「自転車キンクリートSTORE『ブラウニング・バージョン』」
作:テレンス・ラティガン 訳・演出:鈴木裕美
出演:浅野和之、内田春菊、今井朋彦(文学座)、岡田正、
池上リョヲマ(グワィニャオン)、一戸奈未、佐藤祐基
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舞台美術:横田あつみ 照明:中川隆一 音響:井上正弘
衣裳:三大寺志保美 ヘアメイク:河村陽子 舞台監督:伊達一成
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2005年10月20日(木) 〜 10月30日(日)/六本木・俳優座劇場
WEB「自転車キンクリート」:http://www.jitekin.com/
イギリス演劇の第一人者と言われているテレンス・ラティガンさんの作品を三作連続して
公演する、その名も『ラティガン祭り』。第一弾の
『ウィンズロウ・ボーイ』(坂手洋二・演出)
に続いて、第二弾は『ブラウニング・バージョン』。翻訳・演出は鈴木裕美さんが担当され
ます。前回の『ウィンズロウ・ボーイ』ですっかりテレンス・ラティガンのファンになってしま
ったため、今回の作品もとても楽しみにしていました。でもチケットが売れていなかったん
でしょうか、イープラスで得チケ(¥3000)が発売されていました。
自転車キンクリートSTORE『ラティガンまつり』レポート一覧
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第一弾『ウィンズロウ・ボーイ』(演出:坂手洋二)
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第二弾『ブラウニング・バージョン』(翻訳・演出:鈴木裕美)
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第三弾『セパレート・テーブルズ』(翻訳・演出:マキノノゾミ)
《あらすじ(WEB「自転車キンクリート」より引用)》
パブリック・スクールの校内にある教職員住宅の一室。夏休みを控えた、終業式の
前日。教師で、古典学者のアンドルウ・クロッカー・ハリスは、心臓病のため明日で
この学校を去ることになっている。アンドルウは人に好かれる性質ではなかった。
彼は、教師としても、妻ミリーとの夫婦生活においても、自分が落伍者であるという
ことを認めていた。そんなアンドルウに、生徒や同僚、校長や新任教師、様々な
人々が挨拶に訪れる。それは、いつも冷静な彼の心を激しく揺さぶるものだった。
学校内にある教職員住宅の一室を舞台に、夕方から夜にかけての半日を描いた
静かな会話劇です。演出もシンプルでスタンダートなもので、華やかなわけでもなく、
むしろ地味な作品だと思います。でも人間の心理が細かに書かれていて、観客の心を
ひきつけ揺さぶる強い力をもちあわせた、味わい深い秀作でした。
場面転換や暗転、休憩もないワンシチュエーションの1時間50分。だからこそ登場人物
と同じ空間・時間を共有しているような感覚なり、登場人物の行動、言動などにずっと
気持ちを動かされ続けました。静かだけれど、なんて凄い力を持った作品なんでしょうか。
久しぶりに作品の世界にドッと入り込んで、時に笑って、時に泣いて・・・濃厚な時間を
過ごしました。いや〜、すっかりテレンス・ラティガンの虜になってしまいました。
ラスト近くのアンドルウ(浅野和之)と同僚教師のフランク(今井朋彦)のやり取りが特に
素晴らしかった・・・。脚本はもちろんのこと、二人の役者さんの演技にも圧倒されました。
特に浅野さん、なんて上手な役者さんなんだろう・・・と感動しました。
内田春菊(妻・ミリー)さんは初めて拝見したのですが、素敵な方だと思いました。
でも、ミリー役には不似合いだと感じてしまいます。この役に必要とされる演技の技術
まで達していないと感じずにいられませんでした。かなり重要な登場人物ですし、
ちょっと残念でしたね。内田さんは、また違う作品で拝見してみたいと思いました。
他の役者さんも上手な方が多く、しっかりと脇を固めていると思いました。
舞台美術(横田あつみ)は細部いたるまでこだわっていて、とてもリアリティがありました。
時間の移り変わりを上手に表現した照明(中川隆一)や音響(井上正弘)も効果的でした。
何だかどれをとってもクオリティが高く、とても上質な作品だと改めて感じます。
そしてラティガンまつりも次回「セパレート・テーブルズ」で最後ですね。
きっと良い作品なのではないでしょうか、今から期待しています。