作・演出:岩井秀人 出演:金子岳憲、餅松亮、三浦俊輔、岩井秀人、浜田信也(イキウメ)、永井若葉(幹生)、今井勝法(幹生)、北村延子(蜻蛉玉)、松本裕亮 照明:松本大介 美術:土岐研一 制作:大久保亜美 7月14日(金)〜15日(土)/ルデコ/http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
---------------------------------------------
★本公演『無外流、津川吾郎』@ギャラリー・ルデコ/2006年10月5日(木)〜10月15日(日)
岩井秀人さんが作・演出を手がける「ハイバイ」の最新公演。十月に十日間の公演を予定している本公演『無外流、津川吾郎』をまえにした、プレビュー公演を拝見してまいりました。僕は前回公演「ヒッキー・カンクーンエンゲキ・・・・」を見逃して悔やんでいましたので、今回が初見となりました。
今回のプレビュー公演はWEBサイトで一般公募をしたりして集客したもので(僕は丁寧なご案内をいただきました)、全招待ながらアンケートを必ず提出が義務付けられています。そして感想はすべてWEBサイトに掲載され、提出されたいくつかの感想はチラシにも掲載されるそうです。これが10月の本公演の口コミや宣伝へと直結していくんですよね。素晴らしい企画だなって思いました。

《あらすじ−当日配布のパンフレットより引用−》
定年退職したものの、すんなりと「家庭」に着陸できないでいる内田啓治。彼は某会所で、しゃれた浴衣姿のヨボヨボの老人、津川五郎と出会う。津川は、江戸時代から伝わる最強という呼び声高い剣術の一派「無外流」のただ一人の伝承者らしい。「切り捨て御免のありえない現代でも、無外流を生かす術はあるよね」と軽い感じで言う津川。内田は津川の“そんなことを軽い感じで話す”ところに凄みを感じ、行動を共にするようになる。ある日、お洒落なカフェでお茶をしていた二人。と、隣の席のカップルが口論になり、ついには揉みあい出す。怯える内田の横で津川の目が光った。果たして・・・。
舞台上にはとてもシュールで独特な“ハイバイ”ならでわの世界観が存在していました。そして描かれている事柄は浅いようにみえて、実は非常に奥深い気がしました。いくつかのシーンから徐々に主張というか全体像が浮かんできたり、ビビッとくる演出が施されていたりして、最後まで面白かったです。終始なんだか不思議でよくわからない・・・と思いながらも、どんどんと惹きこまれて観ている自分がいたんですよね。そして終演後には“面白いものを観た”という手ごたえが残りました。
ハイバイの作風を説明するのは少し難しいですが、シュールで独特の世界観を持った口語演劇だと思いました。今回の作品では大きく分類して4つほどのシーンで構成されており、それらが何かしらの関係でつながっているというものでした。あくまでも淡々と進んでいくものの、笑いがたくさん散りばめられてます。僕は最後まで楽しく拝見していたのですが、良くも悪くもなんだか腑に落ちない不思議な感覚に陥りました。しかしそれも含めて“面白い”と感じている自分もいるんですよね。
音楽や暗転は極力おさえている印象をうけ、静かに照明や登場人物が動くことで場面転換していました。非常にシンプルな美術や照明の中でも、効果的でビビッとくる演出が施されていて楽しかったです。そして全体からみての完成度としては、高めだったのではないでしょうか。プレビュー公演でしたが、一つのしっかりとした演劇作品に仕上がっていると思いました。しかし今回の反応をうけて、また変化していくのかもしれません。本公演がまた非常に洗練されたものだと良いですね。