出演:角野卓造、高橋克実、福本伸一、石田圭祐、犬塚 弘、三田和代、藤谷美紀、熊谷真実、キムラ緑子 演奏:朴勝哲、佐藤 桃、大下和人、佐藤拓馬、山田貴之
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作:井上ひさし 演出:栗山民也 音楽:宇野誠一郎 編曲:久米大作 美術:石井強司 照明:服部 基 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 ヘアメイク:佐藤裕子 ステージング:夏貴陽子 歌唱指導:満田恵子 演出助手:北則昭 舞台監督:増田裕幸 芸術監督:栗山民也 主催:新国立劇場
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2006年6月28日(水)〜7月23日(日)/新国立劇場・小劇場/http://www.nntt.jac.go.jp/
井上ひさしさんが脚本を手がけられて、「夢の裂け目」「夢の泪」と続いてきた“東京裁判三部作”。そして今作「夢の痂(ゆめのかさぶた)」がその最終作を飾ります。演出は第一部・第二部と引き続き栗山民也さんが担当。僕はこのシリーズには残念ながら縁がなく、今作が初見となったしだい。

《あらすじ・作品紹介−WEB「新国立劇場」より引用−》
敗戦後の昭和22年頃、作戦立案した戦争責任をとろうとして自殺を企てるが、未遂に終わってしまう陸軍の高級将校を中心に、東北のとある町で出会った人々と、そこで起きる事件をとおして、敗戦後の日本人の生活や社会が活写されます。
全体的には“東京裁判”というものを、少し間接的に描いたようなストーリーだと思いました。しかしかなり厳しい視点が確かに存在していて、政治的にも鋭い眼差しが光っています。それだけ扱っている問題が、非常に重大でシビアということでしょう。だからグサッと身につまされるような思いになったり、色んなことを新たに知ったり・・・と忙しかったです。しかしそれがちゃんと多くの人が楽しめる、エンターテイメントとして成立しているんですね。さすがです。非常に豊かかつ充実した時間でした。
楽団による生演奏にのって歌い踊り、笑いもたくさん散りばめられ、漏れなく涙もいっぱい!まさに老若男女が楽しめる“音楽劇”仕立てになっているんですよね。すごく面白かったです。僕は祖母と一緒に観劇して、二人で大満足して帰宅しました。僕は井上作品は必ず祖母と観に行っているのですが、こんなに世代が違うのに楽しめるお芝居って井上さんの作品ぐらいじゃないかな・・・。なんだか貴重な気がします。終演後は話に花が咲いて面白かった。そういう意味でも楽しかったです。
全体的にみると年齢層の高い客席だったのですが、こういうのこそ若者に観てほしいと思います。ぜひぜひ皆さん、新国立劇場へ足を運んでみてください。前売券は残念ながら完売しているようなのですが、当日券(Z席など)は出ているようですね。上演時間は2時間10分(休憩なし)でした。そうそう、パンフレットを買ってもらいました。800円。お芝居と同様に読み応え十分の内容です。
★下記のレポートは、ネタバレしております。どうぞご注意ください。
印象に残ったのは教師の絹子(三田和代)が、“文法”について語っていく件でした。丁度いま僕が勉強しているところとも重なって、目から鱗が落ちまくりで・・・めちゃくちゃ面白かったですね。たとえば「日本人の主語は“状況”である」、「幸せになれるか否かは、主語が“私”かどうかにかかる」、そして状況が“屏風”に例えられたり・・・。非常に興味深く、いつしかジーンと感動しました。
抽象的で素朴な雰囲気を感じさせる舞台美術(石井強司)でした。ある家の座敷と蔵が主な舞台になっていて、シンプルに左右から小道具がスライドされてきたりして、場面転換が行われます。舞台前方の左右には四角い穴が開いており、そこは小さなオーケストラピットになっていました。
役者さんは達者な方ばかりが揃っていました。しかし脚本が遅筆だったせいでしょうか、まだ若干硬いような気もしないではないです。でも出演者全員が登場して歌い踊るオープニングでは、またもや心を鷲づかみにされてしまったしだいです。暖かい眼差しと音楽が、溢れていた序盤でした。
★上記のレポートは、ネタバレしております。どうぞご注意ください。