今までで一番、心底お産が怖いと思いました。
助産師学生の頃から、これまで19人の産まれたての命を、この手に受けとめてきたけれど。
あんなに力無い、今にも消え入りそうな、か細い命の灯は初めてでした。
お母さんのお腹にいるときから、状態があまり良くないことも明らかで。
でもその事実をお母さんも家族も、全く知らない。
「どうして泣かないの?」
涙声で言うお母さんに、「大丈夫ですよ」だなんて、非力な言葉しかかけてあげられなくて。
それでも赤ちゃんは頑張って、小さくてかわいい産声を聞かせてくれました。
身体にたくさんのハードルを抱えた赤ちゃん。
今この時も、命の灯を精一杯輝かせてくれているはず。
私の職場は、やっぱりシビアな現場です。
でも、嬉しいことも、ひとつ。
私がお産を取り上げさせて頂いたお母さんから、退院の際に記念撮影を初めてお願いされたこと。
赤ちゃんを抱かせてもらって、3人で、笑顔で写りました。
命の誕生の瞬間に立ち合う、喜びと厳しさ。
両極端を孕む現実が、深く身に染みたひよこです。
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