伝承毛鉤「遠刈田(トオガッタ)毛鉤/1」
今年は、思いのほか梅雨前から暑くて困った。あの暑さ渓釣にでも行こうものならは我の心臓と頭が・・・。梅雨明けと同時に諦めて早々に
「納竿」は済ました。
何する事も無く悶々とした日々を過し、PCの我の引き出しを開き、整理を思い立ち、数十種有る「昔毛鉤.伝承毛鉤」の項を回覧していると、ストックしていた記事が目に飛び込んだ
「遠刈田毛鉤」・・・
《引き出しの中》
● 南蔵王温泉郷のマタギが伝えた「遠刈田毛針」。キジや山鳥の尾羽をむしり取った時についてくる芯(ストーク)の皮を翅として使い12号のセイゴ鉤に山吹色の絹糸で3重に連ねてとめる。本当はメスの尾羽根を使うと、水に入れたときに色が変わり、より効果的であるが、♀雉は禁鳥ゆえ今は♂雉の尾羽で巻く。クロカワ虫(ニッポンヒゲナガカワトビケラ)の多い澄川という環境と「職漁師の知恵」が生んだ「他に類を見ない毛バリ」今では、この毛ばりを巻く人も、使う人も少なくなったと、言われている。
写真:遠刈田毛鉤 
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《試し巻き》
「他に類を見ない毛バリ」、今ではこの毛ばりを巻き使う人も少なくなった。
暇だしこの文章が気に成り、我の「スケベ心」がムクムクと起き出した、永き毛鉤暦の中、知らず知らず集まった「毛鉤素材」は今、ほぼ何でも揃っているので、早速試し巻を試みる・・・。
《巻き方》
材料は、♂.♀キジと♂山鳥の尻尾の羽根。がまテンカラ鈎9号と黄.赤色の絹糸。
遠刈田毛鈎の最大の特徴は、毛鈎の"翅"(テンカラで言う蓑毛)にあたる部分に羽毛を使わずに羽根をストーク(芯.軸)の皮を付けてむしり取る、この部分が翅と成るので慎重にむしり取るが此れが結構・・・。
写真:上から♂雉、♀キジ、下段が♂山鳥の尾羽根 
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写真:キジ♀尾羽根をむしった状態
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羽毛の方は鈎に巻き込み、必然的に胴となる。それを3重に連ねて、巻き止めれば毛鈎が完成する。
慣れぬ事とはいえ巻くのに結構難儀する毛鉤であるが、頭を黄と赤の2種を巻き上げた。
巻き終わり「遠刈田毛鉤」の写真と比べ見ればチト違うが、初めてにしてはま〜ぁそこそこという事にしておこう・・・。
写真:模写?した遠刈田毛鉤
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確かに独特のストーク(蓑毛)を纏うと黒川虫に見えてしまうし、「他に類を見ない毛バリ」で有る。
取り合えず赤頭と黄頭を3本ずつと「試釣時」の比較の為のエルクヘヤーカディス
(フライ毛鉤)を1本計7本を巻き上げた。
※ [ストークの皮を使う理由として]
1.水中での光り方がちょうどよく、視認性が良い。
2.羽毛にくらべ、水を含みにくい。
3.鈎もちがいい。昔は、1本の毛鈎で一貫目(約3.8kg)もあげたという。
などが推測されるが、いずれにしても生業として確実に渓魚は釣らなければならない職漁師の知恵が生んだ、"他に類をみない毛鈎"だろう。
《試釣》
今期は既に「納竿」で有ったが、巻き上げた毛鉤を見ていたら、またしても我のスケベ心がムクムクト熱り立つ「コイツヲ使ってみたい」。思い立ったら吉日と早速渓へと・・・・。
先日購入したヤマハシグナスは快適に走り、秋風が肌寒を感じ取る。
行く先の渓は我が育て守り続けた
「極秘の渓」 ※ (有る事があり「根こそぎ移植放流」をし造り上げた「密溪沢」の渓。)
この毛鉤にもワクワクするが、移植放流後我の病が悪化し「追跡調査」が出来ず3年の月日が経ち今、が初の竿出、ハテサテ如何なものか
心躍る。
《テンカラ用品》
「昔は、道具類は殆ど手造りで、野竹(破竹.布袋竹)を採り油抜きを施し、癖取りと乾燥を行い、桐の柄を付けた長さ2間(約3M)の竿使い、糸は馬の尻尾の毛(馬素)を縒って竿の長さとし其の先に山繭から産出したテグスを1M50の道具立てで、毛鉤を叩いていたが。
この様な伝承(昔)毛鉤にはその道具立てが、似合いなのは解ってはいるが、今の時代竹竿は?・・・せめて我の自作の(カーボン)竿と象牙の毛鉤巻きで勘弁を願う。
写真:全て自作のテンカラ用品 
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想いの渓へ着き崖を滑り降り河原に立つ。
心成しか震える手で象牙の毛鉤巻きからテンカラ竿へ仕掛を接続し、数回の空振りをし
準備完了!
岩影に身を隠し、小淵尻の対面に毛鈎を叩き、少し沈めるトビケラが羽化し水中を泳ぐ様を模倣した操作を行う事に徹し、ポイントを横切るように水面下をジグザグに流す。
写真:入渓地点より上流を望む
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【次回に続く・・・】 - - - - - - - - - - - - - - - - -

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