【出演】伊藤弘子、夕沈(少年王者舘)、イワヲ、甲津拓平、小林七緒、里美和彦、平野直美、阪本篤/李周源(韓国) /流山児祥【チケット】前売:3,000円当日:3,500円学生割引:2,000円
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【作】佐藤信【演出】天野天街(少年王者舘)【音楽】荻野清子【美術】水谷雄司【照明】小木曽千倉【音響】島猛、齋藤貴博(ステージオフィス)【振付】夕沈【映像】濱島将裕【舞台監督】井村昂【宣伝美術】アマノテンガイ【制作】流山児★事務所【主催】社団法人日本劇団協議会、社団法人日本劇団協議会、次世代を担う演劇人育成公演 平成18年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
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2007年1月24日(水)〜2月5日(月)/Space早稲田/http://www.ryuzanji.com/
流山児祥さんが主宰をされている演劇集団「流山児★事務所」の最新公演です。劇団黒テントの佐藤信さんの岸田戯曲賞受賞作「浮世混浴鼠小僧次郎吉」が、今回なんと少年王者館の天野天街さんの手によって演出される公演でした。この東京公演後は大阪と名古屋でも上演されます。

佐藤信さんの戯曲は1970年に執筆されたということですので、今から37年も前の作品になるんですね。どうやら60年代後半のアングテイストが色濃く出ている戯曲のようです。でも不思議とぜんぜん古さは感じませんでした。戯曲の変更は極力なかったようですが、天野天街ワールドにすっかり染まりきっていたからでしょう。とにかく歌あり・踊りあり・殺陣ありのエンターテイメント性も高く、独創的で確立された天野ワールドはしっかりと健在しているのです。しかし「作品をちゃんと理解しているか」と聞かれると言葉に詰まってしまうものの、僕はとっても楽しくて面白くて、最後まで惹きこまれて拝見することが出来ました。
ストーリーはちゃんと存在していますが、僕にとっては在って無いようなものでした。とにかく難解というか分かりづらい内容でしたね。登場人物は男女合わせて10人で、独白もあれば対話もあります。脈略がないように思える場面がめまぐるしく展開していきました。しかし例えばパズルのピースが嵌っていくように、それらの場面の全体像が徐々に浮かび上がるような面白さがありました。それに観客ひとりひとりに解釈が託されているような感じもしましたね。アフタートークでの流山児さんによると、「3回観れば分かります。野田秀樹に似てる。」と仰ってました。
戯曲の魅力もしっかりと受け止めることが出来たものの、やっぱり特筆すべきは演出ではないでしょうか。とにかく僕は天野さんの世界観に惚れています。あの奇想天外で独特のテンポを刻む演出、一度観たら忘れられないシーンの連続。ハッと驚いたりドキドキワクワクして、“次はいったい何が起こるのだろう?”という期待で胸がいっぱいになります。好みが分かれてしまう可能性はありますが、この世界観を体感しないのは勿体無いとも思いました。しかも今回は劇場がかなり小さいので、更に濃密で贅沢な気がします。1時間30分弱という上演時間も清々しくて印象に残りました。
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現在東京公演が行われている「Space早稲田」は流山児★事務所の本拠地。各回限定70名という非常に小さな劇場なので、とにかく舞台と客席の間がとっても近い!!凄まじい臨場感が魅力的でした。そんな空間に建て込まれていたのは、どこか寂れた雰囲気が漂う“銭湯”のセット。舞台奥には富士山の背景画が描かれており、床や壁にはタイルが張ってあってリアリティがあります。そんなセットの中で繰り広げられるのは、奇想天外極まりない“鼠小僧次郎吉”の物語でした。
演劇だからこそ実現できるような、さまざまな演出を見せて頂けました。天野さんの作品で多用される映像(濱島将裕)が今回も特筆物でしたね。主に舞台全体に映写されるのですが、役者さんや装置と重なり合う瞬間があって、それはそれは鳥肌が立ちました。なんてパワフル極まりなく、なんて完成度が高いんだろう。そして小さな舞台上でダイナミックに踊られる、夕沈さん振付のダンスも独創的でその様子は圧巻の一言。たくさんの場面がどれも魅力的で、見逃せませんでした。
アフタートークでも話題になっていましたが、“無意味なテンポの良さ”が見所でしょう。息つく暇なくパッと場面が変わったり、同じ場面を何度もリピートしたり・・・。もう頭の中がごちゃごちゃになって混乱するのですが、その混乱がとても快感に思えてくるのが天野作品の醍醐味だと思います。役者さんは達者な方が揃っていて、自分の魅力をしっかり引き出しているんですね。そして主宰でもある流山児祥さんのエンターテイナーぶりは圧倒でした。やんちゃで自由でカッコよかったなー。
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