作・演出:野木萌黄 出演:植村宏司、十枝大介、杉田健治、小野ゆたか
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照明:木藤歩 舞台監督:渡辺陽一 宣伝美術:山菜春菜 WEB広告:JAPSCRAPS、メグジョ、富永淳 制作:パラドックス定数研究所 前売2500円 当日3000円(日時指定・全席自由)
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2006年5月12日(金)〜14日(日)/渋谷・space EDGE/http://www.paradoxconstant.com/
野木萌葱さんが作・演出を手がけている「パラドックス定数」。ちょっと前から“面白いっ!”という噂をネット上などで目にしていたものの、ご縁が無くてなかなか観にいけていませんでした。しかし最新公演「怪人21面相」が公演されることを知りましたので、さっそく初日を拝見してまいりました。
今回の会場となっている“space EDGE”へは初めて行きました。JR渋谷駅の新南口から徒歩3分ほどのところにある、倉庫のような空間なんです。いわゆる劇場空間ではなくて、ギャラリーのようなフリースペースという感じでしょうか。どこか雰囲気があって、場所柄を上手く使った演出でした。
《あらすじ−WEB「パラドックス定数」より引用−》
警視庁指定114号事件。この事件は犯人グループの仕掛けた壮絶な心理戦争である。現職社長誘拐。要求総額25億円。応じなければ貴社の製品に青酸を混入する。狭い部屋で淡々と言葉を交わしながら、犯罪の計画を立て実行に移す四人の男。さながらゲームを楽しむかのような余裕を感じさせる彼等も、次第に犯罪の持つ殺気に飲まれてゆく。企業論理、報道姿勢、警察捜査を軸に日本現代史の闇を見つめる。自らの属している組織をも脅かす犯罪にのめり込む、倒錆した自己を抱える男達を描く。 <どくいり きけん 食べたら 死ぬで 怪人21面相>
“劇場型犯罪”とうたわれて国民を巻き込みこんだ、戦後未解決事件の一つ「グリコ・森永事件」。この作品は、そんな事件をモチーフにした作品でした。そんな事件の犯人である「怪人21面相」な会社役員、新聞記者、暴力団員、公安刑事な4人の男達。そんな犯人4人の様子が、会話劇として描かれていきました。この作品はパラドックス定数・野木萌葱さんによる「三億円事件」「731」に続いて公演されている、“戦後未解決事件シリーズ”の集大成に位置する作品のようですね。
実のところ僕は当日配布されたパンフレットを読んで、ようやくこの事件の全貌を知りました。なんとなくは知っていたんですが、ほとんど無知に近い状態(汗)。なのでパンフレットに詳しく表記してくれていたのは、とても助かりました。“脅迫文”を掲載してくれていたのも、良かったと思います。
密度が高くたもたれた空間で淡々と進行する、犯人4人の言葉のやり取りにハラハラドキドキ。面白かったー。登場人物は男性4人だけで、役者さんは渋くてカッコよかったです。芯のある会話と雰囲気に満ちていたので、すごく見応えがありますね。コミカルな要素はあるものの笑いなどは無いに等しい状態のなかで、とても緊張感のある作品でした。上演時間は2時間弱だったかな・・・。
今後このパラドックス定数は、今年中にまだ2回も公演(9月「38℃」、12月「Nf3・Nf6」)が待っているようです。今後も注目していきたいと思いましたし、また次回公演も観に行ってみたいですね。
★下記のレポートは、ネタバレしております。ご注意ください。
「グリコ・森永事件」が開始されたところから舞台が始まり、犯人たちが“終結宣言”を発表するまでが描かれます。全体で第五場までに、構成された作品に仕上がっていました。劇中に音楽などは挿入されないで進行していくので、ただただ淡々と転換をしてから次の場面へと紡いでいきます。シンプルな空間に役者さんが佇み、台詞を交わしていきます。想像力を刺激されましたし、これからどんな風に物語が転がっていき、“終結宣言”までたどり着くのかドキドキしながら楽しみました。
どこまでが事実に基づいているのか、どこからが創作されているのかは、よく分かりませんでした。脚本自体が凄く練られていると思いましたし、やっぱり面白いですよね。帰りがけに戯曲を買おうか迷ってしまいました(けっきょく買わなかったんですが・・・、過去公演のDVDも売ってましたね)。
舞台と設定されているスペースには、机とその上にタイプライターが置かれ、机の周りにはパイプ椅子が4脚だけ置かれています。主な美術はこれだけなので、非常に簡易というかシンプルな舞台でした。でも倉庫のような空間なので、もとから雰囲気のある空間だと思います。照明は極めてシンプルなのですが、舞台にマッチしていて印象的でした。舞台中央奥に位置する窓や、二階のドアから差し込んでくる光なども、さりげなくてカッコいいです。きっと計算されているんですよね。
★上記のレポートは、ネタバレしております。ご注意ください。