「reset-N+テアトル・ドゥ・アジュメ『ADAGIOS−fragments for two women−』」
構成・演出:フランク・ディメック、夏井孝裕 舞台監督:桑原淳 出演:ムニラ・シャレド、町田カナ
---------------------------------------------
装置監修:青木拓也 演出助手:ファブリス・デュプュイ、ハマカワフミエ(活劇工房) 音響:荒木まや(ステージ・オフィス) コラージュ:内野なみ サポート:massigla.lab 通訳:山田ひろ美、松野加奈子制作:アンヌ・ノドン、秋本独人、河合千佳 協力:マティアス・ヴィゲナー、ロランス・ヴィアレ
---------------------------------------------
2006年6月6日(日)〜11日(火)/こまばアゴラ劇場/http://www.reset-n.org/
日本の劇団“reset-N”とフランスの劇団“テアトル・ドゥ・アジュメ”。そんな国籍の違う劇団が挑む、2ヵ国交換国際共同製作作品でした。今作はこれから、フランス公演が予定されているそうですね。いったいどんな作品が待ち受けているのか、楽しみにしつつ劇場へと向かいました。
僕は一般的な“演劇”だと思って観に行ったのですが、ジャンルで言えば“パフォーマンス”として仕上がっていました。しかし刺激的で興味深い内容だったことに変わりはなく、最後まで飽きることなく観劇することができました。しかし“内容を理解しているか”と聞かれると、そうでもないんですよね。僕にとっては難解な内容だったのですが、空間演出が素晴らしかったので、満足しました。

演出家であるフランク・ディメックさんは町田カナさんと、同じく演出家である夏井孝裕さんはムニラ・シャレドさんとタッグを組んで、今作「ADAGIOS」を創作されたそうです。てっきり二つの作品を単独で上演するのかと思いきや、二つある作品を一つの作品として、コラージュされたものが上演されていました。使用されたテキストはキャシー・アッカーの『血みどろ臓物ハイスクール』や、夏井さんが書かれた短編「Romance」など・・・。ちなみに上演時間は1時間10分弱だったと思いました。
《引用テクスト−当日配布されたパンフレットより引用−》
ポール・オースター「最後の物たちの国で」/スティーブ・エリクソン「リープ・イヤー」「Xのアーチ」/夏井孝裕「Romance」/キャシー・アッカー「血みどろ臓物ハイスクール」「黒タランチュラによる黒タランチュラの子供時代」/ジャン・ユスターシュ「ママと娼婦」/岡崎京子「ヘルタースケルター」
終演後にはポストパフォーマンストークがありました。出演者はフランク・ディメックさん(通訳:山田真由美)、夏井孝裕さん、そしてゲストに青年団演出部・RoMTの田野邦彦さん。観客との質疑応答からはじまり、興味深いお話が聞けました。時間は30分ほどで、充実していたと思います。
★下記のレポートは、ネタバレしています。ご注意ください。
ちょっと奇抜な身体表現や猥雑な台詞などが多用されており、すごく興味深い内容へと仕上がっていました。たとえば性行為や妊娠、中絶の話などなど・・・。語られる内容はけっこうハードなものが多いんですね。きっと難役だと思うのですが、町田カナさんとムニラ・シャレドさんは、ちゃんと舞台上に“存在”する事が出来ている俳優さんだと思いました。特に町田さんがカッコ良かったです。
劇場内に入ってみると、ちょっと驚きました。黒色のはずだったアゴラ劇場の壁が、真っ白く塗られていたからです。蛍光灯が頭上から吊るされていたり、かなりスタイリッシュな空間でした。そして舞台頭上から客席頭上にかけて、透明になっている筒というかパイプが吊り上げられています。そのなかには本物のネズミが2匹入っており、パイプの中の映像が舞台に生で映写されました。
ここからアゴラ劇場で未だ観たことのない、驚くべき仕掛けを観ることになります。なんと舞台に吊るされた白く塗られたパイプから、若干茶色くなった水が流れて出てきました。まさに放流!!舞台は水浸しで、そのうち水溜りまで出来ています。かなりの時間流れ続ける水のなか、パフォーマンスは淡々と続いていきました。効果的に使われていたのではないでしょうか、面白かったです。
★上記のレポートは、ネタバレしています。ご注意ください。