「G-up presents Vol.4『散歩する侵略者』」
出演:寺十吾、小林顕作(宇宙レコード)、中野英樹(グリング)、猫田直、岸潤一郎(NAィKI)、広澤草、林真也、渡辺裕樹(MCR)、黒岩三佳(あひるなんちゃら)、佐戸井けん太
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脚本:前川知大(イキウメ) 演出:赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT) 舞台美術:福田暢秀(F.A.T studio) 舞台監督:小野八着(Jet Stream) 照明:杉本公亮 音響:田上篤志(atSound) 衣装:渡辺まり 演出助手:松倉良子 宣伝写真:田中亜紀 宣伝美術:岩根ナイル(mixed) 制作:G-up プロデューサー:赤沼かがみ 企画・製作:G-up
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2006年6月2日(金)〜6月11日(日)/http://www.g-up.info//新宿スペース107
赤沼かがみさんがプロデュースされている、“G−UP”の最新公演を観てまいりました。イキウメの前川知大さんが脚本を手がけた「散歩する侵略者」が、今回はTHE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さんの演出によって再演されます。僕は初演を見逃していたので、楽しみに劇場へ向かいました。
“BACKSTAGE”では稽古場レポートや、インタビューが掲載されています。(
http://www.land-navi.com/backstage/report/g-up/index.htm)。ちなみに上演時間は休憩無の2時間弱でした。

さてさて劇場内に入ってみると、具象と抽象が入り混じった舞台美術(福田暢秀)が目に飛び込んできました。上手と下手の両端には一軒ずつ、家のセットがリアルに建て込まれています。舞台中央には土手のような歩道と出入り口があり、そこは抽象的に作られた空間になっていました。
《あらすじ−1−》
行方不明になっていた夫(寺十吾)が、三日ぶりに警察へ保護された。しかし帰宅した夫は不自然な言動をしたり、以前とは少し人格が変わってしまっている。妻(猫田直)は夫のことを心配していたのだが、夫は散歩から帰ってくるたび、徐々に言動などが直っていくことに気がつくのだった。そして夫婦の住む町では夫と同じような病に罹る人が、ここ最近の間に多発していたのだが・・・。
いやぁ〜・・・、面白かった!!真剣に惹き込まれて観てしまった、とても見応えのあるSFドラマだと思いました。イキウメでの初演の評判が非常に良かったので、とても期待して観に行ったのですが・・・。やっぱり予想していた通りでしたね。とにかく脚本が出色して良かったと感じました。イキウメを拝見した時にも思いましたが、前川さんは今後追いかけたい作家さんの一人ですね。今夏に行われるイキウメの次回公演もとても楽しみです。
今作は恐ろしくて、切なくて、愛しくて、そして悲しいお話だと思います。胸に深く大きく響いて、率直に感動してしまいました。ちなみに今回の上演では、前川さん自ら脚本に手を入れられたそうですね。もちろん赤堀さんによる演出も、非常に興味深いものでした。色んな感情が渦巻いていくストーリーなのですが、全体的な感覚としてはドライな印象をつ仕上がりになっていると思いました。
★下記のレポートは、ネタバレしています。ご注意ください。
《あらすじ−2−》
夫は妻へ“自分は地球を侵略するためにやって来た宇宙人だ”ということを告げる。夫のほかにも宇宙人(岸潤一郎、黒岩三佳)が、この地球に降り立っているようだった。彼らはまさに“散歩する侵略者”となり、いろんな人々の“概念”を収集していっている。町に蔓延した奇妙な病は、このせいだったのだ。町で多発していたそして宇宙人たちが、地球を去る日がこくこくと近づいていく・・・。
まず人間の“概念”を奪う、という発想がすごいと思いました。本当にこんな事があったら、と考えるだけでもかなり恐ろしいですよね。どんどんと目に見えないものが奪われていき、そんな目には見えない“概念”をしっかりと舞台上で表現できている脚本だと感じました。そして地球人と宇宙人が登場してくる、れっきとしたSFドラマとして展開していく作品です。なのにいわゆる具象的と言うか、自分たちの日常と地続きな世界感が広がっていたのが、とても印象的かつ面白かったです。
僕が特に感動してしまったシーンは終盤間近に行われた、宇宙人の夫と地球人の妻の対話でしょうか。夫は最後に妻から“愛”という概念を収集します。すごくストレートで印象深い、愛しいけれども、とても悲しいラブ・シーンでした。これには思わず涙腺を刺激されてしまいましたし、なんだか小さいけれども“奇跡”のようなものを見てしまったような気がするんですよね。さて、役者さんは個性的で上手な方が多かったと感じました。しかし僕がちょっと欲張りなだけかもしれませんが、もう少し役者さん同士でコミュニケーションをしてもらいたかったかな・・・、と思ってしまいましたね。
★上記のレポートは、ネタバレしています。ご注意ください。