「KUDAN Project『美藝公(びげいこう)』」
【原作】筒井康隆【脚本・演出】天野天街 (少年王者舘)【出演】小熊ヒデジ(てんぷくプロ)、寺十吾(tumazuki no ishi)【チケット】前売:3,400円、当日:3,800円、高校生以下:2,800円
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【美術】田岡一遠 【照明】小木曽千倉 【音響】戸崎数子 細川ひろめ 【映像】浜嶋将裕 【美術製作】小森祐美加、中村公彦、羽柴英明、枝松千尋 【衣装】田村英子 【振付け】夕沈 【音楽】珠水 【舞台監督】井村昂 【制作】山崎のりあき、加藤智宏、山本麦子、小熊秀司
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2007年3月16日(金)〜21日(水・祝)/ザ・スズナリ/http://www.officek.jp/kudan/
『くだんの件』『真夜中の弥次さん喜多さん』に続いて創作される、KUDAN Projectによる二人芝居の第3弾です。少年王者舘の天野天街さんが脚本・演出を手がけられ、出演は小熊ヒデジさんと寺十吾さんでした。シリーズの最終作とも噂される今作は、今後海外ツアーも控えているとか。

≪作品紹介−WEB「KUDAN Project」より引用させていただきました−≫
映画立国を舞台とした筒井康隆氏による原作小説『美藝公』は、画家・横尾忠則氏とのコラボレーションにより1981年に豪華本として出版されました。文学界と芸術界の大きな才能による合作は発売と同時に大きな話題を呼ぶとともに、高い評価を得ました。・・・・・・映画産業はわが国最大の産業であり、その頂点に立つ≪美藝公≫。彼の一挙手一投足は全国民の注目の的。あらゆる政府の政策はすべて“映画”と歩調を合わせて進行する・・・・・・。華やかな映画界のスタア達の赤裸々な姿を描きながら、奇跡のような至福の時と辛辣な現実批判を炙り出す同小説を、誰もが予測し得なかった二人芝居としてKUDAN Projectは上演いたします。
筒井康隆さんによる異色長編活動大写真小説『美藝公(びげいこう)』を、天野天街さんが満を持しての舞台化に挑戦する!しかも二人芝居で!ということで天野作品ファンの僕としては、期待が高まるいっぽうでした。でもどうやら筒井さんの原作とはだいぶかけ離れた内容のようですので、原作小説を読んでいなくても全然問題ないと思います。架空の存在である映画立国である「日本」を舞台に展開する作品で、その社会の頂点に立つ日本一の映画俳優が「美藝公」と呼ばれます。しかしその名を欲しいままにした矢島(小熊ヒデジ)は、炭鉱でダイナマイトを爆発させ、人命救出劇を自作自演してしまいます。そのことが外部にバレてしまったため、仕事仲間の脚本家である北山(寺十吾)と共に、演劇業界へとやって来たのでした。「演劇に落ちぶれた!映画に戻りたい!」と嘆く2人は、いつしか演劇の世界へと入り込んで行くのでしたが・・・というのが大体の大筋です。
やはり何度も天野さんの演出作品を拝見していると、初めて天野作品に触れたときのような衝撃は薄れてきますが、それでもやっぱり「面白い!」と心から思える感覚は確かに存在しています。まるでイリュージョンやマジックのような演出が無数に散りばめられ、練りに練られた会話と構成によって、観るものを現実世界ではない異世界へと誘ってくれました。役者さんの演技と映像の巧みなコラボレーションをはじめ、次々と展開される仕掛けの数々はビックリ仰天かつ圧倒的です。まだ天野さんの劇世界を体感したことがない方は、ぜひぜひ劇場へ足を運んでみてください。きっと今まで出会ったことのない「演劇」に触れることが出来ると思います。上演時間はしめて1時間40分のお芝居だったのですが、絶妙なテンポの良さのせいか、あっという間に過ぎ去っていきました。
筒井 康隆作 / 横尾 忠則画
ミリオン出版 (1995.11)
この本は現在お取り扱いできません。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
入れ子になっている多重構造をとった作品で、物語を全部ちゃんと把握するのは難しい気がしました。それよりもとにかく観て何かを感じることが重要だと思います。観客が普段触れている演劇や映画の世界、そして物語の中に存在する演劇や映画の世界・・・。頭の中が錯乱するような感覚に陥る、重層的な作品に僕はもう虜です。2人芝居なので台詞の量も多いのですが、内容は言葉遊びがされていたり、耳を澄ませて聞いているとすごく面白いんですよね。今作では思った以上に可笑しさやユーモアが散りばめられていて、それがよく「笑い」へと変化していました。ワクワクドキドキな気分で舞台を眺めつつ、いろいろ笑って、感じて、思考して・・・すごく楽しい観劇体験でした。
舞台美術(田岡一遠)は黒幕に覆われた何も無い素舞台が現れたり、三方向に設置された障子と卓袱台が中心の和室に変化したり・・・さまざまな顔を覗かせてくれます。さて、天野さんの作品といえば、やはり映像(嶋将裕、一色矢映子)が大きな目玉だと思います。今回も然り・・・!でした。例えば舞台全体に映し出されたり、障子や紙などにピンポイントで映写されたり。やはり役者さんの演技と映像が融合し、そして空間がさまざまな形態に変貌するのは、やはり大きな見所だと思いました。細部まで計算されて作りこまれたステージは、とにかく圧巻の一言に尽きるでしょう。やはり名古屋公演を経ての東京公演のせいか、完成度の面でも非常に高いものを観られました。
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