作・演出:岩井秀人 出演:志賀廣太郎(青年団)、猪股俊明、、古館寛治(青年団)、金子岳憲、石橋亜希子(青年団)、島林愛(蜻蛉玉)、星野秀介(田上パル)、永井若葉
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照明:松本大介(enjin−light) 音響:荒木まや 美術:土岐研一 舞台監督:田中翼 宣伝美術:池田泰幸、西村美博、上野敬(サン・アド) 本番撮影:TRICKSTER FILM 写真撮影:岩井泉 制作:原田瞳(tsumazuki no ishi) 企画制作:ハイバイ、(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 ≪「CoRich舞台芸術まつり!2007春」参加≫
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07年5月24日(木)〜6月3日(日)/こまばアゴラ劇場/http://hi-bye.hp.infoseek.co.jp/
岩井秀人さんが作・演出を手がける「ハイバイ」がこの5月、こまばアゴラ劇場で11日間に及ぶ新作公演「お願い放課後」を行いました。主役には青年団のベテラン・志賀廣太郎さんを大学生役で配し、開幕前に五反田でプレビュー公演が行われたり、話題を多く集めていたプロダクションです。

≪あらすじ−WEB「ハイバイ」より引用させて頂き、一部役名追加−≫
1年に4歳、年をとってしまう奇病に悩む、見た目おっさんの大学生、志賀君(志賀廣太郎)。と、それを取り囲む家族や同級生達の絶妙な気の遣いようと、大学での志賀君の活躍が、新しい顧問の先生(古館寛治)のせいで台無しになる様子を、自意識がバツグンに冴え渡る二十歳くらいの精神状態を下地にその自意識をさらに助長させる恋愛、友情、苛立ちとナルシズムと性欲で味付け、皆がドロドロと放課後におねがいしたものについての一本調子なストーリー
独特の世界観を持った現代口語演劇を展開するハイバイ。今年3月に行われたプレビュー公演を経ての「お願い放課後」は、どのステージも完売御礼という人気公演でした。ようやくゲットできた千秋楽の回に駆け込み、超満員のこまばアゴラ劇場で1時間50分弱のラストステージを拝見して来ました。大学生なれど容姿はおじさんの志賀くんを主人公にした今作。思わず爆笑や失笑をしてしまう時があれば、悲しくて、可笑しくて、愛おしくて、感動して、その感情が涙となって頬をつたいました。胸が強く締め付けられるように、切なく苦しい思いに苛まれるにも関わらず、シュールな可笑しさが多く散りばめられます。演劇部によるシェイクスピアの「ハムレット」が上演される、という劇中劇の構造がとられた作品でもありました。「ハムレット」の内容と「お願い放課後」の内容がシンクロし、入れ子構造になった演劇的な広がりもあるのが素晴らしいです。音楽なども少ない比較的淡々とした静かな作品ですので、なおさら感情の葛藤や変化やうねりが、観客である私のところまで強く迫ってきました。そして今回は劇場の真ん中にステージを設置することにより、客席が二方向から舞台を挟むような空間を創作していました。舞台には場面に応じた小道具などが既にセッティングされ、多くの場所や日時に変化する作品ですが、照明や巧みな場面転換で次々と変化していくことに強い魅力を感じます。主役を演じた志賀廣太郎をはじめキャストの皆さんも非常に素晴らしく、日常劇に止まらない世界の広がりをみせる今作で、ナチュラルな存在にも関わらず巧妙さが光り感動しました。プレビュー公演で既に高い完成度を誇っていたものの、本公演はそれを遥かに上回る出来だと思いました。ハイバイの次回作を今から期待して待ちたいです。