「TOKYOSCAPE/ポかリン記憶舎『煙の行方』」
作・演出/明神慈 出演/中島美紀 後藤飛鳥(五反田団) 市川 梢 寺内亜矢子(ク・ナウカ)
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音楽/木並和彦 舞台美術/杉山 至(突貫屋) 舞台監督/西田 聖 照明/木藤 歩(balance,inc. DESIGN) 衣裳協力/遠藤瓔子(きものであそぼ) 制作協力/辰田明子(劇団☆世界一団)
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2006年7月28日(金)〜 30日(日)/須佐命舎/http://www.pocarine.org/
明神慈さんが作・演出を手がけられる、“ポかリン記憶舎”の最新公演。ぼくはTOKYOSCAPEで2回目の観劇となりました。今回上演された「煙の行方」は再々演を迎える人気作ということで、楽しみに伺ってきました。キャッチコピーである「地上3cmに浮かぶ楽園」を体験してきましよぉ〜!!

前回の会場だったART COMPLEX 1928からタクシーで移動し、約20分もかからないところに位置していた“須佐命舎”が今作の会場。周りには昔ながらの街並みが広がり、会場前の道は石畳になっていて・・・。まさにイメージどおりの“京都”がそこにありました。そして浴衣美女たちが観客を出迎えてくれて、もうそこからお芝居は始まっているかのようでした。なんだか幸せな時間です。
さてさて須佐命舎の中に入るとそこは、木の匂いが漂う“和”と“洋”が調和した空間でした。3階ぐらいの高さまで吹き抜けていたり、素朴だけど豪華で素敵なんです。そんな空間に舞台が特設されていて、舞台上には必要最小限の小道具(小さなテーブル、その上に金魚蜂)があるだけ。そして大きな窓もあって、そこからは中庭の様子が見て取れます。自然光が入るのが美しかったな。また行ってみたい、京都の隠れ家的スポットでした。
《あらすじ−公式サイト「TOKYOSCAPE」より引用させていただきました−》
残暑に忘れられた水槽のような部屋。日舞教室の控え室。水も滴る浴衣姿の女たちが火照った身体を休ませる。主人不在の控え室で、女たちの身体から滲み、煙のように立ち昇ってくる業の数々が夕日に晒されてゆく。旬の女優四人のために書かれた本作は、日常と非日常の狭間をたゆたう麻薬のような時空間が「半睡の快楽」と呼ばれ、2001年は夏井孝裕(reset-N)、2004年は作者の演出による上演で評判となり、再々演を迎える。
すっごく心地の良い世界が創られていて、ぼくはゆらゆらと身をゆだねながら観劇しました。浴衣美女の美しく上品な所作、ハッと胸に残る台詞、非現実的な動き・・・。いつのまにか始まって、いつのまにか終わっていて・・・。まさに“地上3cmに浮かぶ楽園”を実体験できました。上演時間は1時間弱で少々短めでしたが、とても余韻が強く、それはそれは濃密な時間が過ぎていきました。
ゆっくりとした時間のなかで、ポツリポツリと台詞が語られます。そしてやがて物語の輪郭が、徐々に浮き上がってきます。日常的な会話が続いていくのかと思っていれば、非現実的な舞(動き)が入り込んだりしました。でも抵抗したり違和感を持つことなく、すんなりとその世界には惹きこまれました。そこにはポかリンだからこそ創ることのできる、独特の時空間が存在しているんですよね。
じっくりと独特の世界観を味わえたのも、音楽(木並和彦)や照明(木藤歩)などのスタッフワークが手堅く支えているのが、大きな要因ではないかと思いました。またこの世界を味わいたい。ちなみに僕はマチネに観劇したので、自然光が入ってくるのが舞台を上手く演出していると思いました。