脚本・演出:葛木英 出演:葛木英、中田顕史郎、古市海見子、中島徹、伊藤一将、岩田裕耳、福津屋兼蔵 稽古場日記:http://metanou.blog.drecom.jp/ 2月18日チケット一般発売開始
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舞台監督:大友圭一郎、前田義朗 舞台美術:袴田長武+鴉屋 音響:中村嘉宏(atSound) 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish) 映像:浦島啓(PUREDUST) イラスト:リタ・ジェイ 宣伝美術:金属女王 制作:藤井敦子 製作:メタリック農家 自由席(整理番号付):前売2,500円/当日2800円 指定席(特典付・各回30枚限定):前売2800円(団体割引あり) 7日間9ステージ
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2007年3月28日(水)〜4月3日(日)/中野MOMO/http://www.metanou.com/
葛木英(くずき・あきら)さんが作・演出を手がけられている、劇団『メタリック農家』の新作公演を観て来ました。メタリック農家は一昨年に行われた「熊」の再演以降、僕にとっては2回目の観劇だと思います。今回は葛木さん自ら主演をされての公演だそうで、なんとか千秋楽に滑り込みました。

≪作品紹介−WEB「メタリック農家」より引用させて頂きました−≫
「中学時代の親友が、同棲中の我が家にやってきた。」「ーそして、住み着いた。」 「結構最近で、結構近所のおとぎ話」のメタリック農家が、実際の事件をモチーフに脚色しまくりの新作公演。エロスを題材に、今年年女の葛木が ジャッキー・チェンばりに脚本+演出+主演。16歳年上の恋人役には、存在感と芯のある俳優・中田顕史郎さん。中学時代の親友役には、メタ農個性派女優・古市海見子。屈折した女と女とウサギの男の物語。――メタリック農家『春とエロスと新作公演≪癖≫』
中野・MOMOの舞台をしっかりと埋めることに成功し、具象と抽象の上手いマッチが印象的な舞台美術でした。小さな舞台に2階建ての装置が建て込まれており、1階は具象的作られたマンションの一室、2階は抽象的に作られたオフィスのセットです。さて、聖名子(葛木英)と不倫相手(中田顕史郎)が住むマンションへと、彼女の中学生時代の友人・苗(古市海見子)が尋ねてくるところから、この物語は始まります。苗はいつしかそこに居座ることになり、不可思議な3人の共同生活が始まるうち、しだいにうねりのある展開へと至っていくのだが・・・。確かにドロドロと濃い内容の作品には仕上がっていますが、不思議と帰り道は爽快ささえも感じました。終演間際の怒涛の展開に魅せられつつ、エロス漂う屈折したような世界を堪能できました。そして描き体現しようとしていることも、非常に興味深く面白いと思えた気がします。しかし一定のクオリティは保っている印象を持ったのですが、更なる可能性や洗練の余地がある作品だと感じる自分もいました。ここまで濃厚かつ怒涛のエピソードが詰まっているのに、1時間30分弱に収めているのは素晴らしいと思います。
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もちろん場面は変わりますが、ほぼ3人の共同生活を軸に展開される内容だったので、変に散漫にならなかったのが良かったと思いました。そして脚本・演出・主役の3役をこなしている、葛木英さんは出ずっぱりで作品を引張ります。怪しげで可笑しな共同生活の模様を描きつつ、ショッキングな場面も多々ありますが、ほとんど笑いを交えて進行しました。そしてラスト30分前ほど。そこからの展開が怒涛そのもので、次々と謎が生まれていき、そして解き明かされていきます。テンポよく疾走していく舞台を見つめながら、畳み掛けるような仕掛けの応酬には圧倒の一言。でも視覚的な仕掛けは大胆で面白かったのですが、全体的にチープな感覚が拭えないままだった気がします。やはりそのような質感さえも作品の味方にするような、力強いパワーを更に期待してしまいました。
終幕間近で聖名子と苗は実のところ同一人物であり、彼女は「体重人格」であることが明らかになります。今までの突飛かつ不可思議な劇世界を、1人の女性の頭の中で展開されたことだと証明する手法は、とても巧妙とさえ感じられました。でも今年2月のテリー・ジョンソン作「ヒステリア」でも思いましたが、精神世界や深層心理を扱うのは容易なことではない気がします。いろんな分野で取り上げられている事柄だと思いますので、よっぽど巧妙にまとめ上げるか、新たな一面を浮かび上がらせるのか。今作では昔体験した性的虐待からの屈折した思想、そして最後の「ひとりにしないで」という叫び・・・。重くハードな演目に思われるかも知れませんが、これをしっかりとエンターテイメントとして成立させているのは、メタリック農家、そして葛木さんの力量ではないでしょうか。
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