作:マヌエル・プイグ 訳・演出:木内宏昌 出演:安奈淳(患者役)、毬谷友子(付添婦役)
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美術:朝倉摂 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 衣裳:原まさみ ヘア&メイクアップ:鎌田直樹 舞台監督:赤羽宏郎、浅香哲哉 一般発売:1月27日(土) 一般:6,300円 学生:3,150円
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2007年2月17日(土)〜3月2日(金)/ベニサン・ピット/http://www.tpt.co.jp/
個人的には久々となるTPT(シアター・プロジェクト・東京)の最新公演。TPTのレパートリーとして上演され続けている『薔薇の花束の秘密』を、青空美人の木内宏昌さんが新訳・新演出されます。マヌエル・プイグによる女優の2人芝居で、今回は安奈淳さんと毬谷友子さんが出演されました。

≪あらすじ−パンフレットより引用させていただきました−≫
金持ち相手の病院の個室。14ヶ月前に最愛の孫を亡くした裕福な女性(安奈淳)が入院している。その付添婦として雇われた女(毬谷友子)もまた同じ時期に母を亡くしていた。はじめは付添婦を寄せつけない患者が、すこしずつ心の距離を縮めていく。 やがてふたりのあいだには親密な情が生まれるのだが、2週間目、患者は付添婦が隠していたある嘘を知ることになる。裏切られたという想いが、それまでの愛情を憎しみへと変えていく。そして患者はある復讐を思いつく。
観ようか観まいか迷っていたら「すごく良い!」という言う噂をたくさん聞いて、期待を胸にして森下のベニサン・ピットまで足を運んできました。とにかく安奈淳さんと毬谷友子さんという、二人の女優さんが本当に素晴らしかったです。作品自体もすっごく面白かったためグイグイ惹きこまれて、最後には感動の涙を流さずにいられませんでした。安奈さんと毬谷さんの魅力を存分に堪能して、劇場を後にするころには、すっかりとお二人のファンになっていました。勝手な予想ですがTPTのレパートリー作品ですので、また上演されることがあるのではないでしょうか。というか、上演があることを切に願っています。もしまた上演される機会があるならば、ぜひ足を運んでいただきたいものです。
裕福な人を対象とした病院の個室、そこで繰り広げられる患者と付添婦の絶妙な駆け引き・・・。演技派の女優さん2人による、いろんな意味でとても贅沢なお芝居でした。付添婦が実は嘘をついているようで、そこで生じてしまう裏切り。その会話はとてもスリリングなゲームのようで、静かな会話劇ですが、すごく興奮を覚えました。そして2人の過去・妄想・夢などがフラッシュバックするように、舞台上で実際に展開されていくために、この作品はよりいっそう深みを極めます。上演時間は15分間の休憩を含める、2時間20分弱です。2人芝居で一般6,300円(学生は3,150円)は、ちょっと高めな気がしていました。でも実際に観劇してみて、この完成度なら納得というものです。
2人芝居ですが台詞量はけっこう多いものの、なにしろユーモアとウィットに富んでいます。なおかつ皮肉な切なさをからめながらも、結局のところ優しくて愛しくてたまらないお話なのでした。2人の女優さんは妄想や夢に登場する人物まで演じ、1人で何役も演じ分けていくのが見せ場の1つでした。病室という限られた空間から、世界がどんどん広がっていきます。もちろん脚本や演出も素晴らしいというのは、よくよく実感しました。でもいちばん驚いたのはたった2人の役者さんによって、こんなにも濃密な空間が立ちがあるんだな・・・ということでしょうか。美術・照明・衣装などのスタッフワークも抜群にさえている作品でして、いろんな意味で魅せられつづけた作品だったと思いました。
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自由に客席が組めるベニサン・ピットですが、今回の作品では通常の劇場と同じ形式、いわゆるプロセニアム形式を採用しています。舞台(朝倉摂)は純白に統一された、気品漂う病室でした。クローゼット、ベット、テーブルとイスが2脚、ブラインドカーテン、ドア・・・なにからなにまで真っ白です。だからこそ照明(笠原俊幸)が大活躍していました。真っ白い空間が照明の色使いひとつで、さまざまな顔をのぞかせてくれます。それはそれは非常に魅力的で、美しく優雅な空間が広がっていました。ちなみに2000年に上演された際は、劇場全体が真っ白に統一されていたようですね。
患者と付添婦の衣装(原まさみ)は、美術同様に真っ白に統一されています。しかし違う人物を演じるときは普通に色のついた、コートや帽子をかぶられていました。きっと計算されているであろう、美しさにため息が出ました。そして特に今回僕は毬谷さんに心を奪われましたね。演じ分けが本当に見事の一言で、どこか魅惑的な存在でもありました。印象に残った演出は幻想と現実をわけるときに、ブラインドや照明によってサッと場面が変わるところ。ラストシーンでは舞台正面の壁が左右に開いていき、真っ赤に染まったバラ園が姿を現したの圧倒の様子でして、とても印象的でした。
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