原作:狩撫麻礼 画:泉晴紀 脚本・演出:タニノクロウ
出演:久保井研(劇団唐組)、瀬口タエコ、マメ山田、白鳥義明、横畠愛希子(マンションマンション)、田中寿直、山崎秀樹、渡辺卓也
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舞台監督:矢島健 舞台美術:田中敏恵 音響:小野美樹、川口典成 照明:今西理恵 宣伝美術:野崎浩司 WEB:定岡由子 写真撮影:田中亜紀 チラシ画:泉晴紀 演出助手:佐山和泉 映像・撮影:玉置潤一 票券管理:河口麻衣 制作:野平久志 制作助手:島田桃依 制作協力:三好佐智子 企画製作:PUZZWORKS 協力:株式会社エンターブレイン 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
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WEB「庭劇団ペニノ」:http://www.niwagekidan.org
2006年1月12日(木)〜22日(日)/こまばアゴラ劇場
タニノクロウさん主宰の『庭劇団「ペニノ」』。マンションやテントで公演をしたりして、話題になっていますよね。紹介文やチラシを見ている限り、怪しい雰囲気を感じます。いったい劇場でどんな世界が待ち構えているのか、楽しみに観に行きました。
この「ダークマスター」という作品はもともと漫画が原作なんだそうです。
作者は映画『オールドボーイ』が有名な狩撫麻礼(土屋ガロン)氏と、『ダンドリ君』『豪快さんだっ』の泉晴紀氏。その二人が1995年に発表した短編漫画が「ダークマスター」だとか。このペニノによる舞台化ではタニノクロウさんが脚本・演出を手がけています。2003年に下北沢・駅前劇場で初演され、今回が再演のようですね。
《あらすじ》
リストラされた元・サラリーマンの男(久保井研)が、「キッチン長嶋」という小さな洋食店にやってくる。マスター(マメ山田)は料理は上手いのだが、接客が下手のよう。会話するうち、マスターは男に店で働くように言う。「モニターで様子を伺い、FMラジオから指示を出すから、イヤホンをつけて料理を作れ」と・・・・・・。
恐る恐る観に行った今回の公演ですが、庭劇団ペニノの独特の雰囲気を感じる刺激的な舞台でした。ストーリーも非常に興味深いものでしたが、FMラジオを使った観劇方法、物凄ぉぉい舞台美術なども印象的です。きっと小劇場という密な空間だからこそ体験できて、実現できるお芝居なのではないでしょうか。好みは分かれるかもしれませんが、価値のある体験が出来ました。非常に面白かったです。
難解というかなんというか・・・きっと人それぞれ、色んな解釈のある舞台なのかもしれません。ジャンルで言えば不条理劇に分類されるんでしょうか。見終わったときは「?」が頭の中を埋め尽くし、終演後のポストパフォーマンストークでようやく少し理解できたかもです。でも正直なところ、まだ自分の解釈を書けるまでに至っていません。
観劇方法が変わっています。観客にFMラジオを貸し出してイヤホンを片耳につけ、そこから流れてくるマスターの声を聞きながらの観劇になるんです。ということで、登場人物と同じ状態を体験することができますね。非常に面白い試みだと思いました。
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まず開演前にイヤホンの説明をされます。ラジオは二人で一台を使いました。上演中に役者さんがイヤホンをつけたら、観客もそれをサインにイヤホンをつけます。外すタイミングは「イヤホンを外してお楽しみください」と字幕が出ていました。
舞台美術は洋食店『キッチン長嶋』のセットが、細かなところまで作りこまれています。店内は天井が低く、カウンター席のみ。どこか古びた感じがします。照明なども非常に上手く効果的で、芸が細かいと思いました。特に夜の場面の照明が印象的。
《続きのあらすじ》
店で働き始めた男は、マスターの指示通りに料理を作り続ける。やがて店は繁盛し始めた。長い月日がたったが、マスターは2階に籠もり続け、男に指示を送り続ける。そのうち男は、精神が破壊していってしまう。そしてついに・・・・・・。
ドキドキしながら開演した舞台は、不可解なことが多い謎が謎をよぶ舞台でした。
店にいる老婆(?)の存在、食事を済ませたお客はトイレへと次々消えていく、圧巻の結末・・・など色々ありました。う〜ん、よく分かりません。日常的に見えつつ、実は非日常的で不気味な世界が広がっています。この舞台の軸というかテーマは“支配している者(側)と支配されている者(側)”なんじゃないかと思いました。
謎が深まっていく中、舞台は圧巻のラストを迎えることになります。今まで黒い幕が張られて何も見えなかったセットの頭上が透け始め、なんと2階建てのセットだったことが分かりました。しかも2階部分のセットは1階部分とまったく同じつくりで、舞台上には「キッチン長嶋」のセットが上下に2つあることになります。すると2階の床がいっきに斜めに抜け落ちてくるのです。かなりインパクトのある仕掛けでした。こんな小さな劇場で、こんな大掛かりな仕掛けが観れると感動しちゃいますね。
料理店が舞台のお話なのですが、なんと実際に舞台の上で料理をします。ステーキを焼く時に火がボワッとでたり、かなり本格的に調理をしていて驚きました。
印象に残った役者さんはマスター役のマメ山田さん。僕は初めて拝見しました。背の小さな方なのですが、それを武器にしていますよね。存在感に圧倒されましたし、コミカルな演技で笑いをさそっていました。目が離せませんでした。
《終演後のポスト・パフォーマンス・トーク》
終演後5分ほどの休憩を挟み、脚本・演出のタニノクロウさんと制作をされている野平久志さんによるポストパフォーマンストークがありました。時間は30分(?)ぐらい。
タニノさんは本作について「どんな風にでも解釈してほしい」と言っていました。うろ覚えなのですが、“これは戦争の話。元・サラリーマンの男が日本、マスターがアメリカを現している”というような解釈を紹介されていましたね。なるほど、なるほど。
あとはラジオを、本当は観客一人一人に配れるはずだったのに、なんと仕入れた100個のラジオが使えなかったそうなんです。だから二人で一つだったんですね。
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