「パルコ・プロデュース『WEE THOMAS(ウィー・トーマス)』」
作:マーティン・マクドナー 訳:目黒条 演出:長塚圭史 出演:高岡蒼甫、岡本綾、少路勇介、チョウソンハ、今奈良孝行、富岡晃一郎、堀部圭亮、木村祐一
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美術:二村周作 衣裳:藤井享子 照明:佐藤啓 音響:加藤温 ヘアメイク:近藤英雄 ファイティング・コーディネーター:渥美博 演出助手:菅野将機 舞台監督:高橋大輔 製作:伊東勇 企画:佐藤玄 プロデューサー:毛利美咲 企画製作:株式会社パルコ
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2006/6/6(火)〜6/11日(日)/東京グローブ座/http://www.parco-play.com/web/page/
英国の劇作家であるマーティン・マクドナーの戯曲「ウィー・トーマス」を、阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史さんが演出される作品です。初演は2003年の夏に行われて大きな物議をかもし、今回は待望の再演ということでした。2002年度ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作コメディ賞受賞作。
★全国各地で公演後、“2006/6/28(水)〜7/9(日)”に“PARCO劇場”での公演があります。
★ブログ:
http://www.parco-play.boxerblog.com/
★舞台写真:
http://www.parco-play.com/web/play/thomas/stagephoto.html
観ようか観まいか迷っていたんですが、急遽プレビュー公演で“当日学生券”が発売されるのを聞いて、グローブ座に滑り込んでまいりました。どうやらS席(6,300円)でもA席(4,200円)でも、なんと3,000円で観れるという素晴らしい当日学生券。僕はS席で観れましたので、実質半額以下で買えたということになりますね。すごい、すごい。こういう企画は、是非また実施していただきたい!!
《あらすじ−公演の案内文より引用−》
舞台はアイルランド。超過激反政府組織(INLA)のマッドな男、パドレイク(高岡蒼輔)の愛猫ウィー・トーマスの死骸が発見された。知らせを受けたパドレイクは、ドラッグの売人の拷問を放り出し、イニシュモア島にある実家に向かう。一方パドレイクの凶暴ぶりをよく知る父親(木村祐一)や幼馴染のデイヴィー(少路勇介)は猫殺害の事実を隠そうと必死!しかしふたりのオマヌケぶりはパドレイクの怒りの炎に油を注いでしまう。さらにパドレイクのクレージーな仲間や、デイヴィーの妹で彼に恋する過激な女の子マレード(岡本綾)が登場し、事態はとんでもない方向に転がり始める。
そして肝心の内容なんですが・・・。またもやマクドナーや長塚さんの凄さを、身をもって実感することになりました。今回はプレビュー公演でしたが、役者さんを筆頭にスタッフワークなども良く、非常にクオリティの高い作品へと仕上がっています。これならパルコ劇場での公演では、更に磨きがかかった仕上がりを期待できるのでは・・・!?僕は最後まで面白く拝見することが出来ました。でもコレって、アイルランドの情勢やこの作品の背景について色々ご存知な方が観たら、もっと深く楽しむことが出来る作品じゃないでしょうか。だから本当の面白さを僕は知らないのかもしれないなぁ。だけど専門的な知識を持っていなくても、問題なく楽しめるつくりになっているので、安心しました。
そしてこの作品の説明に欠かせないのが、随所で登場してくるスプラッタな描写の数々でしょうか。初演ではあまりの描写に途中退場してしまった人がいるとかいないとか・・・。覚悟していったのですが、僕の席はなんと・・・最前列でした。はじめは「マジで勘弁してくれよ!!」と心の中で叫んでいたのですが、徐々に慣れていってしまいましたね。最後には直視して観察しちゃいました。
ジャンルとしては「バイオレンスブラックコメディ」のようです。なるほど、なるほど。確かに客席では笑いが結構おこっていて、僕も笑ってしまった場面がいくつかありました。でも演出や役者さんたちが“コメディ”というのを意識してやってはいませんよね。もう悲惨で残酷な状況だからこそ可笑しみが生まれ、それが笑いに直結しているのでは・・・。まさに黒い笑いに満ちた作品だと思いました。
★下記のレポートは、ネタバレしております。どうぞご注意ください。
舞台美術(二村周作)について。舞台の中央に石造りの古びた一軒家が存在し、主にそこでお芝居が展開します。そして舞台の下手から舞台最前方にかけては、外に位置する道という設定でした。一軒家は前後にスライドできる仕掛けになっており、場面に合わせて可動できたりしています。
とにかく一匹の猫“ウィー・トーマス”を巡って、どんどんと人が殺されていく過程は圧巻の一言。血糊が飛び散り、銃弾が炸裂し、そして最後には死体の解剖シーンまでが実際に現されます。映画ではスプラッタの強い描写を見かけることはあっても、舞台上でここまで表現できてしまうなんて凄いな〜。最前列なので作り物だということを実感できるものの、やっぱりグロテスクで気持ち悪い。だって腸を引っ張る場面などで、少し笑いが起こっていましたから。やっぱりブラックですね・・・。
ラスト・シーンが特に印象的でした。なんと死んだはずのウィー・トーマスは生きていた、という誰もが驚愕のオチなのです。最後には死体の山だけが残るという、印象的なラストになっていました。そして役者さんについて。皆さん上手な方が揃っていて、全体のアンサンブルも良かったです。
★上記のレポートは、ネタバレしております。どうぞご注意ください。