ご存知の通り南相馬市は、原発から10キロから40キロ圏に位置し、同じ市内で警戒区域(20キロ圏内)、緊急時避難準備区域(30キロ圏内)、計画的避難区域(飯舘村など)が混在するところです。
国では土壌の汚染が5000ベクレルを超えた田んぼの作付を禁止しましたが、南相馬市では独自に協議し、平成23年は汚染状況に関わらず市内全域での田んぼ作付を断念し、国に補償を求めました。その結果反あたり6万円弱の補償がされたそうです。
南相馬市の土壌汚染は作付禁止レベルを全てが超えていたわけではありません。警戒区域は不明ですが、それ以外はむしろほとんどないくらいでした。が、地震でパイプラインの損傷もありましたし、元々JAや行政が強い地域らしいので、この判断は理解できることでもありました。しかし津波の被害がなかった内陸部の田んぼが、作付されずに荒れていく姿は農家にはとても耐え難いものだったでしょう。
で、今年平成24年の作付をどうするか。先日南相馬市は平成24年も全域で作付しないことを決めたようす。その理由として、前年の23年に作付けしなかったためコメの検査データ蓄積がなく、安全か売れるかの判断材料がそろわないからだとか。しかしこの理由は全く納得いきません。
実は平成23年にすでに市の方針に従わず稲作を強行したつわものが数人いました。その一人、原町区大木戸の安川さんのお米は地下水利用の2地点は玄米47ベクレルと44・7ベクレル、精米37・9ベクレルと20・6ベクレル。川の水利用では玄米で96.6ベクレル以下、白米で53.8ベクレル以下だったそうです。
市の農業の将来を考えたら、むしろこうしたデータを有効に利用することこそ必要かと思います。しかし現実は、安川さんに田植え直後から再三栽培を即刻中止し青刈りするよう勧告があったそうです。そして南相馬市よりも原発から遠いながらも、風向きの関係でより汚染が深刻な中通りでのデータもたくさんあります。それでいて、データがないから24年も作付しないとは・・・。もちろん原発に近いところのお米が売れるのか不明ということもかんがみてでしょうが。
一方で、除染も兼ねて農地を再整備しようとする復興計画を市では着々と進行しています。除染となると作付された田とそうでない田が混在すれば当然効率が悪くなります。故の作付一斉禁止なのか・・・。これって整備事業を進めたいだけなのか、何て勘ぐりたくなります。今農業界は除染よりも移行を防ぐための技術論が主流となっているのです。それなのになぜ除染にこだわるのでしょうか。
南相馬市の農家は今年生まれて初めて他人が作ったお米を一年間食べ続けることになります。きっと来年は再び自分で作ったお米を食べたいと思っているはずです。せめて自給分だけでもよいから作付を認めてあげないと農家は作る気力を失ってしまうのではないかと心配してしまいます。それでなくても反6万円の補償金は手取り金額よりも多いくらいなのですから。
除染して基盤整備して、ふたを開けてみたら農家がいないなんてことがないことを祈るばかりです。
豊かな自然に育まれたお米・野菜たちってホントに美味しい!
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