「山の手事情社『Yamanote Fair 2006《タイタス・アンドロニカス》』」
原作:W・シェイクスピア 構成・演出:安田雅弘
出演:山田宏平、名久井守、倉品淳子、山本芳郎、川村岳、岩淵吉能、太田真理子、野々下孝、三村聡、浦弘毅、斉木和洋、鴫島隆文、大久保美智子、水寄真弓
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照明・舞台美術:関口裕二(balance,inc.) 音響:斎見浩平 衣装:渡邊昌子、栗崎和子 ヘアーメイク:尚照矢 舞台監督:本弘 宣伝美術:福島治 演出助手:小笠原くみこ 制作:福冨はつみ 製作:劇団山の手事情社、有限会社アップタウンプロダクション、UPTOWN Production Ltd.
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2006年1月13日(金)〜22日(日)/吉祥寺シアター
WEB「山の手事情社」:http://www.yamanote-j.org/
独自のメゾットを持ち、海外公演も精力的に行っている劇団「山の手事情社」。2004年で旗揚げ20周年を迎えたとのこと。今回は吉祥寺シアターで10日間、「Yamanote Fair 2006」と題して3本立て公演を行います。作品は「牡丹燈籠」「ぴん」「タイタス・アンドロニカス」という異色の組合せ。
★続きのレポートをアップいたしました(1月29日)
お金と暇さえあれば3作品観たかったのですが(笑)、僕がチョイスしたのは『タイタス・アンドロニカス』。ウィリアム・シェイクスピアの有名な悲劇作品ですよね。僕は初見です。いったいどんな作品に仕上がっているのか楽しみに、初日を観に行ってきました。
《あらすじ−“アマゾン”の「シェイクスピア全集」紹介より引用−》
ローマ将軍タイタス・アンドロニカスは、捕虜であるゴート人の女王タモーラの長男王子を殺して、戦死したわが子たちの霊廟への生贄とする。これを怨んだ残る王子二人は、一転ローマ皇帝妃となったタモーラの狡猾なムーア人情夫、エアロンと共謀。タイタスの娘ラヴィニアを襲って凌辱し、なんとその舌と両手を切断してしまう。怒り狂うタイタス…―血で血を洗う復讐の凄惨な応酬。その結末は!?シェイクスピア初期の衝撃作。
うわ〜「タイタス・アンドロニカス」ってこんなに残酷な物語だったんですね。これでもかと人が次々と死んでいき、まさに血で血を洗う復讐劇です。そんな物語を、演出の安田さんは「テロリストの誕生過程を鮮烈に描いた現代劇」と感じたとのこと。当日パンフの演出ノートに詳しくこの事が書かれており、とても興味深いです。
そのような復讐劇が、山の手事情社の色にしっかりと染まっていましたね。いつものようにクールでスタイリッシュな美術やステージングが、舞台いっぱいに広がります。山の手事情社は昨年の「銀河鉄道の夜」以来でしたが、やっぱりカッコいいですね。
でも面白いと思った場面や演出もあったのですが、最後までやや単調な気がしました。それは演出や役者さんが淡々としているとかそういうことではなくて、ただただつつがなく終演してしまったという感じでしょうか。場面が頭の中でよみがえったり、良い意味で心に引っかかるシーンがあまりなかったような気がして、僕はちょっと物足りませんでしたね。ちょっと欲張りかもしれませんが。
NHK「芸術劇場」のサイトを見ていたところ、この作品が2月12日に放送されるようです。先日のチェルフィッチュの放送といい、とっても嬉しいですね。絶対見なくちゃ。
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青色を貴重にした舞台でした。というかほぼ衣装以外、舞台美術や小道具などが青一色に統一されているんです。青色は美しいんだけど、非常に冷たい感じもしましたね。
舞台美術はシンプルなものでした。吉祥寺シアターといえば高い天井が印象的です。でも今回の舞台では黒幕で上部を隠し、天井を低く設定して横に長い、例えるならば歌舞伎座のような形態でしょうか。さて、舞台中方に長方形の青い床があり、そこが主な演技スペースです。四方には灯籠のような小さな照明器具が設置されていました。そんな演技スペースを取り囲む3方には役者さんが常に待機しています。着替え以外は舞台に出ずっぱりのようでした。
衣装は現代的なものから和装のようなものまで、幅広いイメージをうけます。たしかタイタス・アンドロニカスやラヴィニアなどは和装のようなものでした。タモーラやその子供二人やアローンなどは現代的な皮のようなツルッとした素材を使っていました。子供二人は髪の毛を鶏冠のように立てていたり、アーロンはライダースーツみたいなものを着ていたり、ちょっと奇抜ですね。
さて、客席に入場できたのは開演の15分前ぐらいでした(今日だけ?)。場内は薄暗く、舞台上は青色の照明で照らされて真っ青。非常に神秘的な感じです。舞台上には役者さんが板付きで、一人の男らしき人が堂々と立っていました。着席してしばらくたつと、ゆっくりと舞台が始まりました。
板付きの役者さんはタイタス・アンドロニカス(三村聡)だということが分かります。タイタスは青色の粘土のようなものを、床に投げつけては拾い、床に投げつけては拾い続けます。そんな中、舞台には次々と青い家電製品が持ち込まれ始めます。テレビ、冷蔵庫、オーブントースター。すべてが持ち込まれると、ようやく客席の電気が消えてゆきます・・・。
そんな雰囲気の中始まった舞台は、独特だけど洗練されていていました。やはり海外公演などを行っての公演ということもあってか、完成度も高めなのかもしれません。役者さんは熱演だし、美術や照明なども山の手事情社っていつもカッコいいですよね。
そしてこのお芝居、非常に残酷な描写が多いのです。でも具象的ではなく抽象的に、効果音や体の動きや声などで、その様子を表現していました。だからそこまで血生臭さとか、生々しさは感じなかったかな。でもとても冷酷な印象を強く受けましたね。青一色に統一された舞台が、その感覚をより際立てていました。
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