出演:内田滋、剱持たまき、八嶋智人、大堀こういち、村岡希美、玉置孝匡、松浦和香子、水野顕子、大久保綾乃、中山祐一朗、伊達暁、長塚圭史、美保純 東京公演終了後は全国ツアーあり
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作・演出:長塚圭史 美術:島次郎 照明:佐藤啓 音響:加藤温、藤森直樹 衣裳:前田文子 演出助手:城野健 舞台監督:福澤諭志+至福団 宇野圭一(至福団) 製作:ゴーチ・ブラザーズ 主催:阿佐ヶ谷スパイダース、TOKYO FM 前売り5,500円 当日6,000円 (全席指定・税込)
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2006年11月9日(木)〜11月26日(日)/下北沢本多劇場/http://asagayaspiders.net/
長塚圭史さんが作・演出・出演を手がけられる、“阿佐ヶ谷スパイダース”の最新公演を観て来ました。今回も豪華キャストが揃って、もちろん前売券は完売していますね。東京公演終了後は全国8ヵ所を旅するツアーも予定されているそうで、やはりとっても人気の集団だということを実感します。

《あらすじ−WEB「阿佐ヶ谷スパイダース」より引用、付け加えました−》
高校を卒業後、進学も就職もせずに悪友たちと遊び暮らす大瀬幸司(内田滋)。ある夏の始め、仲間内のリーダー格である中津正行(伊達暁)からある仕事を頼まれる。中津が海外に行っている間、「ある人たち」の面倒を見てくれというものだった。大金に釣られ安請け合いした大瀬であったが、その「ある人たち」とは恐るべき状況下にある者たちであった・・・
追いに追い込まれた状況下で展開していく、必要以上と感じてしまうほどの暴力などの残酷な描写。そしてそんな悲惨な設定や描写だからこそ、じわじわと浮かび上がってくる人間の業の数々・・・。とてもハードな作品と言えますが、いつも惹き込まれる力が確かに存在しています。阿佐ヶ谷スパイダースや長塚作品にとって特有の構造ですね。今回もとても業の深い作品に仕上がっていると共に、たくさんの問題やテーマが含まれていると思いました。終演した後も深い深い余韻が胸に残ります。上演時間は途中休憩なしの2時間30分という長時間でしたが、あっという間に感じられました。こんな長時間でも観ていられるのは、やはり長塚さんの力量でしょうか。
今回の公演は2000年に下北沢の駅前劇場で上演された作品の再演です。でも改良された点はいろいろとあるようですね。そして長塚さんのターニングポイントになったと呼ばれている作品です。そうそうちょっと話は外れてオススメしたいのが、今回の公演パンフレットでしょうか。1,000円と比較的低価格なので購入したのですが、とっても見応え十分な仕上がりです。主な内容は出演者紹介や小説、そして長塚さんによる対談など。単行本のような立派で、買う価値あり!!ですね。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
「ある人たち」とは中津が17年間もの間、自宅地下の防空壕で監禁している、4人の男女(剱持たまき、玉置孝匡、中山祐一朗、松浦和香子)のことでした。4人は中津から地上の嘘の情報を教え込まれ、それを真に受けて今に至っていたのです。しかし中津が留守にする間、彼らの世話を大瀬に頼んだことから、徐々に地上の真実がを知ってしまうことになりました。そこに中津の母・和子(美保純)のエピソードも絡んでくることで、この戯曲は深さをより一層極めたものへなってきます。
今まで閉ざされた防空壕には地上との接点が出来たがために、新たな人物や情報が次々と入ってきてしまいました。そして監禁されている4人は、外の世界が本当は安全な世界だと知ります。しかし彼らは自ら地下に残ることを選択し、結果的に生き埋めになってしまいました。そして中津は監禁事件の犯人を母である和子に押し付けます。しかし監禁されていた彼らの死体は見つからず、同じく生き埋めになった一部の人間は、発狂した姿で発見されるという結末になっていました。
二階建てに相当する高さまで造り込まれた、非常に具象性の高い舞台美術(島次郎)でした。とっても圧倒感がありましたね。簡単に言うと地上と地下が二分されているんです。地上エリアには中津と和子の住む家のセットで、地下エリアは暗闇の防空壕でした。テンポ良く展開していくのが面白かったですし、地上と地下で同時進行したりするシーンも効果的です。オープニングでは大きなスクリーンが登場して、アニメのような映像(上田大樹、新見文)が流れていたのも好きでしたね。
★上記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。