出演:大崎由利子、江口敦子(燐光群)、永滝元太郎(劇団M.O.P)、浦壁詔一(ポかリン記憶舎)、松岡洋子、笹野鈴々音、宮嶋美子、山ノ井史、浅倉洋介、日替わりゲスト チケット:1,500円〜3,500円(全席指定/学生など各種割引あり) ≪CoRich舞台芸術まつり!2007春≫
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作・演出:詩森ろば 音響:青木タクヘイ(STAGE OFFICE) 照明コーディネート:関口裕二(balance, Inc. DSIGN) 照明:伊藤孝 照明オペ:瀬戸あずさ 舞台美術:尾崎智紗 演出助手:森下誠吾(HOT SKY) 舞台監督:主侍知恵、松下清永+鴉屋 制作:盛岡鞠子 票券管理:大木孝司 当日運営:落合孝司(SPIRAL MOON) 企画製作:ウィンディ・ハープ・オフィス
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2007年4月4日(水)〜11日(水)/下北沢ザ・スズナリ/ http://windyharp.org
詩森ろばさんが作・演出を手がけられている、劇団『風琴工房』の新作公演を観て来ました。「紅の舞う丘」というタイトルどおり、チラシは「紅」一色という大胆さにとても惹かれます。今作は
「CoRich舞台芸術まつり!2007春」の参加公演でして、
たくさんのレビューが掲載中ですので是非!

≪公演紹介・ものがたり−WEB「風琴工房」より引用させて戴きました−≫
「第2次世界大戦時の樺太、ロシアアヴァンギャルドの建築家、世界ではじめて人工の雪の結晶を作った科学者など、これまで誰も書かなかった切り口で人間を描き、現代を検証する、風琴工房春のスズナリ公演。高度成長期の日本を舞台とした女性起業家の物語。女性が社会と向かい合い生きることの喜びと苦しみを明るいユーモアのなかに描きます。」「1980年代東京。谷本咲子は、長年勤めた化粧品会社を辞め、ほんとうに自分の納得いく化粧品を作り売っていこうと元レンズ工場を倉庫兼事務所として起業する。しかし、会社時代はいろいろ引き立ててくれた人々も、ブランドをなくした咲子には冷たい。会社時代の先輩である都築真知子を巻き込み逆風を逆手にとっての咲子の巻き返しがはじまる。」※時代が当初発表の「高度成長期」から「安定成長期」に変更。
次々と明るみに出てくる偽装の数々や、さまざまな不安が混在するご時勢。きっとそんな情勢は演劇をはじめとした芸術作品にも、少なからず影響をあたえている気がしてしまいます。でもそんななか、まっすぐかつ純粋で曲がりの無い気持ちを、率直に描けている作品に出会って来ました。この作品に登場してくる人物たち同様に、多くの人が「新天地」を迎えている春。僕自身も新たな世界に触れることになり、そんな時期にこそ今作と出会えたことを、とても幸運なことだと思っています。ぜひ明日から頑張ろうと思える活力を、このような舞台を観て感じていただきたいですね。きっとまだ更なる可能性は残されていると思うのですが、それでもやっぱり心に迫るものは迫るんです。役者さんもザ・スズナリの舞台という空間でひたむきに役を生きていて、しっかりとコミュニケーションを積み重ねていました。舞台美術も少し大胆な使い方をしていて魅せられ、演出も細部までセンスが行き届いています。僕の拝見した回の日替わりゲストは、山の手事情社の倉品淳子さん。やはりポイントとなる役で出演されますので、きっと日によって違う味わいがあるだろうと思いました。
★下記のレポートには、ネタばれが含まれております。どうぞご注意ください。
ザ・スズナリの黒壁が露出している状態で、ほぼ素舞台に近い空間が広がっています。オープニングでは床に灰色のビニールシートが敷かれていて、古いビルの鉄骨のようなものが重厚的に設置されているだけ。その次の場面から鉄骨のような美術を大胆に可動させ、役者さんが次々と家具を運び込んで、舞台となる「サフラワー化粧品」のオフィスが生まれます。選曲や細やかな演出など、とても素敵だと思いました。家具を運んでオフィスが誕生してく、場面転換も今作の見せ場の1つでした。でも特に四季の移り変わりなどを効果音だけではなく、花瓶の花を移し変えることで表現するのが渋いです。今作ではサフラワー化粧品が誕生した時から、創立五年後までが描かれました。新天地への希望と不安が入り混じったような、品のある余韻が心に残るエンディング・・・。良質なお芝居を小劇場で観れる喜びに浸りながら、気持ちの良い春の陽気のなか劇場を後にしました。
登場人物が皆生き生きと対話したり接したりしていて、何に対しても全力で取り組む人ばかりが揃っています。あからさまな悪役がいないと言っても過言ではなく、なおかつ個性的なキャラクターばかりだったのが印象的。詩森さんの作品を拝見するの3度目になると思いますが、僕はやはり一言一言の「台詞」がとてもお気に入りですね。うっかり戯曲を買い忘れて後悔しているのですが、何気ない会話のなかで、心に深く残る言葉が次々生まれます。優しくて愛おしい眼差しが全編に注がれていて、だからこそ厳しい面さえも浮かび上がるのが巧妙でした。それにさまざまな女性像が描かれている作品でしたので、きっと同姓の方がご覧になって感じる部分は大きいと思います。上演時間は2時間弱ノンストップですが、最後までじっくりと集中し、時間を忘れて惹きこまれました。
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