「彩の国シェイクスピア・シリーズ『間違いの喜劇』」
作:W・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄
出演:小栗旬、高橋洋、内田滋、月川悠貴、鶴見辰吾、吉田鋼太郎、瑳川哲朗、川辺久造、たかお鷹、原康義、妹尾正文、清家栄一、飯田邦博、山下禎啓、高野力哉、田村真
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美術:中越司 照明:原田保 音響:井上正弘 ヘアメイク:佐藤裕子 演出助手:井上尊晶 舞台監督:白石英輔 宣伝美術:塩澤淳一(トランス・グラフィックス) 宣伝美術:溝江俊介 宣伝ヘアメイク:森本美紀 宣伝スタイリスト:坂能翠
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2006年2月3日(金)〜19日(日)/彩の国さいたま芸術劇場・大ホール
WEB:http://www.saf.or.jp/
蜷川幸雄さんが彩の国さいたま芸術劇場と、シェイクスピアの全作品を上演する企画「彩の国シェイクスピア・シリーズ」。今回はそのシリーズ最新作で、「間違いの喜劇」を手がけられます。そして出演者が全員男性の「男たちの、シェイクスピア」というのにも注目が集まっている公演ですね。
※レポートを少し改訂しました(2/6)
この公演は学生券が設けられており、値段は2000円です。かなりのお値打ち価格ですよね。珍しく発売日初日にチケットをおさえてしまいました。席は2階のサイドバルコニー席。僕の席がたまたま良かったからかもしれませんが、手前が少しみぎれるぐらいであまり観劇に不自由することはありませんでした。もっと観づらい席かと思っていたので、これで2000円ならかなり満足です。
《あらすじ−公演チラシより引用−》
シラクサの商人イジーオンは、嵐で離散した家族を探す旅の途中、辿り着いた敵地エフェソスの港で逮捕され、エフェソスの公爵ソライナスから死刑の宣告を受ける。イジーオンは公爵に、妻エミリア、双児の息子(アンティフォラス)、また召使いとして育てたもう一組の双児(ドローミオ)がバラバラになっている事情を説明して許しを乞う。偶然、兄探しの旅に出ていたアンティフォラス弟とドローミオ弟も同じ町に到着していた。エフェソスには彼らの兄が住んでいるが、すぐ傍にいる事など知る由もない。アンティフォラス弟は召使いに用を言いつけて一人で町を歩いていると、召使い(自分の召使いではなく、双児のドローミオ兄)が戻ってきて、食事に戻るよう、妻エイドリアーナが待っている、などと奇怪なことを言われる。アンティフォラス兄弟の前に、召使いのドローミオ兄弟がそれぞれ入れ替わり現れ、事態は混乱し始める…。
あらすじを見ても分るとおり、ちょっと複雑な物語でした。超簡単に言えば“二組の双子をめぐって間違えに間違えが重ねられていき、やがて大混乱へと発展していってしまう”お話です。ドタバタと繰り広げられる、喜劇作品の傑作とのこと。それにシェイクスピア作品では、最も短い作品のよう。
正直なところ蜷川さんの演出作品は結構苦手な僕ですが、今回の作品はとっても楽しかったです。男性しか出演されない舞台ですが、華やかさもありましたし、サービス精神も旺盛。喜劇作品ですので終始劇場内は、笑いでいっぱいの暖かい空間になっていました。どんどんテンポ良く軽快に進んでいきますし、上演時間が休憩無しの2時間に収まっているのもスッキリしていて良かったですね。そして舞台美術や衣装や照明などのビジュアル的な面なども豪華かつ品があり、視覚的にも楽しむことが出来ました。劇場まで行くのが遠くて疲れましたが、観に行って良かったです。
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劇場内に入ると特徴的な舞台美術が観客を出迎えてくれました。奥行きがあまりない舞台にそびえ立っていたのは、なんと豪華な装飾がほどこされている鏡張りの壁。舞台と客席がその壁には映り、その姿はとてもインパクトがあって圧巻だったし、キレイでした。そしてどうやらこのセット、イタリアのテアトロ・オリンピコという建物をモチーフというか再現しているようですね。
セットの装飾が照明によって浮かび上がったりするオープニングに見とれていると、客席の通路から次々と役者さんが登場しました。そして舞台に上がって踊りを踊ります。親しみやすく大らかな雰囲気を感じたのですが、この雰囲気は上演中も継続して感じました。なぜなら客席を多用する演出なんです。通路を走り抜けたり、演技をしたり・・・大ホールですが非常に一体感がありました。
ということで最後までワクワクドキドキしながら楽しく観ることが出来ました。何か疑問点を挙げるとすれば、最後の踊りのシーンで口から口へと赤いテープがつながっていく所でしょうか。意図を理解していないだけかもしれませんが、なんだかとても変に感じてしまいましたね。
この舞台の注目の一つが、男役も女役もみんな男優さんが演じるという「男たちの、シェクスピア」ということでした。役者さんは生き生きと楽しそうに、素敵に光っている方が多かったです。
女役だと月川悠貴さん(ルシアーナ)と内田滋さん(エイドリアーナ)が印象に残りました。二人とも美しかったです。月川さんは本当に女性のようで驚いてしまいましたし、品もありました。内田さんはとっても面白くて、出てくるたびに今度は何をしてくれるのか期待しちゃいましたね。
男役では高橋洋さん(ドローミオ兄・弟)と吉田鋼太郎さん(イジーオン)が印象に残りました。高橋さんはコミカルな役柄で、やはり上手だし光っていたと思います。吉田さんは出番が少ないものの、どっしりとしていて芯のある、非常に印象に残る演技でした。
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