出演:寺島しのぶ、筒井道隆、八木昌子、小山萌子、石村実伽、粟田麗、江口敦子、小澤英恵、向井孝成、中上雅巳、杉山英之、細貝弘二 ※15箇所をまわる全国ツアーあり
---------------------------------------------
作・演出:永井愛 美術:太田創 照明:中川隆一 音響:市来邦比古 衣裳:竹原典子 舞台監督:三上司 宣伝美術:マッチアンドカンパニー 宣伝写真:今井智己 ウェブデザイン:板澤一樹、貝嶋一哉 制作:弘雅美、安藤ゆか、早船歌江子 票券:松本恵美子、津田はつ恵
---------------------------------------------
2006年9/28(木)〜10/15(日)/世田谷パブリックシアター/http://www.nitosha.net/
永井愛さんが主宰されているプロデュース・ユニット、「二兎社」の最新公演を観てまいりました。今回上演されるのは永井さんの新作である「書く女」で、僕が観たのは満員御礼の東京公演です。主人公を演じるのは寺島しのぶさん、相手役を演じるのは筒井道隆さんという人気公演でした。

「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」などの傑作を世に残した小説家・樋口一葉。そんな樋口を主人公にした作品がこの「書く女」です。小説の師である半井桃水に弟子入りしたところから始まり、24歳という若くして亡くなるまでの生涯を描いていく作品でした。上演時間はたっぷり3時間15分弱(休憩を含む)で学校帰りには少し辛かったですが、あっという間のひと時でした。
一葉の波乱に満ちた半生を優しく柔らかで、時に鋭く描く視点が素敵でした。やっぱり永井さんの作品は素晴らしいですね。とても印象に残っています。きっと老若男女の幅広い世代が楽しめるであろう、エンターテイメント作品に仕上がっているのではないでしょうか。僕は随所に散りばめられている優しい笑いに微笑み、一葉による桃水への切ない恋心にキュンとしたり、登場人物たちによる数々の対話に感動したりしました。旅公演でいろんな劇場を回られる公演(15所)ですので、ぜひぜひ多くの方にオススメしたい娯楽作品だと思いました。
演劇界で一葉を扱った作品だと井上ひさしさんの『頭痛肩こり樋口一葉』が有名ですよね。ぼくはテレビ(だったと思う)で一回だけ拝見したことがあります。僕と一葉との接点と言ったらこれぐらいで、まだ作品すら読んだことがないんです・・・。すいません、すごく無知ですよね。でもそんな僕でももちろん存分に楽しめましたし、一葉の作品が読みたくなったことは言うまでもないことでした。
ぼくは学生なので学生券で拝見できたのですが、そのお値段が素晴らしい価格だったんです。なんと・・・1,500円!!場所は3階席です。こんな上質な作品をこのお値段で観れるなんて、画期的ではないでしょうか。金欠の僕にとっては感謝感謝でした。次回も実施してほしいですね(笑)。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
いっぱい素敵だな!と思ったところはあったんですが、一葉による桃水への成就しない片思いには思わず切なくなりましたね。桃水が一葉を引きとめようとして「あと30分、20分、あと15分でいいですから」と言うくだりがコミカルで可笑しかったです。雪の日にお汁粉を食べる場面も素敵だった。そして極めて貧乏で恵まれない一葉が、力強く活き活きしている姿に自分も勇気付けられました。
舞台美術(太田創)は和風で抽象的な空間が創りこまれており、さまざまな場所へテンポよく変化していくのが魅力的です。全体的なイメージは細い木が複雑に組み合わさっている感じ。巨大な障子のような壁や床がスライドすることにより、場面転換をしていくのもカッコよかった。抽象的だけど温かみのある仕上がりです。転換の際に流れる音楽はクラシックを使用していて品がありました。
役者さんは皆さん上手な方が揃って出演していらっしゃると思いました。特に一葉を演じられた寺島しのぶさんは、とても素敵な女優さんなのですね。表情豊かでキレイでしたし、何度も演技に魅了されました。桃水を演じられた筒井道隆さんも、これぞハマリ役!という感じだったと思います。
★上記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。