「パルコ『フールフォアラブ−fool for love−』」
出演:香川照之、寺島しのぶ、甲本雅裕、大谷亮介 大阪公演:2月27日(日)〜3月1日(金)
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作:サム・シェパード 演出:行定勲 訳:伊藤美代子 美術:二村周作 衣裳:前田文子 照明:佐藤啓 音響:長野朋美 演出助手:長町多寿子 舞台監督:小林清隆 宣伝:TSP プロデューサー:毛利美咲 製作:山崎浩一 企画・製作:(株)パルコ 一般前売:7,500円 学生券(当日引換):4,000円 プレビュー公演:2月4日(日)〜5日(月) 5,000円 未就学児入場不可
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2007年2月7日(水)〜25日(火)/パルコ劇場/http://www.parco-play.com/web/page/
パルコ劇場「新」スタンダードシリーズの第5弾は、映画監督の行定勲さんが舞台演出に初挑戦。行定さんは「世界の中心で、愛をさけぶ」や「北の零年」で知られていますよね。今回演出されたのはサム・シェパード作「フールフォアラブ」。1983年に初演後、1985年には映画化されています。

≪あらすじ−WEB「パルコ劇場」より引用させていただきました−≫
舞台はニューメキシコのモハベ砂漠にポツリと建つ、さびれたモーテル。部屋の中には、この部屋の住人のメイ(寺島しのぶ)、彼女にはるばる会いに来たエディ(香川照之)、そして老人(大谷亮介)。かつて深く愛し合っていたエディとメイ。しかし、それは過去のもの。再びメイを求めようとするエディ。しかしそれを激しく拒むメイ。二人がもみ合っているところへ、メイが誰かに襲われていると勘違いしたボーイフレンドのマーティン(甲本雅裕)が飛び込んできて、エディを羽交い絞めにする。メイが襲われていたわけではないと分かったマーティンはエディを放し、一緒に酒を飲み始めるが、エディはマーティンに、「本当は俺たちは母親違いの兄妹だ」という話を始める。自分たちは恋に落ちたあとに、その事実を知ったが、二人とも求め合ってしまうのだと・・・。エディは二人の生い立ちと自分たちの母親たち、そして父親について語り始める・・・。二人のやりとりを始終傍観者のごとく聞いている一人の老人。この老人の存在は・・・。
寂れたモーテルの一室というワンシチュエーションで展開される、実力派の俳優さん4人による会話劇です。物語が進むにつれメイとエディの過去、そして老人の真相が明らかになっていく構造なんですね。僕はあまり良い評判を耳にしないまま、劇場へと足を運びました。ですので見終わった直後の感想は、思っていたよりも楽しめたかな・・・という印象でした。でもかと言って満足のいく舞台だったかというと、残念ながらそうではありませんでしたね。なんだか兄弟であるがゆえの苦悩や、ただただ感情的になって行動する登場人物、そして展開の強引さばかりが目立ってしまっていたと思います。もっとそれを帳消しにして超えてくれるような、深さや力が必要ではないでしょうか。
ただ4人の役者さんたちは、やはり実力派の方たちばかりですね。それぞれの持ち味を生かしており、とても上手だったことには安心できました。紅一点の寺島しのぶさんはとってもキレイで演技も上手ですし、相手役の香山昭之さんは渋くて計算高い演技が印象的。そしてキーパソンとなる老人役の大谷亮介さんの重厚な存在感に圧倒され、メイの男友達・マーティン役の甲本雅裕さんの優しいコミカルなキャラクターは、殺伐としたこの作品のなかで唯一の心のよりどころでした(笑)。
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舞台美術(二村周作)については、寂れたモーテルの一室が具象的に作られています。お世辞にもキレイとは言えないような汚れた壁、部屋の中央にはベット、上手にはテーブルと椅子が数脚あるだけの閑散とした部屋。あとはブラインドカーテンがかかった窓や、洗面所と外へ出る二つのドアがあるぐらいでしょうか。そして舞台奥の上部にはモーテルやプールバーのネオン看板が光り、屋外の背景が照明でたびたび浮かび上がるのが効果的でした。あとは窓から車のヘッドライトや炎の光りがもれたりするのは迫力がありましたね。特に舞台上には登場はしないものの、キーパソンの伯爵夫人が、ピストルを撃ってドアに数発の穴をあけるシーンが非常に印象に残っています。
演出は奇をてらわずにオーソドックスに仕上げている感じなんでしょうね。奇抜だったのはドアが閉まるときの音量が、爆音のように響き渡るぐらいでしょうか。それでもパルコ劇場で4人のみの会話劇ですので、もう少し物語を象徴するような、大胆な演出があっても良かった気もしました。僕はどうしても途中で退屈してしまい、うつらうつらと睡魔に襲われそうになってしまって・・・。上演時間が1時間25分弱という短時間だったのは嬉しかったですが、7,500円(僕は学生券で4,000円)は少し高いと感じてしまいました。まだまだ更に可能性が広がるであろう作品だと思いました。
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