大スキャンダル発生! 温暖化の嘘  

地球温暖化の嘘


読み応えあり

(今日のぼやき より転載)
副島隆彦を囲む会の中田安彦(アルルの男・ヒロシ)です。今日は、2009年11月29日です。
 今日は、今、欧米のテレビニュースを騒がせている、「クライメイト・ゲート事件」について書きます。端的にいえば、この事件の発覚によって、今、ビルダーバーグ会議などのメンバーによって構成される、「グローバル・エリート」たちの考えている「新世界秩序」の構想が、その根底が大きな嘘によって作り上げられていることが明らかになったということだ。

 アメリカでは、巨大な政治スキャンダルのことを、「〜ゲート」と呼ぶことが多い。この最初は、言うまでもなく、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が関与した、ウォーター・ゲート事件だ。そのほか、最近では、アメリカのCIA女性工作員である、ヴァレリー・プレイムの素性がマスコミによって報道されたことによる事件を、これがアメリカの諜報機関に与えた影響が極めて大きかったことから、「プレイム・ゲート」という。

 最近のニューヨークタイムズに掲載された「言語コラム」では、「〜ゲイト」(-gate)に対応するコトバとして、権力犯罪に対して真相究明を求める「真実言論派」を意味する言葉として、trutherというコトバが登場したことを指摘している。アメリカの保守派の活動家の中には、妊娠中絶を認めない、birther(birthは生まれるの意)と呼ばれる人々がいる。もっとも有名な、トゥルーサーとは、911事件の真相究明を要求する人々のことだ。これは、陰謀論者(conspiracy theorist)という罵倒に対して、活動家側が考え出した呼び名だろう。

 それでは、この最新の「クライメート・ゲート」がいったいどのようなスキャンダルなのかというと、それは国連の地球温暖化を研究する部門で、ノーベル平和賞も受賞した、IPCC(気候変動に対する政府間パネル)も依拠している、地球の気温の変化の調査を行っている、イギリスのイーストアングリア大学の気候研究ユニット(CRU)のコンピュータにある電子メールなどのデータが流出した事件である。11月20日ころから、イギリスのBBCが先んじて報道を始めており、イギリスだけではなくアメリカにも広がっている。

 問題なのは、流出した電子メールのやり取りからは、CRUに所属する科学者たちが、二酸化炭素などの排出による人為的活動の結果による地球温暖化の根拠とされる、気象データに、作為的な加工が施されていたことが含まれていたり、気候変動予測につかう予測モデルの不正確さを科学者たちが嘆く内容が含まれているということだ。この件に関して、唯一の報道である「毎日新聞」の記事を引用する。


(貼り付け開始)
 盗まれたメール、COP15控え波紋 研究者「気温の低下隠した」 英米メディア過熱
2009/11/26朝日新聞夕刊

 【ワシントン=勝田敏彦】気象研究で有名な英イーストアングリア大のコンピューターにハッカーが侵入し、研究者が地球温暖化を誇張したとも解釈できる電子メールなどが盗み出された。12月の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を控えた陰謀との見方もあり、英米メディアはウォーターゲート事件をまねて「クライメート(気候)ゲート事件」と呼んで報じている。

 メールには、国際的に著名な気象研究者同士のやりとりが含まれ、イーストアングリア大のフィル・ジョーンズ教授が米国の古気候学者らに出した「気温の低下を隠す策略(trick)を終えたところだ」などと書かれたものもあった。

 この記述に対し、地球温暖化やその人為影響に懐疑的な人たちが飛びつき、ネットなどで批判が相次いだ。ジョーンズ教授は声明で自分が書いたことを認める一方、「誤った文脈で引用されている」などと反論。木の年輪のデータから推定されるが信頼できない気温のデータを使わなかっただけで、科学的に間違ったことはしていないと主張している。

 公開を前提にしない私信とはいえ、ほかのメールで懐疑派を「間抜けども」などと呼ぶなど研究者の態度にも関心が集まっている。

 米国の保守派シンクタンク、企業競争研究所(CEI)は20日、「『世界一流』とされる研究者が、科学研究より政治的主張の流布に集中していることは明らか」とする声明を発表。23日には、急速な温暖化対策に批判的な米上院のインホフ議員(共和党)が「(感謝祭の議会休会が終わる)来週までに真相が明らかにならなければ、調査を要求する。この問題は重大だからだ」と述べ、「事件」が議会で問題にされる可能性も出てきた。

 COP15を2週間後に控えた時期の発覚で、世論への影響も懸念される。21日付米紙ニューヨーク・タイムズは「(COP15直前の)時期のメールの暴露は偶然ではないだろう」との研究者の見方を紹介している。

 米国では今年に入り、温暖化の科学的根拠に対する信頼感が下がっている。

 世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが9〜10月に実施した世論調査によると、「ここ数十年、地球の平均気温は上昇していることを示す間違いない証拠がある」と答えた人は57%で、08年調査の71%、07年、06年調査の77%から大きく下落した。

 同センターは、景気の落ち込みのほか、今夏は例年より寒かったことが理由ではないかとみている。

(貼り付け終わり)

 中田安彦です。以上、上に貼り付けた新聞記事はずいぶんとおとなしく書いているが、日本語の記事では、ほかに「日経エコロミー」の記事と、「ニューズウィーク日本版」の記事がある。ここでは前者を引用する。これは、「環話Q題:地球温暖化データにねつ造疑惑(09/11/26)」という記事である。この記事は、このメール流出事件について、何が問題なのか、そして、流出の経緯について重要な指摘を加えている。


(貼り付け開始)
 そこで注目されたのが有名な「ホッケースティック曲線」だ。過去1000年間にほぼ横ばいだった気温が、温室効果ガスの排出が増えた20世紀後半に急上昇したことを示す。IPCC報告書でもたびたび引用されたが、あいまいなデータ処理が以前から問題視されていた。メールの中で、フィル・ジョーンズCRU所長は1960年代からの気温下降を隠すことで、80年代からの上昇を誇張するデータのtrick(ごまかし)があったことを示唆している。

 ジョーンズ所長らは流出した電子メールが本物であることを認めたうえで、疑惑について24日に声明を発表。「trickとは新データの追加を意味する言葉で、ごまかしではない」などと釈明している。

「環話Q題:地球温暖化データにねつ造疑惑(09/11/26)」
http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000025112009

(引用終わり)

 中田安彦です。このホッケースティック曲線こそが、人類の経済活動による、地球温暖化現象という図式を決定付けたものだ。しかし、このホッケースティック曲線を世に出した、気候学者のマイケル・マンという人物に対しては、別の科学者から疑問が投げかけられていた。例えば、中世の温暖期などは木の年輪の調査によって存在が分かるらしいが、これをマンが過小評価したために、19世紀以降、突出して気温の上昇が進み、そのグラフがまるでアイスホッケーのスティックのようになったのではないかと批判されたわけだ。マンの提示した、ホッケースティック曲線が作為的に作成されたものだとすれば、これが国連のIPCCの報告書にも使用されていることを考えても、そのインパクトは気象学者の間だけにはとどまらない。
 
 IPCCは、2007年のノーベル平和賞をアルバート・ゴア米元副大統領と一緒に受賞しているからだ。地球温暖化問題の中心的な活動である、ゴアとIPCCの議長であるインド人のラジェンドラ・パチャウリが、この国際的な(ヨーロッパの貴族たちによって決められている)賞を受賞したことで、「地球温暖化対策の解決策はアル・ゴアに聞け」という流れが出来上がった。

 私が『エコロジーという洗脳』(成甲書房)での論文で去年、いち早く指摘したように、アル・ゴアは地球温暖化に対する”啓発活動”を本格化させ、それと同時に、ゴールドマン・サックス(GS)の元資産運用責任者のひとりと一緒に、環境投資会社「ジェネレーション・インベストメント」社を設立した。(この元GSのメンバー、それはとは、現在もゴールドマンの英国支社、ゴールドマン・サックス・インターナショナルの社外取締役である、デイヴィッド・ブラッドという人物だ)

 地球温暖化が本格的に議題に上り始めたのが、1992年のリオデジャネイロで開催された「地球サミット」である。この地球サミットや京都議定書の仕掛け人であり、デイヴィッド・ロックフェラーや、エドマンド・ロスチャイルドとも昵懇(じっこん)の仲である、カナダ人のモーリス・ストロングという国連に非常に強いコネを持つ、パワーエリートがいる。この三人(ストロング、ロックフェラー、ロスチャイルド)が1980年代の末に、米コロラド州の山のふもとに集まって、「地球温暖化をどのようにしてビジネスが解決するか」という会合を開いている。(この会合については、私は『世界を動かす人脈』と『エコ洗脳』に書いた。また、中国人が書いた、反国際金融資本のテーマを扱った『通貨戦争』という本にも詳しく書かれている)

 さらに、アル・ゴアの『不都合な真実』というドキュメンタリーを装った政治的な宣伝映画が公開されてから、イギリスでは『地球温暖化詐欺』(Global Warming Swindle)というテレビ番組が放送された。この中では、さまざまな”非主流派”の科学者たちが登場し、地球温暖化について、「仮に温暖化が進行しているとしても、それは、太陽の活動が原因であるかもしれない」という新しい視点を提示したり、「CO2による温暖化が進んでいるから気温が上昇しているのではなくて、逆に気温が上昇しているのでCO2が増えているに過ぎない」という別の意見も提示されていった。

 ところが、このような批判に対しては、人為的温暖化派の論客からは、「ゴアの映画を見なかったのか。石油政権であるブッシュ政権では、温暖化懐疑論を否定するために、石油業界からさまざまな圧力がかかっていたではないか」という批判が投げられるのが常であった。ゴアの映画では、ゴアがわざわざ再現VTRに出現し、ブッシュ政権が温暖化議論に対して加えた圧力について報じる、「ニューヨークタイムズ」の記事を映し出すシーンがある。

 ここで、クライメートゲートの二番目の大きなスキャンダルが浮上してくる。それは、つまり、ブッシュ政権がやってきたのと同じような圧力を、当の温暖化の専門家たちである、気象学者や科学者たちが行ってきた可能性が浮上しているからだ。前に引用した、「日経エコロミー」の記事には次のように書かれている。

 それは、つまり、「メールでは、2001年にまとめられたIPCC第3次報告書の代表執筆者のひとりだったジョーンズ所長が、懐疑派の学者に対して「報告書に論文を掲載しない」「論文誌の編集からはずす」「CRUのデータにアクセスさせない」といった圧力を加えたことがつづられている」(記事引用)のである。

 学者の世界では、自分の研究業績が学会に認められるためには、自分の論文が「専門誌」(ピアレビュー・マガジンズ)に掲載される必要がある。ピアレビュー(査読)とは学者同士の検証を経ているという意味である。この種の学会誌に掲載されないということは、学者としての業績が認められないということであり、学者としては「死の宣告」に等しい。

 今回の「クライメート・ゲート」事件で流出したメールの一通には、ある雑誌が、温暖化に対する懐疑派の学者による論文を掲載されたことに対して、IPCCの報告書の執筆者でもある、CRUのフィル・ジョーンズ所長らの間で、「あいつの論文はもう査読誌には載せない」とか「この雑誌の査読誌としての権威を失墜させよう」といったやり取りが行われたことが記録されている。思い出してほしい。ブッシュ政権は、石油業界の資金を使って、温暖化論を封じ込めた。そして、IPCCにつながっている権威的な科学者ジョーンズは、同様にして「反対論を学会から締め出そうとしている」ということである。そこに違いはあるか。ない。

 IPCCの報告書こそが、CO2の排出により、地球温暖化が進み、世界中で甚大な被害を与える気象変動が起きると警鐘を鳴らした資料だが、そのIPCCの報告書に参加していたCRU所長や、CRUの提供するデータが、改ざんされていた可能性が極めて高いということは何を意味するか。根源からデータが操作された可能性がある、ということだ。このIPCCの報告書を根拠にしたものはすべてを再検証する必要があるということにもなりかねない。

 このクライメート・ゲート事件が、そのインパクトの割には(ブッシュ政権のスキャンダルならもっと騒がれたのではないか?)、アメリカの主流メディアでも、軽い扱いにとどまっているのは、12月にデンマークのコペンハーゲンで開催される、COP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会議)が近いからだろう。この会合には、オバマ米大統領(1日だけだが)や、中国の温家宝首相らが参加するが、鳩山由紀夫首相や、小沢鋭仁環境大臣も出席する。さらに、日本の経団連の代表団も出席するし、世界じゅうのエネルギー企業や環境関連企業もそのトップが出席するとみられている。コペンハーゲンでの会議を前に、世界中の企業が、会合での何らかの国際的な枠組みの策定を期待するコミュニケに署名している。例えば、FT紙(2009年11月26日)によれば、金融機関では英HSBC、蘭ING、仏ソシエテ・ジェネラル、独アリアンツなど、財界では、ヤフー、ペプシ、アディダス、ネスレ、キャセイ・パシフィック、ルサール(ロシア・アルミニウム)、日本生命などの企業である。

 それだけではない。アメリカでは、グーグルと組んで、先端的な送電網(スマート・グリッド)を開発している、ジェネラル・エレクトリック社が環境部門に比重を置いているし、ドイツではシーメンスが、スイスではABB(アセア・ブラウン・ボヴェリ)が、フランスでは、原子力発電のアレヴァ、アルストムといった企業が、環境関連の需要を前提にして、企業戦略を立案している。日本で検討され始めた、「環境税」も、従来のガソリン税の暫定税率からの”付け替え”とはいえ、根底には京都議定書やCOP15に向けた、グローバルな地球温暖化対策の枠組みの進展の期待がある。

 要するに、この世界的な大不況の真っ只中、世界経済の浮上の期待が望めるのは、中国やインドなどの新興国の経済成長(圧倒的な人口を前提にした内需)であり、まったく新しい発電、送電、エネルギー消費の発明である。ちょうど100年前に、ロックフェラー石油帝国が出現したが、それに変わるエネルギーの覇権をためのた、え競争が始まっているのだ。アメリカはIT先進国であることから、効率的な送電線によるエネルギーコストの削減を目指し、フランスは原発大国であることから、国営企業に近いアレヴァなどの主要エネルギー産業を国家による「産業政策」で育てる戦略を打ち出している。日本は、しいて言えば、トヨタやホンダなどが開発している「エコロジー・カー」が成長株だが、大きな発電のところはGEやアレヴァといった欧米系に押さえられている。

 だから、このクライメート・ゲート事件は、意図的にFT紙などのロスチャイルドの息がかかった新聞ではほとんど報じられないし、リベラル派で温暖化問題の脅威を主張してきた、「ニューヨークタイムズ」でもアフガン問題などに比べると、まったく扱いが小さい。それは、日本の新聞においても同様で、広告主のエコ企業の意向があるので、このエコ企業の基盤を揺るがしかねない大スキャンダルを大々的に報道するわけには行かないのだろう。

 オバマ政権で「エコ・ツァー」(環境女帝)とのあだ名がつけられている、キャロル・ブラウナー女史は、COP15にオバマ政権のほかの環境関連閣僚と一緒に出席することが決まっているが、その彼女も、「ワシントンタイムズ」の取材に対して、「この問題に時間をかけて取り組んできた2500人の科学者が言うのだから、地球温暖化問題は真実なのよ」と、「科学者のコンセンサス」を盾に政府の方針の見直しを拒否したという。(ワシントンタイムズ、2009年11月25日付)

 しかし、今回の問題で論点になっているのは、「コンセンサスの作られ方」であり、IPCCの使用しているデータがその論点になっているのである。

 科学者が気候変動について予測するためには、コンピューターを駆使した「予測モデル」(現在、民主党の「仕分け作業」で槍玉にあがっているスーパーコンピューターを使用する場合もある)が重要になってくるのだが、今回、流出した電子メールの中には、科学者が自分たちの使っている予測モデルの信頼性に疑問を投げかける内容のものを含まれている。さらに問題なのは、科学者たちがこれらの「温暖化派」にとって都合が悪い内容を含んだメールを削除することを話し合っているやり取りも含まれている点だ。

 これとは関係ないが、温暖化問題の火付け役であるアル・ゴア自身が、最近のインタビューや著作の中で、「私がCO2による温暖化の脅威を訴えてきたことが間違っていない」としながらも、「包括的に気候変動による危機に対処するには、NASAの報告で取り上げられている原因物質の全てをカバーするようにフォーカスを広げなければならない」と述べるようになっている。ゴアが示している最新の研究では、CO2が温暖化に与える影響は40%であり、そのほかにも、メタンガスや、石炭を燃やすことによって出るススなどの影響もあるという。(英ガーディアン、2009年11月2日)

 報道を見ても、global warmingという表現よりも、climate change(気候変動)というあいまいなコトバで報じられることが増えている。鳩山由紀夫首相が掲げる「友愛」もそうだが、あいまいなコトバはさまざまな意味を含ませる余地をもってきており、権力者の側の裁量を大きくする。

 世界の有名企業が、舵を切ったように新エネルギー競争に乗り出したことが示すように、地球温暖化問題は、地球破滅の危機の問題ではなく、台頭する新興国(中・印)による大量エネルギー消費時代の到来を受けて、欧米を支配してきたG-7諸国がどのように対抗し、相対的な優位を保つのかという問題意識の現われになってきている。だから、この「あやふやな前提」に基づいているかもしれない、温暖化対策のイニシアチブを誰が握るかという”競争”は、当分終わらない。それは、今到来している世界恐慌の中で、世界経済がひとつの方向に向けて、秩序だって競争するために不可欠だと世界の支配者たちが考えているからである。来月に行われるCOP15は大きくいえば、そのような「談合」や「共同謀議」の形成の場である。

 19世紀の戦争は、帝国主義を掲げた欧米諸国や遅れてきて登場した日本による領土の分捕りの形を取り、20世紀の戦争は総力戦による民族同士の争いという世界大戦の形をとる。そして、21世紀の戦争は、核兵器があるために、実際には銃弾が発射されることのない、「世界のエネルギー覇権」をめぐる制度やイノベーションをめぐった争いになる。欧米諸国でもアメリカはあえて原子力発電には手を出さず、スマート・グリッドなどのITと融合したやり方をとる。(そして、原子力産業は、日本企業の東芝や日立に一時的に預からせている)また、歴史的に原子力産業が強い、EUの主要国であるフランスは、国家を挙げて原子力産業をサポートしている。(この流れの中で、仏アレヴァが、送電部門をGEに売却する交渉を進めているのは興味深い現象だ)

 欧州のエネルギー政策を決めているのは、ビルダーバーグ会議の名誉議長である、エティエンヌ・ダヴィニオン子爵を中心にした人的ネットワークの集合体だろう。ダヴィニオン子爵が取締役を勤める、水資源や原子力も含む仏総合エネルギー企業の「GDFスエズ」の取締役会には、アレヴァの会長兼CEOであるアンヌ・ローベルジョンという女性経営者が参加している。フランスでは半ば政府の容認する形でエネルギー企業間の取締役の兼任が多層的に行われているので、これが事実上の「産業政策」となる。スマート・グリッド構想にも参加している、グーグル社のCEOであるエリック・シュミットもビルダーバーガーであり、ビルダーバーグの内部では、「競争する手段」の違いはあるけれども、「温暖化対策」を名目とした、「欧米諸国主導のエネルギー標準の形成」という点では共通した目標が設定されているようだ。

 しかし、クライメート・ゲート事件が、イギリスのメディアで主に騒がれているのは、EU主要国であるフランスの環境政策に対するイギリスの反発が強いことを示しているだろう。また、ニュージーランドにもこの疑惑に関連した「気象データ操作」が波及しているのが現在の状況だ。オーストラリアやアメリカでは、保守派の議員を中心に、左翼リベラルの一種である「進歩主義者」が推進する、この地球温暖化をテコにした増税プラン(排出権取引も含む)に対する反対が広がっている。ことによると、オバマ政権が打ち出している環境法案は大きな後退を余儀なくされるかもしれない。米上院で環境法案の指揮を執る、ジョン・ケリー上院議員にとっても厳しい日々が続くだろう。

 この温暖化をめぐる疑惑は、これまで国連がまるで、中世の異端審問官のように、異端者を沈黙させてきた構図が存在していることを私たちの目の前に明らかにした。カトリックのローマ教会が行った中世の異端審問においては、正当な教義に反する協議を信奉する異端者にはさまざまな圧迫が加えられた。

 国連IPCCの異端諮問官とその取り巻きの気象学者が握り締めた気象データという利権が存在する。異論を唱える学者は、論文発表の場を奪われ、具体的には、予算の配分を受けられなくなって、社会的に抹殺されるのである。そして、グローバル・エリートといわれる金融家や産業家たち、すなわち現在の貴族階級は、その”教義”によって生み出された新ビジネスを推進することによって、世界経済という大きなエンジンを動かしている。そのエンジンを実際に回すのは、地球温暖化というという教義に一切の疑いをさしはさまない、トゥルー・ビリーバーたちなのだ。

 地球温暖化というストーリーをわざわざ用意したのは、圧倒的な危機、ハルマゲドンに相当する危機を大衆に信じ込ませなければ、彼らは新しい秩序には従わないとエリートたちが考えたからである。哲学者プラトンは、支配のやり方を「高貴なる嘘」と呼んだ。地球温暖化というのは、世界経済発展のための「高貴なる嘘」なのだ。私たちは、もう少し、この嘘に付き合っていくことになる。

中田安彦拝

(転載おわり)
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