「ク・ナウカ『ク・ナウカで夢幻能な《オセロー》』」
原作:シェイクスピア 謡曲台本:平川祐弘 演出:宮城聰 間狂言:小田島雄志訳ニヨル
出演:美加理・阿部一徳・吉植荘一郎・中野真希・大高浩一・寺内亜矢子・
本多麻紀・片岡佐知子・鈴木陽代・加藤幸夫・たきいみき・大道無門優也・
布施安寿香・池田真紀子・杉山夏美・高澤理恵
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照明:沢田祐二 空間設計:田中友章 衣裳:高橋佳代 演奏構成:棚川寛子
音響:AZTEC ヘアメイク:梶田京子 舞台監督:小谷武 宣伝美術:青木祐輔
WEBデザイン:井上竜介 制作:大石多佳子
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WEB「ク・ナウカ」:http://www.kunauka.or.jp/
公式ブログ:http://d.hatena.ne.jp/kunauka/
語り手と動き手という二人一役の手法をとっている「ク・ナウカ」。今回は東京国立博物館の
日本庭園での野外公演です。僕は『ウチハソバヤジャナイ』とテレビ放送で『王女メデイア』を
拝見したので、生で観るのは2回目ということになりますね。ク・ナウカは最近ずっと見逃し
続けていたので、久しぶりの観劇となります。とても楽しみに観に行きました。
野外公演でしたが、客席には屋根がついていました。とわいえ野外なので、やっぱり
寒かったです。これから観に行かれる方は、防寒対策をっ!でも膝掛やカイロが用意されて
いましたし(とても気が利いていて助かります)、個人的には厚着をしたり、マフラーを持参
したりしていたので寒さがそれほど苦になることはありませんでした。良かったです。
僕はユース席(25歳以下・2500円)という最前列の席だったのですが、ちょっと観づらかっ
たです。ほかの席と比べるとお安めの席なので仕方ないのですが。でも最前列ということ
で、すごい迫力でした。役者さんの熱演を間近で観ることができて良かったです。
東京国立博物館にある池やお茶室もある日本庭園。その庭園をバックに特設された立派な
能舞台。期待通りの素敵な空間が広がっていて感動しました。ちなみに舞台には字幕があり、
そこに台詞などが表示されます。台詞が難しいので、字幕があってよかったと思いました。
≪シェイクスピア「オセロー」の簡単なあらすじ≫
ヴェネチアの将軍・オセローはデズデモーナと結婚する。しかしオセローは、デズデ
モーナの不貞を信じ込まされてしまう。そしてオセローはデズデモーナを絞め殺して
しまった。しかし殺害後、デズデモーナの潔白を知ったオセローは自ら命を絶つ。
シェイクスピアの四大悲劇のひとつとしても有名な「オセロー」。今回の作品は、オセロー
に殺されたデズデモーナが思い出を生き続けているという設定で、新たに能の台本として
書き直されたものでした。ということで、能の要素や形式をふんだんに用いた作品です。
能の事などさっぱり分からない僕なのですが、当日配布されたパンフレットには演出家・
宮城聰さんによる文章や能に関する知識が満載でした。こういった気配りは嬉しいし、
とても助かりました。作品に対する理解のようなものが、より一層深まったと思います。
ク・ナウカの作風は独特なものですし、野外公演ということもあって、とても興味深かった
です。幻想的かつ刺激的な空間だったので、全体的には最後まで面白く拝見しました。
1時間30分、とても幻想的な時間を過ごす事ができました。役者さんによるパーカッション
やジャンベなどによる生演奏は力強く、とってもライブ感があってワクワクしましたし、迫力
があって良かったです。色んな刺激をうけ、とても見応えのある舞台だったと思いました。
感覚としては面白いのだけれど、何を表現しているのか、何を伝えたいのか、そんな
風に分からかった場面が多かったです。あとは僕の席からだと、役者さんの影になって
字幕が見えづらかったのも災いしているかもしれません。ちょっと残念でしたね。
今回は“オセローに殺されたデズデモーナが思い出を生き続けているという”設定で書か
れた能の脚本ですが、この設定の意味がイマイチ分かりませんでした。別に普通に「オセ
ロー」を能の脚本にすれば良いのにな、と思いました。こういったアイディアは面白いとは
思うのですが、舞台の後半はデズデモーナの独白のような場面が多く、僕は少し退屈し
てしまったんです。もうちょっと工夫していただけると嬉しいです。
お面を使用していた間狂言(?)の場面について。意味はあるのかもしれませんが、あまり
パッとしていなかったように思いました。でもお面は凝っていて、とても面白かったです。
全体的に僕は“面白い、興味深い”と感じました。でも欲を言えば、もっとグッとひきつけ
られるような場面がほしかったです。更に魅力的に、可能性が大きい舞台なんじゃない
かな、と思いました。ク・ナウカは、また別の作品も拝見してみたいですね。