脚本・演出:野田秀樹
出演:松たか子、古田新太、段田安則、宇梶剛士、美波、野田秀樹、マギー、右近健一、小松和重、村岡希美、中村まこと、進藤健太郎
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美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 衣裳:ひびのこづえ 選曲・効果:高都幸男 ヘアメイク:大和田一美 技術監督:野中昭二 演出助手:坂本聖子 舞台監督:瀬崎将孝 プロデューサー:北村明子 企画・製作:NODA・MAP
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2005年12月6日(火)〜2006年1月29日(日)/Bunkamuraシアターコクーン
WEB「NODA・MAP」:http://www.nodamap.com/
野田秀樹さん作・演出のNODA・MAPの第11回公演は『贋作・罪と罰』。NODA・MAPの第2回公演として上演された作品を、演出も出演者も新たに再演です。東京では1月29日まで公演され、そのあと2月6日から大阪での公演もあるようです。
「贋作・罪と罰」はロシヤの文豪・ドストエフスキーの長編小説「罪と罰」を下敷きにした作品で、舞台を幕末の江戸に置き換えるなどしたサスペンス劇に仕上がっていました。僕は分厚い原作を読む気にはなれず、手塚治虫氏の漫画だけを先日読みました。
《あらすじ−「ぴあ」の公演紹介ページより引用−》
ときは幕末、場所は江戸。日本初の女性官僚になるためだけに生きてきた三条英(松たか子)は、「優れた人間は、既存の法律や道徳に縛られなくてよい」とのエリート意識から殺人を実行する。しかし予定外の被害者まで出し、罪悪感と逮捕の恐怖に苦しむことに。彼女の異変に気づいた同じ塾生の才谷(古田新太)は心配するが、彼にも大きな秘密があった。そして、英のもとに婚約した妹と母が訪ねてくるが、妹の婚約者・溜水(宇梶剛士)は数々の黒い噂を持つ男。死んだと聞かされていた英の父が現れ、溜水が才谷に近づき、江戸崩壊の足音が聞こえ始める頃、英の後悔もピークに達して……。
期待通りの素晴らしい作品でした。やはり再演されるだけの価値のある傑作なのではないでしょうか。シンプルかつスピーディーな演出によって、どんどん場面がめまぐるしく変化していきます。息もつかせぬ展開、12人の役者さんたちが2時間をいっきに駆け抜けていきます。重めの題材というか問いかけを含んだ作品ですが、エンターテイメント作品になっていました。
前回の「走れメルス」の時は“わからないけど面白い”というか構造を楽しむような印象を僕は受けました。それとは対照的に今回はしっかりとお話がありましたし、お得意の言葉遊びも影を潜めていました。シンプルかつストレートな、結構正統派なお芝居でしたね。
やっぱり“おぉ”と驚いたり、息を呑んだり、魅せられてしまうシーンが沢山ありました。野田さんの舞台には、舞台だから生だから成しえたり体感できる要素が沢山盛り込まれていると思うんです。今回は特にライブ感などを感じられる演出になっているのではないでしょうか。
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まず舞台を囲むような形で客席が設置されていました。記憶に新しい「赤鬼」と同じような感じです。舞台はひし形(というか正方形)で、舞台の周囲はスロープや階段が囲んでいました。舞台の四方に様々な形の椅子が積み重なって置いてあったり、移動できるエアパッキンに包まれた蛍光灯の仕込まれた棒などだけの非常にシンプルな美術だと思いました。
役者さんは着替えをしている以外は舞台の外で待機をして、効果音などを鳴らしていたりと出ずっぱり。そんな中、舞台は椅子や棒、カーテンなどを使用してどんどん場面を表現し、変化させていくのです。面白いし、想像力が広がります。これはとてもお見事でしたね。
エアパッキン(プチプチの包装紙みたいなやつ)が大活躍していました。ラストシーンでは、舞台上部から降りてきたエアパッキンが舞台全体にひかれます。その様子は降り積もった雪のように見えましたし、照明があたるとキラキラと反射する様子がとてもキレイでした。ラストシーンで才谷へあてた手紙をよむ英、そして舞台では同時にエアパッキンの雪の下で才谷が殺されてしまうのです。残酷ながらもどこか美しく、とても印象的なラストです。
役者さんは達者で上手な方ばかりでしたし、全体のアンサンブルがとても良いですね。主人公・三条英役の松たか子さん。凛々しくて存在感のある演技が印象的でした。でも最初から最後まで一本調子のような気もして、もう少しだけ演技にふくらみが欲しいような気もしました。才谷梅太郎役の古田新太さんは、コミカルだけど大らかな演技でしたね。ラスト近くの英と才谷の対話は切なく寂しく、特に素敵だったと思いました。
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