出演:竹下景子、渡辺美佐子、中山マリ、鴨川てんし、川中健次郎、猪熊恒和、大西孝洋、江口恵美、樋尾麻衣子、内海常葉、裴優宇、久保島隆、小金井篤、桐畑理佳、阿諏訪麻子、安仁屋美峰、樋口史、高地寛、伊勢谷能宣、嚴樫佑介 一般前売:4,500円〜3,600円(各種割引あり)
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作・演出:坂手洋二 美術:二村周作 照明:竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 音響:島猛(ステージオフィス) 舞台監督:大津留千博 衣裳:大野典子 演出助手:城田美樹 進行助手:清水弥生、坂田恵 宣伝意匠:高崎勝也 制作:古元道広、近藤順子、小池陽子 地方公演あり
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11月4日(土)〜12月3日(日)/下北沢ザ・スズナリ/http://www.alles.or.jp/~rinkogun/
坂手洋二さんが作・演出を手がけていらっしゃる、燐光群(りんこうぐん)の最新公演です。それに加えて今回は公演会場である、ザ・スズナリの開場25周年記念公演でもあるとか。坂手さんの新作というだけで楽しみなのですが、坂手作品に竹下景子さんが出演するのも注目の一つでした。

《公演重要−WEB「燐光群」より引用させていただきました−》
意欲的な新作を創造してきた坂手洋二と燐光群のオリジナル新作です。演劇の面白さを追求すると共に、「現在」に対する視座も含まれています。オリジナリティのあるシチュエーションをダイナミックなストーリー展開で描きます。この新作のタイトルとなっている「チェックポイント」は、国境を通過するさいの検問所を意味するものです。竹島、尖閣諸島、対馬、北方領土などで揺れる、日本の領土問題が背景となっています。ベルリンの路上に、東西分断時代のモニュメントとして残された検問所ボックス「チェックポイント・チャーリー」の存在に触発された作者が、『天皇と接吻』『屋根裏』『だるまさんがころんだ』に続いて、本作のために構想された演劇的手法を駆使する、大胆な構造になっています。この方法でなければ果たせない、今を生きる人間の心象を描き出します。
全体的なテーマになっているのは、境界線に関する国境や領土問題なのではないか、と思いました。社会的なテーマを扱う燐光群らしい一面もみせていますが、坂手さんによる演劇的な手法を駆使していく点も見所の一つだと思います。しかしあまり胸を打つ主張を感じることができず、満足するまでは至らずに終演してしまったのが、今回の作品についての正直なところでしょうか。観劇しているときは何度も“面白い!”と感じて惹きこまれていたのですが、終演してみると全体が少し散漫になっている気がしないでもなかったのです。色々な題材を詰め込みすぎているせいでしょうか。しかし燐光群やスズナリの舞台に、竹下景子さんが出ているのを観るのは貴重な観劇体験でした。
この舞台には3人の異なる“ヒロコ”という名の女性が登場します。現代社会で生きていると思わしきヒロコ、漫画作品の世界で生きているヒロコ、そしてその漫画作品の作家であるヒロコ。そんな3人のヒロコを演じられるのは、今回の主役である竹下景子さん。3人のヒロコが生きている、3つの世界がパラレルに時空間をこえて展開していきました。主な展開方法は暗転を使った場面転換で、数え切れないほどのシーンが積み重なり、そして1つの「チェックポイント黒点島」という本作が立ち上がってくるのです。時や空間が折り重なったりしていく志向は、「だるまさんがころんだ」や「屋根裏」に共通するものがありますね。上演時間は途中休憩なしの、2時間15分弱程度でした。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
主に展開されていくのは3つの世界なのですが、それらすべてに“チェックポイント(検問所)”が大きく関係してきました。まず主婦のヒロコが普段利用する道に、突如としてできた検問所。そして黒点観察をする夫婦が発見した小さな島、そこに建てたのは検問所に模倣した観察所。漫画家・ヒロコが好きがこうじて模倣して作った、検問所に模倣した仕事場。それらが現代や漫画の中の物語として展開し、重厚的な構造で折り重なります。そして最後は壮大な結末で締めくくるのでした。
舞台美術(二村周作)は可動式の検問所が設置されており、あとは真っ黒な素舞台の空間が広がっているだけ。その検問所というのは今作のモチーフにもなっている、ドイツに今もなお存在する検問ボックス「チェックポイント・チャーリー」のレプリカです。そんな舞台上では縦横無尽に時空間が折り重なっていき、照明や検問ボックスが可動されることにより、どんどん様々な場所に変化していきました。とりたてて具象的な美術ではなかったので、想像力が刺激されて面白かったですね。
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