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「舞台芸術」を中心に筆者の視点で切り取る、カルチャー・エンターテイメント・ウェッブログ。
戦国自体から現代までの凡そ500年間を、作品のタイトルどおり「苦労人」として生き抜く、ある一族を描いた壮大な大河ドラマです。出演されているのは、舞台をはじめとして現在では映像などでも多く活躍されている、猫のホテルに所属されている役者さんたち。そんなオールキャストを一度に観れる、というのも本公演の醍醐味の一つではないでしょうか。僕もそんなポイントを楽しみに劇場を足を運んだ一人です。しかし個人的には非常に残念な仕上がりだったと思いました。笑いも多く散りばめられますが、それと同時に無駄だと感じる場面が非常に多く、物語が迷走して散漫になっている気がします。上演時間は2時間10分弱ありましたが、これを1時間半ぐらいに凝縮してみれば、印象はもっと変わっていたかも知れません。そして猫のホテルの役者さんが表現するから、辛うじて成立するような作品だったようにも思います。役者さんをお目当てに来た方は楽しめたかもしれませんが、僕は「苦労人」という一つの作品自体も非常に楽しみに足を運びました。なのでそういった観点から見てみると、満足のいく仕上がりではなかった気がします。
舞台美術(秋山光洋)は少し荒れ果てた山道を想像させるような、木や土が点在したりしている、抽象的な空間に仕上がっています。少し殺伐とした舞台空間だと思いましたが、存在感と演技力を兼ね備えた役者さんたちによって、シアタートラムがしっかりと埋めることに成功していました。ストーリーとしては室町、戦国、安土桃山、江戸・・・というように時系列順に進行していきます。役者さんたちは役を場面によって次々変えながら、時に性別の壁さえ飛び越えて演じていきました。室町から現代まで数えて8つのどの時代でも、人生おいての「苦労」を強く受け継ぐ山城一族。それでも生き抜き血筋が耐えることなく、今の現代まで山城家は引き継がれます。使われる音楽や演出(千葉雅子)にもバリエーションがありましたので、やはりダラダラと一つ一つの場面が長い構成は、非常に勿体無い気がしてなりません。一幕劇で500年間続く一族の歴史を提示するわけですから、じっくり魅せる見応え感と疾走感が更に欲しい、と言うのが個人的な印象でした。もしまた公演の機会があれば、更なるブラッシュアップを期待したいと思います。