作:ハーヴェイ・ファイアステイン 上演台本・演出:鈴木勝秀 オリジナル翻訳:青井陽治 出演:篠井英介、橋本さとし、長谷川博己、奥貫薫、黒田勇樹、木内みどり、エミ・エレオノーラ
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美術:ニール・パテル 音楽:横川理彦 衣裳:前田文子 照明:倉本泰史 音響:井上正弘 ヘアメイク:近藤英雄 演出助手:長町多寿子 舞台監督:徳永泰子 宣伝美術:永瀬祐一 宣伝写真:設楽光徳 宣伝:TSP 製作:山崎浩一 プロデューサー:毛利美咲 主催:TOKYO FM 企画製作:株式会社パルコ料金 チケット:7,500円(全席指定) 学生券(当日指定席引換)4,000円
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2006年11月20日(月)〜12月7日(木)/パルコ劇場/http://www.parco-play.com/web/page/
2003年に30周年を迎えたパルコ劇場の、「新」スタンダードシリーズです。今回の作品は『トーチソングトリロジー』。ブロードウェイでトニー賞を受賞されたり、映画化されたりしている話題作です。パルコ劇場では1986年に上演されて再演もされており、今回は満を持しての再々登場でした。

《全体のあらすじ−WEB「ぴあ」より引用させていただきました−》
ナイトクラブで女装して働くゲイ、アーノルド(篠井英介)。彼はエド(橋本さとし)を愛している。しかしエドは女性とつきあっていて、来週自分の両親に彼女を紹介するのだと言う。自分がバイセクシャルであることも隠している、とも。自分がゲイであることに誇りを持ちたいアーノルド、自分に誇りを持ちたいがためにゲイであることを隠したいエド……。アーノルドとエド、エドと恋人のローレル(奥貫薫)、さらにアーノルドの新しい恋人アラン(奥貫薫)、母親(木内みどり)、アーノルドの養子デヴィッド(黒田勇樹)、いくつかの相手を思うゆえの切ない愛が絡まりあい物語は進む。
「インターナショナル・スタッド」、「子供部屋のフーガ」、「未亡人と子供 最優先」という3つの作品が集まって完成した作品『トーチソングトリロジー』。今回の舞台でも全3幕に分けられています。ほとんど2人同士の対話によって紡がれるスタイルで、ウィットに富んだ大人の会話がポンポン飛び出してくるのが楽しいです。ということで、上演時間は約3時間10分(途中2回の休憩を含む)でした。僕はソワレ(19:00開演)を拝見。開演が遅れたせいか、劇場を出たのは夜の10時半近かく。正直キツイですが、そんな長い時間でも飽きずに観れたのは、きっと面白かった証拠でしょう。
僕の観た回は若い世代の方もちらほら見かけましたが、これはとっても大人向けなお芝居だと思いました。実際にエロティックなシーンもあるのですが、たぶん精神的にR指定って感じです。きっと誰しもが(特に大人の方が)胸にグサッとくるであろう脚本、そして洗練されたハイセンスでスタイリッシュな演出。そこに加えて実際にピアノ引き語りで歌われるトーチソングの数々・・・。なんとも贅沢なひと時でした。役者さんも上手で達者な方が揃っていて、安心して舞台を楽しむことができます。今回観にいけて良かったですが、またちゃんと大人になってから観たいと思える作品でした。
簡単に説明すると“愛”についてのお芝居でした。愛といってもさまざまな形がありますよね。恋愛、家族愛、性愛・・・。この作品はそんなたくさんの愛の形がギュッと凝縮され、いろんな思いが自分の中を駆け巡っていきました。久しぶりにグッと感情移入して舞台を観劇した気がします。愛おしい登場人物たちと、幸せを感じたり、苦しみを感じたり、一緒に舞台上の出来事を共有している気分になりました。こんな観劇体験をさせてくれるなんて素晴らしいと思います。ちょっと心にじんわりと響く痛みを感じて、最後には暖かで優しい眼差しに感動してしまい、涙することになりました。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
《ACT1「インターナショナル・スタッド」アーノルドとエド》
・ナイトクラブで働く、ゲイのアーノルド。“インターナショナル・スタッド”というバーで、エドと知り合い、付き合い始める。しかしエドはバイ・セクシャルで、彼よりも女性の恋人を選んでしまう・・・。
・一幕は舞台後方には目の写真をコラージュしたようなパネルが吊り下げられており、持ち込み式で簡易なセットが運ばれる舞台美術でした。出演者は篠井英介さん演じるアーノルドと、橋本さとしさん演じるエドの二人っきり。ほとんど一人芝居のような場面も多く、演技の上手さが光りました。
《ACT2「子供部屋のフーガ」アーノルドとアラン、エドとローレル》
・今は女性の恋人、ローレルと暮らしているエド。そんな二人が暮らす農場へアーノルドが、若くてハンサムな恋人、アランを連れてやって来た。奇妙に絡み合う4角関係が行き着く先とは・・・。
・第二幕の登場人物は4人。全員での会話は無いに等しく、ほとんどカップルの対話が中心です。
巨大なベットを模した舞台美術の上で展開される赤裸々な会話。内心ドキドキしながらも、時折コミカルに笑いも挿入されていきました。エロティックな場面もあり、目が離せませんでしたね(笑)。
《ACT3「未亡人と子供 最優先」アーノルドと母とそして、デイビッド、エド−》
・アーノルドの母親がフロリダから彼に会いにやって来た。彼はデイビットという男の子を養子に迎えており、そこにエドまで転がり込んでくる。母親と真っ向から対立する彼だったのだが・・・。
・一幕と二幕とは対照的にシンプルながらも、具象性の高い舞台美術が姿を現しました。アーノルドとその母親の不器用で伝えられない思いが切ないです。変に感傷的になりすぎないところが、この脚本の良い部分だと思いました。ラストシーンの切なさをトーチソングがより一層盛り上げます。
★上記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。