作:三島由紀夫 演出:トーマス・オリバー・ニーハウス
出演:中嶋朋子 塩野谷正幸 千葉哲也
大浦みずき 池下重大 植野葉子 廣畑達也
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美術:松岡泉 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 衣裳:原まさみ
ヘア&メイク:鎌田直樹 舞台監督:増田裕幸・久保勲生
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2005年8月20日(土)〜9月4日(日)/ベニサン・ピット
「tpt」サイト:
http://www.tpt.co.jp/
□三島由紀夫『道成寺』をトーマス・オリバー・ニーハウスさんが演出。
tpt(Theater Project Tokyo)の公演を観て来ました。僕は今年上演されたミュージカル
『ナイン』に続いて二回目の観劇です。ドイツのトーマス・オリバー・ニーハウスさんが
三島由紀夫の「近代能楽集」の内から「道成寺」という作品を演出されます。
□あらすじ
高貴な人たちが集まり、オークションが開催される。競りにかけられたのは巨大
な衣装箪笥。お客たちが高額な値段をあげているなか、“3000円!”という大安
値を叫ぶ自称踊り子の女性が現れる。そしてその女性が話し出すのは・・・。
□少し難解で意味深で味わい深く、クオリティの高い作品でした。
意味深で味わい深い難解な作品でした。そして奇抜というか個性的というか、ちょっと
特徴的な演出……でもクオリティはとても高くて素晴らしいですね。さすがtptと感心して
しまいました。クールで少し乾いた感じもするモダンな空間で繰り広げられる約1時間を
最後まで堪能しました。いっぱい刺激をいただいて、面白かったです。短めながらも、
見応えのある魅力的な舞台でした。チケット代が6300円という高めの料金設定だな…、
と思っていましたがこの内容なら納得かも。ちなみに学生券があって半額の3150円で
観れますので、これはお得だと思います。tptは見逃さないようにしようと思いました。
−−−−−−−−−−−−−−−下記ネタバレ−−−−−−−−−−−−−
□まず舞台美術(松岡泉)に感動
劇場内に入場すると、まず美術に感動しました。目に飛び込んでくるのは白い廊下の
ような細長い舞台。そして細長い舞台の上には同じ大きさの白い天井が吊ってありま
した。白い舞台の前は黒い床があり、舞台中央から客席通路まで花道のように演技
が出来るスペースがありました。奥は真っ黒な劇場の壁や床が露出しているような
雑然とした空間が広がっています。上手の奥のほうには椅子が山のように積み重な
っているのが見えます。いったいココで何が始まるんだろう、と胸が高鳴りました。
□あらすじの続き
オークションの会場にやってきた女性が語りだしたのは、その大きな衣装箪笥の由来。
実はその衣装箪笥は彼女の恋人が殺された場所だったのです。彼女の恋人は夫人と
不倫していて、その衣装箪笥の中に潜んでいたのです。しかしある時、不倫していた事
が夫に分かってしまい、彼女の恋人は箪笥の中で死んでしまったのだ・・・・・・。
□演出について
舞台の重要なポイントとなる巨大な衣装箪笥が登場しなかったり、演出が面白かったで
す。ラストでは口紅を男女問わず役者さん全員が一つの口紅を回しながら塗っていきま
す。解釈できたと思うのは極わずかですが、観ていて面白いと思ったことに変わりはあり
ませんでした。難しいっ!と心の中で叫びつつも、考える楽しみを与えてくれるお芝居が
結構好きなので、これもまた今作品の魅力かな、と思って楽しみました。
特にオープニングが良かったです。まるでファッションショーのように役者さんが颯爽と
一人ずつ登場します。黒と白を基調とした個性的な衣装を着ている役者さんたち。
ポーズをきめちゃったりして、とてもカッコイイです。ひきつけられたオープニングでした。
□戯曲について
「春は恐ろしい季節ですよ」という言葉が繰り返し語られる、とっても興味深い作品でし
た。お話のポイントとなる“顔”の存在など、感心してしまうような所が色々とありました。
そして、最後にはしっかりとお話がまとまる感じというか、ある意味拍子抜け的な終わり
方だったのには少し驚きました。クールな空間で語りだされる衣装箪笥の由来。官能的
でゾクッとしました。魅力的で面白いですね。味わい深い作品だったと思いました。
−−−−−−−−−−−−−−−上記ネタバレ−−−−−−−−−−−−−