作・演出:岡田利規
出演:岩本えり、下西啓正、瀧川英次、トチアキタイヨウ、
難波幸太、松村翔子、山中隆次郎、山縣太一
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舞台監督:藤本志穂 照明:大平智己 宣伝美術:岡本健 イラスト:阿部伸二
制作:中村茜 制作協力:プリコグ 企画制作:チェルフィッチュ/(有)アゴラ企画・
こまばアゴラ劇場 協力:P.E.C.T. 乞局 七里ガ浜オールスターズ
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 平成17年度文化庁芸術拠点形成事業
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2005年11月3日(木・祝)〜15日(火)/こまばアゴラ劇場
WEB「チェルフィッチュ」:http://www.chelfitsch.net
今年の岸田國士戯曲賞を受賞した岡田利規さんのソロ・ユニット『チェルフィッチュ』。
受賞後初の東京公演となる新作「目的地」を観に行って来ました。今回の公演は
NHK「芸術劇場」でも放送されるようですし、かなり話題度、注目度の高い集団です。
独特な作風でした。今時の超リアルな日本語がただひたすら洪水のように流れていき、
それと平行してダンスのような身振り手振りな動作が加わっていきます。「今から“目的地”
をはじめます」「・・・じゃあその時の事をやります」などと観客に向かって説明したり、独白
的なことをしたり・・・なんだか日常と地続きな感じがしつつもそうでもない感じ。違和感を
覚えるはずが、気がつくと舞台に引き込まれていました。なんとも不思議な感覚です。
■チラシの文章より引用
横浜の港北ニュータウンに住むある若い夫婦は、猫を飼おうと思っていた。
ニュータウン内で開催される、捨てられたペットの里親捜しのイベントに出向き、
そこでかわいらしい猫を見つける。しかし夫婦はその猫を引き取らなかった。
妻が妊娠したことが判明したからだった。夫と妻がそれぞれに感じる、喜びと恐れ。
妻は、あの猫が結局どんな飼い主に引き取られたのか、夢想する。
話題の劇団「チェルフィッチュ」を初観劇なので、いやでも期待が高ぶってしまうのですが、
その期待以上のものを観させていただきました。いや〜・・・・・・かなり感動しました。
暖かな視点が存在しつつも、でも社会風刺のような骨太な主張がしっかりと存在してい
ました。時にはドキッとしたり、時には胸にグッときたり・・・とてもドライな印象を持つ舞台
だったのに、自分の中では色んな感情がめぐっていきました。今まで出会ったことのない
新たな表現方法に出会い、刺激をうけまくりの1時間40分でした。あ〜面白かった!
ドライでクールでスタイリッシュな舞台空間が魅力的でした。とにかくカッコいいし、セン
スが良いし・・・。衣装も普段着っぽいのに、なぜか素敵に見えてしまいました。演出も
字幕を使用したりしていてバリエーション豊かです。役者さんたちも輝いていました。
とても独特な表現方法ですが、でもそれが単なるもの珍しさや独創性に留まらず、
しっかりとした表現方法の面白さに直結しているのも、さすがスゴイと思いました。
やっぱり独特で奇抜な感じですので、好き嫌いが分かれる可能性は高いです。でも一見
の価値は十分にあると思いますし、今最も旬な演劇といってもいいと思いました。次回
公演は来年の3月までお預けですので、このきかいに是非観てみてはいかがでしょうか?
★下記ネタばれしています。ご観劇を予定されている方は、ご注意ください。
いくつかの物語が進行していきます。妊娠したかもしれない事を彼氏に打ち明けられな
くて悩む女のエピソードから舞台は開幕し、彼氏の先輩の家庭のエピソードなど。様々
なエピソードに登場する、様々な登場人物たちは自分を時に主観的、時に客観的に見
つめたりします。色んな人の視点が存在するお芝居なので、とても深みがありました。
役者さんには特定の役はなく、いつしか役が変わっていたりしました。時には人間じゃ
なくて猫になったり面白いです。こういったユーモアが散りばめられていて、可笑しかっ
たです。こういった可笑しさが笑いを誘っているところもありました。
上記にも書きましたが、日常と地続きな感じがしました。きっとこんなことありそう、
かなりリアリティがあります。だからこそ発せられる主張のようなものがガツンと
胸にきます。発せられる主張はひとつじゃなくて、上演中は色んな事を考えてました。
真っ白に統一された、ほぼ素舞台の正方形の舞台。そして2面の客席。舞台上には
椅子が一脚と二つの大きな白いスクリーンがあって、それが字幕として利用されます。
極めてシンプルだけれど、間接照明があったりとお洒落でスタイリッシュな美術です。
★上記ネタばれしています。ご観劇を予定されている方は、ご注意ください。