出演:レギーネ・ツィンマーマン、ペーター・パーゲル、カトリン・クライン、スヴェン・レーマン、インゴ・ヒュルスマン、ヘニング・フォークト、ニーナ・ホス
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原作:G.E.レッシング 演出:ミヒャエル・タールハイマー 美術・衣裳:オーラフ・アルトマン 音楽:ベルト・ヴレーデ(映画『花様年華』挿入曲「夢二のテーマ」作曲:梅林茂より) ドラマトゥルク:ハンス・ナドルニー 平成17年度文化庁国際芸術交流支援事業 「東京国際芸術祭」参加作品
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2005年年3月19日(日)〜21日(火・祝)/彩の国さいたま芸術劇場/http://tif.anj.or.jp/
1850年に創設され、旧東ベルリンに位置する劇場“ドイツ座”。そんなドイツ座が「エミーリア・ガロッティ」をもって、待望の初来日公演をはたしました。ミヒャエル・タールハイマーが演出を手がけた作品で、ニューヨークやモスクワでも上演されて絶賛されたとのこと。更に期待が高まりました。
★ネタばれが入ったレポートになっていますので、ご了承ください。
《あらすじ−WEB「彩の国さいたま芸術劇場」より引用−》
エミーリアを一目見て恋に落ちた公爵が、ある朝、愛の言葉を耳元で囁く。侍従マリネッリの策略によって彼女の婚約者は殺害される。何も知らずに、公爵邸に連れてこられるエミーリア。一方、公爵に裏切られ、プライドを著しく傷つけられた元恋人オルシーナ伯爵夫人は、エミーリアの父親に公爵が娘を誘惑したことを告げ、復讐するように仕向ける。公爵を殺し、娘を連れ戻そうとする父親に、静かに対峙するエミーリアは、自らの中に官能を見出してしまったことを告白し、自分にピストルを渡すように請う。
18世紀の劇作家であるG.E.レッシングが“市民悲劇”として執筆し、鋭い社会批判がこめられているという戯曲『エミーリア・ガロッティ』。ドイツでは高校の教科書に掲載されていたりする有名な作品のようです。上演時間は1時間20分ほど。ドイツ語での上演で、日本語字幕がついていました。
劇場に入場すると、深い奥行きが印象的な舞台美術が目に入りました。左右に高くシンメトリーにそびえている壁は、舞台奥へと行くにしたがって幅が狭まっています。全体的に白っぽい感じの色合いで、シンプルかつ抽象的な舞台美術だと思いました。
そんな空間に登場するのは、どれも現代的な服装を身にまとった7人の登場人物。役者さんは皆、異常なほどに早い口調でとめどなく台詞を発します。そしてダンスにも近い要素の身体表現をもちいたりしつつ、大胆だけど繊細なゆらめきさえも表現しているよう。上演中は常に映画「花様年華」のテーマ曲が流れていて、なんだか非日常の世界に足を踏み入れた気持ちで観劇していました。
とにかく芸術劇場の大きな舞台いっぱいに、洗練された劇空間が生まれていましたね。ため息が出るほどスタイリッシュで美しく、めちゃくちゃカッコいい。古典的な戯曲を奇抜かつ斬新で、現代的な感覚に満ちた作品へと作り出しています。なにをとってもレベルが高く、非常にクオリティの高い作品に仕上がっていました。さすがドイツ座、期待どおりの舞台芸術を観ることができました。
しかし!寝不足が祟ってしまったのか、残念なことに睡魔と格闘しながらの観劇となってしまいました。舞台が少し単調に感じられてしまったのも、原因の一つかもしれません。そのせいかどうかは分からないですが、この作品自体を深く理解するまでは至りませんでした。もっとコンディションの良いときに観たかったと、非常に後悔しています。でも僕はたくさんの刺激をうけることができたのと、ドイツ座の話題作に触れられただけでも、とても有意義な観劇体験だったと思いました。
花火が舞台頭上から大量に落下してくるオープニング、そして大勢の人々がワルツを踊る舞踏会に変貌したラストシーンには驚きました。戯曲などに対する解釈や主張、とても刺激的で高い美意識のようなものが存在しているように思います。そんな仕掛けにもひけをとらない力を持っているのは、役者さんなのではないでしょうか。ひとりひとりが独特の存在感やオーラをを持っていて、あの大きな空間をうめることができる役者さんが揃っていると感じました。すごくカッコよかったです。
さてさて今回の公演には、なんと1000円という驚くべき安さの学生席が設けてありました。一般料金が“A:¥5000・B:¥3000”ですから激安ですよね。席の場所は1階のサイドバルコニーでした。見切れは多少あったものの、僕の席からは観劇に不自由するほどものではなかったです(座席によって変化は多々あると思います)。非常に得した気分になって、とても嬉しかったです。