作・演出:安西規康 出演:畔上千春、梅澤和美(Hula-Hooper)、大竹絵梨(劇団ひろぽん)、大室光来、墨井鯨子、中村まど加(動物電気)、伊藤つよし、(FORTUNE'S WHEEL)、碓井清喜、江崎穣(ハリケーンディスコ)、小林タクシー(ZOKKY)、小山涼、山下純(こどもとあそぶ)
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演出助手:鈴木光恵 照明:河上賢一 音響:宮崎淳子 宣伝美術:ブッティ 製作:ボーダビッチ
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2006年6月1日(木)〜4日(日)/王子小劇場/http://vodabitch.com/
安西規康さんが作・演出を手がける、ボーダ・ビッチの最新公演。インターネット上で演劇を発表していく“ネット演劇”を2004年から創作していて、今回のような劇場で実際に公演する作品は2度目とのことです。インパクトのあるタイトル「演劇なんてやるんじゃなかった」にも興味を惹かれました。
噂には聞いていたのですが・・・、本当にオール・スタンディングでのお芝居でした。理由は「ボールを使用するため、飛んできたら危ないから」とのこと。制作さんからのアナウンスでも「ボールの行方にはご注意ください」と言われていたので、期待と不安が入り混じった気分で開演を待ちました。
劇場内の中央にはバスケット・ボールのハーフコートが作られており、客席(スタンディング・エリア)は舞台をはさんだ二方向に設置されていました。上演時間は1時間20分弱といったところで、間に5分の休憩を挿みます。疲れてしまったのは否めませんが、最後まで飽きずに観れました。
《あらすじ》
ある学校の演劇部。文化祭での学内公演に向けて日夜稽古に励んでいるが、女子バスケ部の部長から公演中止を強引に要求される。しかし大きな権力をもった彼女には、誰もが逆らえないでいた。そこで演劇部はバスケ部とのバスケ試合で勝てば、“公演会場である体育館を貸してもらえる”との了承をえる。そうして徐々に隠されていた秘密が、次々と明らかになっていくのだが・・・。
公演の案内文には、「いかに下らないものを描くか、本気に見せかけ、いかに内容がまったく無いものを描くか、に、命をかけているボーダビッチが描く、きっと純粋な青春バスケ演劇。」とのことだったのですが、まったくその通りでした(笑)。いろいろと気持ちよく笑わせてもらい、“えぇ!?”と驚いてしまったり、いわゆる青春な甘酸っぱいような感じがそこにありました。可能性はまだいっぱいあると思うのですが、もちろん面白いところもたくさんありました。僕は率直に楽しかったです。
★下記のレポートは、ネタバレしております。ご注意ください。
いわゆるベタな“青春”像が遺憾なく展開されていきました。まさに漫画とかドラマとかのイメージですよね。良い意味でご都合主義的な感じがして、次々と進行していくので気持ちが良いです。演劇部だったはずが、次第に演劇よりもバスケに夢中になっていく様子が可笑しかったー。でも最後には演劇でもバスケでもない、誰もが予想し得なかったであろう結末へとたどり着くわけですが・・・。
舞台が後半に差し掛かってきたところから、大きく物語は転がり始めました。どんどんと登場人物たちの血縁関係やら秘められた超能力などが、何の脈略もなしに次々と明らかになっていきます。そしてついには死人まで出てしまうという、驚愕の展開!!なんかもうぶっ飛んでいて、ひたすら驚いたり笑ったり・・・。そして登場人物の一人がスピリチュアル・カウンセラー“江原啓之”だったことが発覚。いきなりスピリチュアルなパワーを発揮し、神秘的な能力に目覚めた瞬間が語られます。
かくしてこの作品は江原啓之の青春時代を描いた、「江原啓之青春物語」だっということが明かされました。そしてカーテンコールでは、「演劇部の公演にご来場ありがとうございました」などと役者さんが挨拶。もともと観客は「江原啓之青春物語」を上演している、ある演劇部の公演を観ていたということになるのかな。説明下手で申し訳ないのですが、つまりはメタ構造な作品だと思います。
役者さんの演技についても、ちょっとだけベタな感じがしましたね。真面目に演じれば演じるほど可笑しさが増していき、それが笑いへとつながっていると思いました。僕の観劇した範囲内では、どこか全体的な雰囲気は“野鳩”や“シベリア少女鉄道”に通じるところがあるような気がします。
そうそれと、選曲が素晴らしかった!!使われているのはテレビドラマや、きっと耳馴染みのあるポピュラーな曲ばかり。舞台をさりげなく演出していたり、時には大きく主張していました。すっごく楽しかったです。こんなにポピュラーな楽曲が、効果的に使われる作品は珍しいと思いました。
★上記のレポートは、ネタバレしております。ご注意ください。