「燐光群+グッドフェローズ『組曲二十世紀の孤独《蝶のやうな私の郷愁》』」
作:松田正隆 演出:鈴木裕美 出演:占部房子、坂手洋二
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美術:奥村泰彦 照明:中川隆一 音響:堀江潤(オフィス新音) 舞台監督:森下紀彦 舞台監督助手:楠原礼美子 衣裳:山下和美 演出助手:坂田恵 総合監督:坂手洋二
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2006年8月1日(火)〜10日(木)/SPACE雑遊/http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
燐光群とグッドフェローズがプロデュースされる、『組曲 二十世紀の孤独』の第一章でした。これから新宿三丁目にできた新しい劇場「SPACE雑遊」で、三つの作品が上演されていく企画の一つなんです。今作は松田正隆さん作の二人芝居を、鈴木裕美さんが演出を手がけるという公演でした。

《簡易なあらすじ》
舞台はある夫婦が暮らしているアパートの一室。外は台風が近づいているらしく大雨だ。夫(坂手洋二)と妻(占部房子)は夕食をともにし、とりとめのない話に華をさかせている。しかしそんな食事の最中にもかかわらず、停電してしまい真っ暗闇にになった。ロウソクを探す夫婦だったが・・・・・。
一組の夫婦の淡々とした会話によってつむがれていく、非常に密度が高い会話劇に仕上がっていました。少しずつ夫婦の内に秘めていた思いが、深みのある独特の台詞となってあふれて出てくるのです。それは悲しかったり、切なかったり、愛しかったり・・・さまざまなんですね。でも基本的にはコミカルな要素も挿入されていたりしたので、クスッと笑えたりする場面も用意されていました。
僕が松田正隆さんの作品に触れるのは、確か今作が初めてだったと思います。印象としては難しくて、難解なイメージでした。一つ一つの言葉も深い意味をもっているというか、いろいろと観客も思考できるというか。終演後の余韻の残り方が強いような気がしました。非常に興味深かったです。
ということで全部を理解しているとは思えないのですが、終演後には“面白かった”という確かな手応えが残りました。上演時間も1時間弱という短さで、とても濃密な観劇体験となりました。スタッフワークも非常に繊細な表現をしていて手堅く舞台を支え、演出も効果的で良かったのではないでしょうか。特に度肝う抜かれる演出が施されていて、そのあたりはかなりの見どころだと思いました。
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停電した暗闇の中でロウソクを探していた夫婦でしたが、妻が探し出してしまったものは“大きな貝殻”でした。これは夫が妻の姉にプレゼントしたものなのですが、裏には大きな秘密が隠されていました。この発見されてしまった貝殻は、物語の大きなキーポイントになっているんですね。淡々とした会話から徐々に明らかになる、夫婦の過去の数々をドキドキハラハラしながら見つめました。
舞台美術(奥村泰彦)は夫婦が住んでいるアパートの一室が建て込まれていて、どこか刻んできた時の重みを感じるような、古い印象を持つアパートといった感じでした。八畳ほどの居間には生活観たっぷりに家具が置かれていて、客席からは台所の様子も伺える空間に仕上がっています。
お芝居の終幕直前に、驚きの演出がありました。なんと舞台の下にはいつのまにか、真水がひかれていたんです。まさに水没したかにみえるアパートの一室。水は照明によって反射し、壁や役者さんに美しく写ります。小さな劇場でこんなダイナミックな演出に出会えるなんて!!すごーい!!
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