作:ジャン・アヌイ 翻訳:岩切正一郎 演出:蜷川幸雄 出演:松たか子、橋本さとし、山崎一、磯部勉、小島聖、月影瞳、二瓶鮫一、塾一久、久富惟晴、稲葉良子、阪上和子、横田栄司、妹尾正文、堀文明、品川徹、壤晴彦、益岡徹、さいたまゴールドシアターの方々、他
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一般発売:2006月11日26日(日) S席:¥9,000 A席:¥7,500 コクーンシート:¥5,000 中2階立ち見券:¥3,500 2階立ち見券:¥3,000 主催・企画・制作:Bunkamura
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2007年2月7日(水)〜28日(水)/シアターコクーン/http://www.bunkamura.co.jp/
女優の松たか子さんが“ジャンヌ・ダルク”を演じる!・・・ということで話題になっている「ひばり」。ようやく公演終盤になって観に行けました。劇作家であるジャン・アヌイの最高傑作と称される今作を、岩切正一郎さんが翻訳。そして蜷川幸雄さんが演出を手がけるBunkamura主催公演でした。

≪ものがたり−WEB「Bunkamura」より引用させていただき、役名追加−≫
百年戦争と呼ばれた長い戦争終結の糸口をつくり、祖国を救った19歳の少女が裁判にかけられている。何の専門知識も経験もないまま17歳で軍隊の先頭に立ってイギリスと戦い、連戦連勝を収めた戦歴、13歳の頃から何度も聞いた「フランスを救え」という神の啓示、それに伴って彼女が起こした奇跡。それらすべてが、イギリスとフランス、政治と宗教、大人達の虚栄心と欲望によってかき消されようとしていた。法廷で自らの半生を演じさせられている男装の少女の名は、ジャンヌ・ダルク(松たか子)ー。
ジャンヌ・ダルクが主人公の舞台と聞くと、例えばリュック・ベッソン監督の映画や、壮大なスペクタクルを想像するかもしれません。しかしこの舞台は違います。異端者として裁判にかけられているジャンヌが、自らの半生を法廷で実際に再現する形の裁判劇でした。上演時間は15分間の休憩を含める3時間30分弱、言葉の洪水がとめどなく流れてきます。いつしか観客である自分も裁判の傍聴者になったような気分になっており、一つ一つの台詞を理解するためには集中力が必要でしたが、最後までしっかりと見届けることが出来ました。僕が今まで観た蜷川さんの演出作品は奇抜で大胆な要素が強かったですが、今回は比較的オーソドックスに仕上げてあり、奇をてらわない形だったと思います。役者さんも上手な方が多かったため、最後まで集中して観ていられました。
ジャンヌがかけられているのは現代の裁判とは違い、キリスト教の教義や見解に基づいて行われる宗教裁判です。僧侶たちはあの手この手を使ってジャンヌを尋問していき、その様子を観ていて、胸が強く締め付けられている気がしました。そしてこの舞台は松たか子さんのためにある!と言っても過言ではないほど、主役のジャンヌは独白も長台詞も多く出ずっぱりで、まさに松さんの独壇場といった印象をうけます。髪を短く切って白い服を着た少年のような松さんは、キレイな目でハッキリと美しく言葉を発していました。こんなハードな舞台を毎日(2ステージの日もある!)やっていらっしゃるなんて本当に凄いと思います。拷問のような問い詰めが繰り返される中でも、心に響く台詞がたくさん散りばめられており、それが酷な裁判の場面を観ている中での唯一の救いでした。
今回は中2階から立ち見(3,500円)で拝見しました。さすがに3時間半の上演時間は体に辛く、足がガクガクになって非常に酷な観劇状況でした。でも非常に見ごたえのある興味深い作品でしたので、立ち見でも観に行くことが出来て良かったです。僕の拝見した日は当日券にも長い列が出来ており、2階まで立ち見客(3,000円)が出ている盛況ぶりでした。終演後にはカーテンコールが何度も行われていて、最後にはスタンディングされているお客さんも大勢いらっしゃいました。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
灰色の重厚な壁や床に囲まれた法廷が舞台です。舞台中央に位置する四角いステージを取り囲むように3方向に傍聴席があり、出演者は出番がない時もそこに座って舞台を見つめます。中央の壁には大きな十字架があり、上手と下手にはジャンヌの肖像画が描かれていました。ほぼ照明のみで場面転換をしますが、そこまで大きな変化もなく、役者さんの実力にかかった舞台だと思います。特に無数の白いライトを床から天井に向かって照らし、牢屋を巧みに表現していたのが効果的でした。あと王宮のシーンで舞台頭上から現れる、蝋燭のシャンデリアが豪華で良かったですね。
どこかリラックスムードのなかで出演者がひとり、またひとりと舞台に入場してくるオープニング。衣装を着用していたり、小道具の準備をしたり・・・。開演前の一時が流れます。そしてハッと気がつくと舞台は始まっていました。緊迫した空気が流れるなかでジャンヌに向かって尋問が繰り返され、司教コーションの言葉に従って、ジャンヌは自らの短い半生を法廷で演じていきます。ジャンヌが神の声を聞くところから、火あぶりの刑になるところまで。ほぼすべてが役者さんの演技と、圧倒的な量の台詞によって作り出されていきます。物語自体は宗教裁判が舞台のジャンヌ・ダルクが主人公の舞台ですが、ちゃんと今も昔も変わらない人間の普遍的な要素は確かにあったと思います。
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