ダークさと若干のグロテスクさが面白いですが、日本の子どもに受けるタイプでもありません。ディズニーのアニメ・キャラの影響がやはり一番大きいでしょうが、歌手が演じるオペラはそれも関係ありません。なのにやはり子どもたちは集中して舞台に見入ってくれます。ルイス・キャロルの「アリス」は、言葉遊びや風刺を超えて、子どもに深くアピールする何かを持っているようです。



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