作: リヒャルト・ワーグナー 台本・演出: 宮城聰 作曲:原田敬子 出演:美加理、阿部一徳、吉植荘一郎、大高浩一、中村優子、 本多麻紀、大内米治、片岡佐知子、諏訪智美、鈴木陽代、加藤幸夫、桜内結う、 池田真紀子、石川正義、塩谷典義、司田由幸、山縣昌雄、森山冬子
---------------------------------------------
演奏:稲垣聡(pf)中川賢一(pf)加藤訓子(perc)山田百子(vn) 録音:コジマ録音 演奏助手:田中やよい 照明:大迫浩二 舞台設計:田中友章 美術原案:木津潤平 衣裳:高橋佳代 音響:AZTEC(水村良・千田友美恵) ヘアメイク:梶田京子 舞台監督:岩崎健一郎 宣伝美術:野口美奈子 宣伝写真:PASCAL LAFAY WEBデザイン:井上竜介 制作:大石多佳子
---------------------------------------------
2006年7月24日(月)〜30日(日)/東京国立博物館・庭園/http://www.kunauka.or.jp/
演出家・宮城聰さんが主宰されている、“ク・ナウカ”の最新野外公演を観て来ました。リヒャルト・ワーグナーの作品「トリスタンとイゾルデ」を、宮城さんが台本・演出を手がけられます。そして今回の会場となるのは、上野にある東京国立博物館の庭園。夜風が気持ち良い観劇となりました。

開演は夜の7時半。博物館は既に閉館しており、ライトアップが美しいです。受付を済ませて整理番号順で入場したのは、博物館裏に位置する日本庭園。そんな庭園をバックに特設された四角い能舞台のような舞台があり、プロセニアム形式で客席が組まれていました。ちなみに僕はユースチケット(25歳以下、2,500円)を購入していましたので、最後尾から観劇することになりました。でも見晴らしも非常に良くて、意外と良い席でしたね。
ク・ナウカの作風で大きく特徴的な点は、「語る」俳優と「動く」俳優に分かれていることでしょうか。登場人物はすべて“二人一役”の手法をとって演じられるのです。座りながら感情をこめて台詞を語る俳優、無表情のまま台詞にあわせて動く俳優。とても独特な世界が広がり、身体表現の面白さを感じました。僕はこのスタイルでちゃんと拝見するのは、これが初めてだったような気がします。
《物語の背景−当日配布のパンフレットより引用−》
コーンウォル(イングランド)のマルケ王の忠臣トリスタンは、決闘でアイルランドの騎士モロルトを討つ。モロルトの許嫁であったアイルランドの王女イゾルデは復習を決意するが、傷の治療に訪れたトリスタンと目があった瞬間、憎しみが愛情にかわる。回復したトリスタンはコーンウォルへ帰るが、マルケ王の花嫁としてイゾルデを迎える使者となって再びあらわれる。
ちょっと複雑なお話だったような気がしたのですが、当日配布されたパンフレットには、詳しいあらすじが掲載されていましたので問題なく楽しめました。しかも一回の10分休憩を挟む三幕構成だったのですが、上演時間は2時間弱と短かったのが良かったですねー。でも・・・退屈してしまった場面も残念ながらありました。やはり単調だったりすると、ついウトウトしちゃったんですよね。でも時々刺激的で奇抜だったりする演出が施されたのが、良いアクセントになっていたと思います。
なんだか演技や演出も深く堪能できるような内容で、いろんな感情が自分の中で巡って行きました。どこか官能的だったり、ジーンときたり、ハッとさせられたり・・・。ピーンと張り詰めた緊張感が気持ちよかったです。それに今回は開放的な野外空間でお芝居を観ていて、なんだか豊かな気持ちなったりしました。特にぼくは天気の良い日に拝見したので、とても清清しい観劇体験でした。
面白かった演出や場面は多々ありました。照明はシンプルでしたが、バリエーションがありましたよね。舞台の床は透けているので、上からも下からも照明が当たるようになっています。舞台下から照らされるブルーの照明が印象的です。それに広い日本庭園をライトアップするシーンは大きな見所ですよね〜。美しい風景が目に飛び込んできて迫力満点!!それでいて刺激を感じました。