【キャスト】松位浩、アニヤ・カンペ、エンドリック・ヴォトリッヒ、竹本節子、高橋淳、ユハ・ウーシタロ、ほか【主催】新国立劇場【チケット】21,000円〜1,500円【一般発売】06年12月3日(日)
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【台本・作曲】リヒャルト・ワーグナー【指揮】ミヒャエル・ボーダー【演出】マティアス・フォン・シュテークマン【美術】堀尾幸男【衣裳】ひびのこづえ【照明】磯野睦【舞台監督】菅原多敢弘【合唱指揮】三澤洋史【合唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京交響楽団【協力】日本ワーグナー協会
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07年2月25日(日)〜3月10日(土)/新国立劇場・オペラ劇場/http://www.nntt.jac.go.jp/
ワーグナーの傑作オペラ『さまよえるオランダ人』を、新国立劇場が新しいプロダクションで上演します。ミヒャエル・ボーダーさんが指揮され、マティアス・フォン・シュテークマンさんが演出。僕はいつものように「アカデミックプラン」を利用して、鑑賞してきました(S席:21,000円→5,000円)。

ワーグナーが「個性的な語法を確立した」と言われている、本作品『さまよえるオランダ人』。1843年に初演された、全3幕構成のドイツ語作品です。上演時間は25分間の休憩を含める、3時間弱という長丁場。もともとはドイツの詩人であるハインリッヒ・ハイネの作品に、ワーグナーが着想を得て再構成して完成した作品のようです。このオペラを上演されるときは、演出に大きな注目が集まります。それは何故かというと、最後に救済はあるのか、若しくはないのか。そして音楽は救済をイメージさせるバージョンか、はたまたイメージさせないバージョンなのか。この2通りのどちらかを採用するかが、今作の演出に対する大きな注目点のようです。救済の「ない」バージョンでは、オーケストラによる大胆で荒々しい旋律による終幕。いっぽう救済が「ある」バージョンでは、ハープとヴァイオリンの演奏で穏やかに終幕するのが特徴です。ちなみに指揮者・演出家・芸術監督による本作品の、
「オペラトーク」の模様が公式サイトに掲載されています。とても興味深い内容なので、ご参考までにぜひ。ちなみに
舞台写真も掲載中です。
≪あらすじ−WEB「新国立劇場」より引用させていただき、歌手名を追加しました−≫
貞節を捧げる女性が現れるまで永遠に海をさまよい続けなければならない、悪魔の呪いを受けたオランダ人船長(ユハ・ウーシタロ)が乗る幽霊船が港に錨をおろす。7年に1度だけ許されている、上陸の機会に、オランダ人船長はダーラント(松位浩)の娘、ゼンタ(アニヤ・カンペ)と出会う。宿命的な出会いを感じたゼンタは、彼女を愛するエリック(エンドリック・ヴォトリッヒ)の求愛をも振り切り、船に戻るオランダ人の後を追って海中に身を投じる。ゼンタの永遠の愛によって呪縛が解けた幽霊船は轟音とともに沈み、オランダ人とゼンタの魂は救いを得るのだった。
僕はオペラや音楽に関しては詳しくないのでよくわかりませんが、オペラ歌手の皆さんの歌唱力に強く感動し、そして圧倒されました。東京交響楽団によるオーケストラの演奏も、力強く自分の胸に届いてきます。新国立劇場合唱団による合唱も非常に迫力があり、特に男性群の歌唱力には目を見張るものがありました。ドラマティックでなかなか耳から離れない、壮大なワーグナーの音楽を思う存分に堪能できる、とても素晴らしいプロダクションだったと思います。この結果がカーテンコールでブラボーが連呼され、大きく力強い拍手に集約されていた気がしました。観て良かったです。
マティアス・フォン・シュテークマンさんによる演出を拝見するのは、こどものためのオペラ劇場「ジークフリートの冒険」に続き2回目です。全体的に奇をてらったりすることはなくて、あくまでもオーソドックスに仕上げている印象をうけました。でも全体的に凡庸で平板な気がしてしまい、物足りない感覚があったのは確かな事実です。特に1幕は惹きこまれづらくて観るのに苦戦しましたが、2幕からはゼンダが登場したせいか1幕以上に楽しめました。個人的にはオーソドックスな演出が嫌いなわけではないですが、なにかしら個性や独自性が光っていないとやはり退屈してしまうのです。
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ワーグナーの音楽には、やはり揺るがない力を持っていることを実感しました。荒唐無稽な印象を持つストーリーを払拭させるかのように、壮大なスペクタクルが存在していると思います。そして今作の注目点である救済があるかないかの場面では、「救済される」バージョンの音楽が使用されていました。穏やかで美しい旋律が耳に残ります。しかし演出ではゼンダがオランダ人の身代わりとなって海に沈み、舞台にはオランダ人ただ1人がうつ伏せに倒れている・・・というエンディング。オランダ人は確かに海をさまよう運命からは救済されましたが、身代わりとなって海に沈んでいたゼンダは・・・。やはり純粋に救済されたとは思えませんし、率直に喜べるハッピーエンドでもありませんよね。どこか少しばかり心がもやもやとするような、わだかまりをもちながら終演に至りました。
指揮者をはじめ演出や芸術監督は外国の方ですが、スタッフは日本人の方が手がけられています。堀尾幸男さんの舞台美術は、船やゼンダの家を抽象的に表現します。照明によって真っ赤に照らされた船の帆が大胆に稼動して、数奇な運命を辿っているオランダ人の船を演出していました。2幕のゼンダの住む家のシーンでは家を模したセットが、大胆に天井から降りてくるのは迫力があります。この家のセットは素朴なウッドテイストで印象に残りましたし、エンディングでオランダ人の船とゼンダが海に沈むシーンは圧倒されました。ひびのこづえさんの衣装は物語背景を配慮しながらも、ひびのさん独特の個性が光っていたと思いました。ライン入りの水夫の衣装が素敵。
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