出演:大竹直(青年団)、後藤飛鳥、志賀廣太郎(青年団)、端田新菜(青年団)、兵藤公美(青年団)、望月志津子、山本由佳(むっちりみえっぱり)、黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)/前田司郎 ※ダブルキャスト≪3/15〜3/19前田司郎出演、3/20〜3/25は黒田大輔出演≫
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作・演出:前田司郎 照明:岩城保 宣伝美術:藤原未央子 制作:榎戸源胤、尾原綾 主催:五反田団 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 予約・当日:1,500円 ※日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付 ※未就学児入場不可 チケット発売日:2007年2月15日(木)
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2007年3月15日(木)〜25日(日)/こまばアゴラ劇場/http://www.komaba-agora.com/
前田司郎さんが作・演出を手がけている、「五反田団」の最新公演を観に行ってきました。今回は2004年に上演されて話題を呼んだ、『いやむしろわすれて草』の望まれていた再演です。岸田國士戯曲賞の最終選考にも残った作品ということで、期待を胸にしつつアゴラ劇場へと向かいました。

五反田団は1997年に旗揚げされました。今や非常に注目を集める話題の劇団の1つで、今回の出演者も小劇場的豪華キャストが揃っていると思います。なのに価格はいつになっても、前売・当日共に1,500円!こんなにも面白い完成度の高いお芝居が、こんな価格で観れるなんて・・・、と少しばかり衝撃さえ受けてしまいます。チラシは手書きな仕上がりですし、いつものように舞台美術や照明も必要最小限。良い意味ですごくチープな印象を持つ五反田団ですが、それを自身のオリジナリティとして確立しています。上演時間は1時間20分弱ノンストップでした。
≪作品紹介・あらすじ−WEB「五反田団」より引用させていただき、役名を追加しました−≫
先日、五反田のボーリングセンターがなくなりました。 そこは子供の頃家族でたまに行った思い出の場所だったりします。 人は変わるのを恐れるくせに進歩したり成長したがったりしますが、結局、行き着く先は死んじゃうことです。 全くよくわからない。 死ぬことをわすれていないと生きていけない。 この話の主人公は常に自分が死ぬ存在であることを自覚しながら生きています。 不幸なのか、なんなのか。 お話は八百屋の四姉妹(兵藤公美、望月志津子、端田新菜、後藤飛鳥)の物語です。 母は大分昔に蒸発した。 三女はずっと病気。 別に強くも正しくもない、そこら辺にいるような四人はそれなりに不幸にそれなりに幸福に生きていく。 それだけの物語です。
僕が今までに拝見した2本の五反田団作品は(
「ふたりいる景色」、
「さようなら僕の小さな名声」)、どちらも突飛な設定だったように思い出します。例えば岸田戯曲賞を2つ受賞したり、彼女が蛇に飲み込まれたり、即身仏になろうとする男の話だったり・・・。でも今回の作品はそんな作品類とは一線を隠すような、個人的には五反田団の新たな一面を観た気がしました。独特の雰囲気はもちろん顕在しているものの、まず幅広い観客層が楽しめそうな作品だと思います。あるごく平凡な一家のごく平凡な日常・・・、今までのようなナンセンスさはありませんでした。でも噂に違わぬ、とても良いお芝居でした。きめ細かいぐらいに繊細なのに、すごく愛おしく感じられて、なのにとても胸が苦しくなり、どこか居たたまれない心持に苛まれました。やはり五反田団は見逃せない!
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
こまばアゴラ劇場のキャットウォークや黒壁が露出した、ほとんどなにもない殺風景な素舞台が広がっています。舞台上の中央には病院で使用されるような白パイプのベット、その横にサイドテーブルがあり、イスが2脚あるだけの空間。最初から最後まで、変化はありません。そこが病院の個室になったり、自宅の一室に変化したり・・・。その場面転換もただ役者さんが移動するだけで、良い意味でまったく説明的じゃないです。でもこの作品には非常に効果的だと思いましたし、ドキドキと静かに興奮さえしました。吊ってある照明の数も演劇公演にしては少なく、ただ舞台をシンプルに照らし出すだけです。衣装は日常的で生活感ある服装で、場面によって変化がありました。役者さんはやはり上手な方が揃っていますね。主に青年団と五反田団の方で構成された座組みです。
描かれるのは非常に普遍的な、ある一般家庭の姿でした。八百屋の4人姉妹は母親を幼いころに蒸発してなくし、少し堅物な父親(志賀廣太郎)の手によって育てられます。病弱で入退院を繰り返す三女の三樹(端田新菜)を中心に、過去(子供時代)と現在の様子が淡々と展開されました。ユーモアなどを交えて時々笑いもあって楽しかったですが、僕はそれと同時にヤキモキとした苦しみを味わいました。例えば自分自身を抑圧して生きていたり、相手に対して思いやりを持って発言しているはずが、その言葉は酷なほど辛く心に響くものだったり・・・。いわゆる「静かな劇」に分類されるような現代口語演劇で、戯曲は全部を明らかにしないのがすごく良かったです。だいたいの出来事が登場人物の会話から、ぼんやり浮かんでくるだけなんですよね。渋くて非常に効果的です。
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