出演:森 一 (劇団俳優座)、冨樫 真(トム・プロジェクト)、笛田宇一郎 (笛田宇一郎演劇事務所)、福沢亜希子、荻野百合子、久保恒雄 (※)、河内哲二郎 (※)、伊達由佳里 (※)、光田圭亮 (※)、武田幹也、上村美裕起、佐藤治彦 ※:劇団黒テント 定員制自由席 4500円 学生3500円
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原作:W.シェイクスピア H.ミュラー 翻訳:中島裕昭 近藤弘幸/新野守広 構成・演出・美術:佐藤信 照明:齋藤茂男 音響:島猛 映像:吉本直聞 衣装:今村あずさ 舞台監督:森下紀彦 演出助手:鈴木章友 学芸助手:川口智子 写真:青木司 宣伝美術:タグチケイコ 制作協力:宗重弘之 (劇団黒テント) 制作:ヲザキ浩実 制作補:松谷章代 企画・製作:佐藤信
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06年11月17日〜26日/theateriwato/http://members3.jcom.home.ne.jp/kamome-za/
演出家で劇団黒テントの佐藤信さんが主宰されている、個人劇団「鴎座」の第二期上演活動が始まりました。記念すべきトップバッターを飾るのは「ハムレット/マシーン」。いろんな方からオススメをいただいていたので、観に行くことにしました。はてさてどんな作品か、楽しみにしていると・・・。

【作品紹介−WEB「鴎座」より引用させていただきました−】
2006年秋、トーキョー。シェイクスピアとミュラーのテキストが出会い、相剋する。ぼくたちはハムレットだった。劇場(世界)から世界(劇場)への逃亡を夢見て。廃墟(歴史)をおおう蔓草(言説)に、まがいものの血をふりまきながら。いかなる時代も他の時代に感性を継承することはできない。伝えることができるのはこの感性に関する知性だけだ。それぞれの時代は次の時代に、自分がそれでなかったものしか与えない。
20世紀におけるドイツの現代演劇を代表する、劇作家で演出家であるハイナー・ミュラー。そんなミュラーが書いた数ページしかない戯曲が「ハムレットマシーン」です。今回はそんな「ハムレットマシーン」やシェイクスピア「ハムレット」などを新訳。そこに新野守広さんが書いた「演劇都市 ベルリン」のテキストも挿入され、新たに佐藤さんが構成を手がけて出来上がったのが、今回上演された「ハムレット/マシーン」ということでしょう。上演時間は2時間10分弱に仕上がっていました。
ミュラーの「ハムレット/マシーン」に触れるのは今回が初めて。僕にとっては描かれたり定義されている問題が難しかったですし、構成や演出も難解な創りになっているんですよね。頭を捻りに捻って観ていることを余儀なくされてしまいました。しかし作品自体が一つの現代美術のようで、そういったものを観るような気軽な感覚でも観ることができました。そして会場となったtheatre iwatoは非常に小さな劇場です。好みはハッキリと分かれてしまうかもしれない作風でしたが、とにかく全体の完成度も高めでしたし、このような作品を密度の濃い空間を体感できるのは至福の時でした。
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theatre iwatoの良い具合に汚しが入った壁がむき出しになっており、ほとんど素舞台に近いような舞台空間が広がっていました。舞台奥には横に可動可能な真っ赤なカーテンや椅子が配置され、舞台最前方には横に可動できる大きなスクリーンが設置されています。このスクリーンは網戸のようになっていて、舞台が透けて見えるようになっていました。照明は黒テントの公演でも使われていた、蛍光灯による間接照明が今回もとてもカッコよかったです。劇場とベストマッチの照明ですね。鴎座のウェッブサイトでは現在、舞台写真が公開されています。ぜひぜひチェックしてください。
全編にわたってダイジェストのような形でシェイクスピアの「ハムレット」を上演し、その間にミュラーが書いた「ハムレットマシーン」が挿入されていきます。場面と場面の間にはアナウンスと字幕、写真などを表示していました。表示された字幕は書籍「演劇都市 ベルリン」の抜粋?9.11や戦争の写真が公開されたのは大胆すぎでは・・・、と思っていましたが、逆に非常に意味しているものが分かりやすくなっていたのは確かです。ちなみに映像も流れており、効果的な仕上がりでしたね。
オープニングでは役者さんたちがパスポートを持って登場し、それを舞台で実際に火をつけ、灰になるまで燃やしてしまいます。それに素舞台に近い舞台に、全身赤の衣装に身を包んだ役者さんたちが映えていました。とってもカッコいい演出だと思います。大胆で自由で開放的で、それが密度の高い空間で行われるんですからドキドキしましたね。それに加えて舞台全体が洗練されているわけですから、佐藤さんの演出はこういった少しばかり前衛的な作品にはピッタリだと思います。
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