作・演出:岡田利規
出演:山崎ルキノ、山縣太一、下西啓正松村翔子、瀧川英次、東宮南北、村上聡一
---------------------------------------------
企画:小沢康夫 舞台監督:鈴木康郎 照明:大平智己 宣伝美術:good design company ウェブ:谷上周史 制作:中村茜 制作協力:プリコグ 主催:チェルフィッチュ 共催:Postmainstream Performing Arts Festival 助成:財団法人東京都歴史文化財団
---------------------------------------------
2006年3月11日(土)〜21日(火・祝)/六本木・Super Deluxe
WEB「チェルフィッチュ」:http://chelfitsch.net/
岸田國士戯曲賞作家・岡田利規さんのユニット『チェルフィッチュ』。NHK「芸術劇場」で公演が放送されたり、次回公演では新国立劇場に進出するという今話題の劇団です。そんなチェルフィッチュの本公演は、第49回岸田國士賞受賞作品『三月の5日間』の再演でした。受賞作品ですし、公演会場が物語の舞台になったライブハウスだったり、非常に期待が高まる公演の一つです。
六本木ヒルズから程近い場所に、今回の会場「Super Deluxe」はありました。地下に位置するライブハウスで、場内ではドリンクやフードを楽しむことができたりする、とてもお洒落な空間です。ライブハウスじたいほぼ初めてなので、期待と不安をいだきながら観に行きました。でもとても素敵な空間だったので、僕もドリンクを片手に舞台を楽しむことになりました。
《あらすじ−WEB「チェルフィッチュ」より引用−》
アメリカがイラクへの空爆を開始した、2003年3月20日前後の東京が舞台。
六本木のライブハウスで出会った男女が、そのまま渋谷のラブホテルへ行き、そこで五日間を過ごすことから始まる物語です。
ダラダラとした若者の口語による“超リアル日本語”に溢れ、独特のダンスのような身体表現によってつむがれる1時間40分(20分間の休憩を含む)。たくさんの言葉の数々に埋もれそうになりつつも、光っている言葉や場面がいっぱいあったと思います。たくさんの言葉の数々から全体像や主張が浮びあがってきたり、グッと心を揺さぶられたり、ほのかに感動したり・・・。表現方法の目新しさだけでなく、演劇作品としての構成や物語、演出も非常に巧みで面白いといます。そしてなによりお洒落でカッコいいし、とても魅力的な作品だと感じました。かなりハッキリと好みが分かれてしまう可能性がありますが(とても独特で特徴的な作風ですので)、まだ観たことのない方は、ぜひ一度この世界観を体験していただきたいと思います。
★下記ネタばれしています。
観客が三方から囲む形になっている、なにもない素舞台。僕はセンターブロックから観劇しました。そこに現れた役者さんが「今から“三月の5日間”をはじめます・・・」といったような軽い砕けた台詞から、この作品は開幕しました。そんな風にとめどなく続いていく言葉の数々と、独特のダンスに近い動きが同時進行していくような構成です。前回「目的地」ではじめてチェルフィッチュに触れた僕としては、演劇だけど演劇じゃない何かに出会ったような気がして、衝撃を受けました。パフォーマンスに近い印象をうけ、もはやチェルフィッチュという一つのジャンルが存在しているように感じます。
観客に語りかけるように始った「三月の5日間」の劇世界と、観客が存在している「Super Deluxe」の世界がフィットし、シンクロしていくような印象をうけました。その感覚が非常に心地よくて、楽しかった。会場の一体感もとてもあって、なんだか普段劇場で演劇を観るのとはちょっと違う感覚だったような気がします。きっと映像じゃ体験できないであろう楽しさがいっぱいつまっていて、「三月の5日間」という作品を共有し体験しているという実感が非常に大きかったような気がします。
衣装は作品の雰囲気にマッチした、ラフでカジュアルな素敵なものでした。衣装というよりコーディネートといったほうが正しいのかな。凝ったものではないのですが、お洒落でセンスが思います。照明は赤や青などの大胆な色使いがアクセントにあっていましたし、刺激的でとてもカッコよかったですね。どの分野も強調というか主張しあっていますが、協調性があります。
役者さんも皆さん上手だからこそ、このお芝居が成立しているのではと思いました。チェルフィッチュは独特の作風ですから、技術のない役者さんが演じてしまったら、きっと観ていられないかも。
特に印象に残ったのは、松村翔子さん演じるミッフィーちゃんでした。あのキャラ、最高ですね。
★上記ネタばれしています。