出演:伊原農、枝元萌、多根周作、はざまみゆき、大森美紀子(演劇集団キャラメルボックス)、チャン・リーメイ、田中しげ美(愛情爆弾)、黒坂カズシ、鍋谷ナナオ、浅井伸治、竹下ヨシユキ
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作:飯島早苗、鈴木裕美 演出:春芳 舞台監督:井関景太(るうと工房) 照明:豊山ゆうこ(y/s company) 音響:高橋秀雄(Sound Cube) 音響オペ:岡田悠(Sound Cube) 舞台美術:向井登子 衣裳:阿部美千代 衣裳補佐:石垣沙香栄 放言指導:根立久美子 宣伝美術:西山昭彦 スチール:夏生かれん 撮影ヘアメイク:田沢麻利子 webデザイン:古川健司、藪地夏子 制作:竹内佐江(Double-Decker) 全席自由 前売:3300円 当日:3,500円 賛助会員:2300円
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2007年1月6日(土)〜14日(日)/下北沢「劇」小劇場/http://www.hylind.net/
今回が3回目の公演にあたるという、まだ旗揚げ間もない「ハイリンド」。加藤健一事務所が手がけいる俳優教室の卒業生によって立ち上げられた劇団だそうです。第2回公演の評判が良くて見逃したことを後悔していましたので、今回はようやく初見となったしだいで非常に嬉しかったです。

今回ハイリンドがピックアップした「法王庁の避妊法」は、飯島早苗さんと鈴木裕美さんが執筆された作品です。1994年に自転車キンクリートSTOREで初演されてから、何度か上演を重ねている名作とのこと。僕は2003年に行われたホリプロ公演には足を運べなかったものの、テレビ放送された模様を拝見して、すごく感動したのを記憶しています。だから今回の公演はとても楽しみにしていました。下北沢の「劇」小劇場で行われている、ロングラン公演の終盤にギリギリ伺いました。
昭和5年に産婦人科医である荻野久作が発表した学説により、ローマ法王庁が初めて認めた避妊法となった「オギノ式」。女性の排卵日が特定されることによって、望んだ時に子供が出来るようになったり、望まない子供を妊娠しなくてもすむようになる。「法王庁の避妊法」はそんな世紀の大発見となった、オギノ式が誕生するまでを描いた作品です。
やっぱり揺るぎのない素晴らしい戯曲(飯島早苗、鈴木裕美)だと思いました。まず描かれているテーマがすごく重要ですよね。妊娠や出産、人間の生命について。それを深く突き詰めるのに分かりやすく、誰もが共感したり考えるべきことが満載です。例えば子供が出来ないで困っている、逆に子供が出来すぎて困っているなど、いろんな立場におかれる女性が登場して、なおかつ様々な視点が交錯します。だから観客は誰かしらに自分を当てはめて観ることが出来ました。荻野先生を中心とする人間たちの姿は滑稽だけど、すごく愛らしく感じられ、優しさに満ちていると思いました。
「法王庁の避妊法」というタイトルだけ聞くと難しそうなイメージがわきますが、そんなことはありません。コミカルだったり笑える要素がたくさん詰め込まれています。なのに最後には涙がホロリと流れる秀作です。演出(春芳)は奇をてらうわけでもなく、あくまでもオーソドックスな仕上がりでした。戯曲が持っているメッセージをちゃんと伝えていると思います。上演時間は休憩なしの2時間15分弱と若干長めですが、あっという間に感じられました。ぜひ多くの方に観てもらいたいですね。
飯島 早苗著 / 鈴木 裕美著
論創社 (2007.5)
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この作品の舞台となるのは、荻野先生が担当医を務める産婦人科です。下手には待合室があって、中央から上手にかけては診察室が設えてありました。美術(向井登子)はレトロな雰囲気を上手く醸し出しています。舞台が少し張り出していますので、劇場とも良い匙加減でマッチしていました。微妙な照明(豊山ゆうこ)の変化なども、さり気なく舞台を演出しています。ちゃんと衣装(阿部美千代)が場面によって変わったりするのも、なかなか素敵で見応えがあって良かったですね。
役者さんの演技についてですが、最初少し大げさ目な演技が気にかかりました。なんというか、ちょっとわざとらしいというか。でも非常に生き生き演じられているのが分かってからは、ちゃんと楽しめるようになりましたね。特に後半にかけてからが良かった気がしますし、全体的なアンサンブルも上手く出来ていたように思いました。ハイリンドの次回公演は今年の8月にTHEATER/TOPSへ進出されるそうです。今後もぜひ追いかけていきたいと思える集団に出会うことが出来ました。
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