「飛ぶ劇場/東京国際芸術祭2007参加『正しい街』」
出演:有門正太郎、内山ナオミ、寺田剛史、門司智美、藤尾加代子、鵜飼秋子、内田ゆみ、木村健二、権藤昌弘、宗像秀幸、葉山太司、加賀田浩二、大畑佳子、宗真樹子(劇団きらら)
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作・演出:泊篤志 舞台監督:有門正太郎 照明:乳原一美 音響:杉山聡 衣裳:内山ナオミ(工房MOMO) 音楽:泊達夫 web:中安翌、藤原達郎 宣伝美術:トミタユキコ(ec ADHOC) 制作:北村功治、鶴元ふみ 日時指定・全席自由 一般:3000円 学生:2000円
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2007年2月10日(土)〜11日(日)/にしすがも創造舎/http://www.tobugeki.com/
泊篤志さんが作・演出を手がけられている「飛ぶ劇場」の最新公演です。福岡県北九州市を拠点に活動している劇団で、僕はなかなか観る機会に恵まれず今回が初見となりました。それにしても東京公演が2日間2ステージのみ、なのは少なすぎですね。ちなみに学生券2000円で観劇。

≪あらすじ−WEB「飛ぶ劇場」より引用させていただき役者名を追加−≫
正しくあろうとした人々が居た。それは難しい事だった。モラルが崩壊し、宗教や法律も無力だった。「地図を作りに来た」という女(宗真樹子・劇団きらら)が現れる。警鐘を鳴らしに来たのか、破壊しに来たのか、救済に来たのか・・・。
ある宗教団体が暮らしている閉鎖的な集落が舞台になっており、そこに外部の人間が現ることでその集落に変化が生まれてしまいます。個人的にこういった類のお話が好きというのもあるのですが、終盤まではいろいろと面白く拝見することが出来ました。でも最後まで観て思ったのですが、どうもすべてが自分の想像の範囲内に収まってしまっていて、いまひとつ心にまで響いてくることがありませんでした。ちょっと全体的に予定調和すぎたのが原因かもしれません。特徴的な演出などもいろいろと印象に残りましたが、やはりもう少し踏み込んだ何かが欲しかったですね。でも全体的な完成度も高めに仕上がっている作品だと思いましたし、もちろん観に行って損はなかったです。上演時間は2時間15分弱と少し長めでした。
劇場内に入場すると舞台を2方向から挟む、対面式の客席が出迎えてくれました。細長くて白めの木材で作られた舞台は、まるでファッションショーのステージのよう。中央に白い棺桶が置かれてあるだけの、非常にシンプルで抽象的かつ開放的な舞台美術です。出番がないときの役者さんは、そんな舞台の周りで常に待機していました。そして説明的な台詞やト書きを喋ったり、舞台の展開に相槌をおくったりする面白い趣向も挿入されています。今回の公演会場となったにしすがも創造舎は、廃校になった体育館を利用した空間なので、今作ともなかなかマッチしていましたね。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
舞台となるのは飯根戸(めしねど)という小さな集落。キリスト教を信仰する「飯根戸サンジョアン会」は、下界と隔絶された山奥で小さな町をつくり不法占拠していた。しかし町に災いが起こり始めるのですが、それは「パライソ(天国?)に行くための試練」と預言者は言います。そしてそんなある日のこと、下界から「この町の地図を作りに来た」という女性が現れました。ここから徐々に町の生活が破壊が始まっていきます。この下界から来た女を出演者の中でただ一人の客演・宗真樹子(劇団きらら)さんが演じられていたのが、この作品により良い効果をもたらしていたと思いました。
信者たちは堅実さを一見すると装っているのですが、実のところ売春や殺人などのタブーを平気で犯しています。彼らはそれを見て見ぬふりをし生活を続けていたのでした。そしてこの町に住む者たちの大半が、下界で犯罪などを犯した者などの社会で適応しづらくなった人たちだということが、進行する会話から徐々に明らかになっていきます。そんな彼らでも神を信じ新興し、まだ見ぬ「パライソ」に行こうと準備を進めていたのでした。そして結果的に町は破壊するという結末に至ります。
彼らの生活を通して現代社会の普遍的な問題などが浮かび上がってくるのですが、だからこそその先にもう一歩踏み込んだものを見せて欲しかったですね。それにこういう設定から新たに物語を発展させるのは、意外と困難なことかもしれないとも思いました。面白いと感じた点が多かっただけに、少し残念に感じて劇場を後にしました。でも飛ぶ劇場の貴重な東京公演に足を運べて良かったです。また違う作品を観てみたいと思えましたので、ぜひ次回の東京公演を期待したいです。
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