「オペラシアターこんにゃく座『オペラ《フィガロの結婚−モーツァルト・エキゾチカ−》』」
出演:大石哲史、梅村博美、酒井聡澄、山本伸子、太田まり、高野うるお、富山直人、相原智枝、西川まゆみ、川鍋節雄、佐藤久司、中島正貴、宮瀬晃、石窪朋、岡林景子、影浦英枝、萩千尋
---------------------------------------------
原作:ボーマルシェ 台本:ロレンツォ・ダ・ポンテ 作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
訳・演出:加藤直 美術:池田ともゆき 衣裳:合田瀧秀 照明:室伏生大 振付:伊藤多恵 編曲:林光・萩京子・吉川和夫・寺嶋陸也 舞台監督:北村雅則 演出助手:高木陽子 宣伝美術:伊波二郎(イラストレーション)小田善久(デザイン) 音楽監督:萩京子 芸術監督:林光
---------------------------------------------
2006年8月24日(木)〜30日(水)/俳優座劇場/http://homepage2.nifty.com/konnyakuza/
日本語のオリジナルオペラの創作をしている、老舗の劇団“オペラシアターこんにゃく座”。今回はモーツァルトの言わずと知れたオペラ“フィガロの結婚”を、一部ダブルキャストの2バージョンで上演。本座では1984年の初演から何度も演出を変えて、上演し続けられている人気作品でした。

《あらすじ−WEB「新国立劇場」より引用させていただきました−》
もとは理髪師で今はアルマヴィーヴァ伯爵の召使いフィガロは、伯爵夫人の侍女スザンナと、今日結婚式を挙げることになっている。伯爵は初夜権をひとたび放棄したものの、スザンナに気があるのでその復活を企む。一方、伯爵夫人は夫の冷めゆく愛を嘆いている。夫人、フィガロ、スザンナは結託して伯爵の鼻を明かそうと、恋多き思春期の小姓ケルビーノを女装させて伯爵をおびき出そうとするが……。
こんにゃく座での「フィガロの結婚」を観るのはこれで3度目になります。どれも和物だったり洋物だったり演出が完璧に違っていて、非常に興味深く面白い作品に仕上がっていました。さてさて、再々再演となった今回の演出は、“モーツァルト・エキゾチカ”の副題そのもの。作品の構造を「アジアの某国に植民地の支配者として伯爵夫妻が降り立つ」という、また変わった構造と演出なんです。
しかしモーツァルトの音楽や、ストーリーなどはほぼそのままでした。ということで音楽は美しく素晴らしいですし、ストーリーなんかもこれぞご都合主義!って感じで楽しかったですね。しかし歌詞や台本の翻訳や演出はかなり砕けているので、こんにゃく座色が色濃く出ている印象も受けました。かなりユニークで親しみやすく、観客との距離が非常に近いオープンなフィガロの結婚でしたね。
それにこんにゃく座の作品では、日本語がしっかりと聞き取れる歌い方をします。ですからストーリーがしっかりと理解できましたし、いっぱい笑うことが出来たし、だから観客との距離が近いと感じたのだと思います。それに俳優座劇場はこんにゃく座にベストマッチの空間でしたね。いつもこれぐらいの規模でやって欲しい。小編成(ピアノ、オーボエ、など5人)の楽団も非常に良かったです。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
驚くべきことに劇中では“う○こ”やら“くそ”など、下品な言葉が歌詞にも台詞にも現れてきました。これはモーツァルトのスカトロジーや、パンフによれば“世界はう○こだ”ということを表現しているのかな。でも僕はあんまり面白みを感じらなくて・・・。正直言って引き気味で舞台を見つめることになってしまいました。なぜここまで強調するのか、演出意図がわかりずらくなっていると思いました。
舞台美術は船の甲板をイメージさせるような、抽象的な空間が生まれていましたね。役者さんでは主要5人の方々が実力を発揮していました。大石哲史さん(伯爵)、梅村博美さん(伯爵夫人)、酒井聡澄さん(フィガロ)、山本伸子さん(スザンナ)、太田まりさん(ケルビーノ)が良かったですね。聴きどころが随所に点在していて嬉しかった。特に1幕のラストを飾る重唱が素晴らしかったです。
★上記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。