「M&Oplays+ペンギンプルペイルパイルズ『ワンマン・ショー』」
出演:小島聖、水野美紀、長谷川朝晴、小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝国、内田慈、近藤智行、吉川純広 ≪他地域公演:東京(三軒茶屋)→大阪→富山→福井→新潟→東京(亀戸)≫
---------------------------------------------
作・演出:倉持裕 舞台監督:橋本加奈子 美術:中根聡子 照明:清水利恭 音響:高塩顕 音楽:SAKEROCK 衣裳:松本夏記(ミシンロックス) 演出部:野口毅、金子晴美 演出助手:相田剛志 宣伝美術:坂村健次 宣伝写真:江隈麗志 宣伝ヘアメイク:大和田一美 池上タミ子(アペレア) 宣伝スタイリスト:田中美和子 チラシ衣裳協力:Spick and Span チラシイラスト:今枝大輔 WEB製作:いのくちあきこ ステッカー製作:雨堤千砂子(WAGON) 制作助手:松本恵美子 吉田裕美 制作:大矢亜由美、土井さや佳 企画:ペンギンプルペイルパイルズ 提携:世田谷パブリックシアター 主催・製作:(株)森崎事務所M&O plays 5,500円〜5,800円
---------------------------------------------
2007年6月7日(木)〜17日(日)/三軒茶屋シアタートラム/http://www.penguinppp.com/
倉持裕さんが岸田國士戯曲賞を受賞された「ワンマン・ショー」を、今回は自らの手で新演出され、シアタートラムを筆頭とした待望の再演公演の幕が開きました。劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」と、「M&Oplays」によるプロデュース公演となる本作は、豪華なキャストが名を連ねています。

≪作品紹介−WEB「りゅーとぴあ」より引用させていただきました−≫
懸賞マニアの果てなき応募と、ぐるぐると旅する箱をめぐる、不思議で怖い物語−近年、演劇界で注目を集める、新進の劇作家・演出家の倉持裕が、2004年の岸田戯曲賞を受賞した代表作をひっさげて、新潟に登場!主宰するペンギンプルペイルパイルズの俳優達と、豪華ゲスト陣で贈る、演劇ファン必見の作品。当選したことのない懸賞マニアの男は、応募ハガキに詳細なプロフィールを書き始める・・・。−ある問題に直面して、ではこう打開しようと発想するやいなや、そうするのが当然であるように思えば思えるほど、決まって全く反対の発想が憎らしくもやはり当然の姿をして出現する。そうして、拮抗する二つの発想の死闘に興奮していると、突如として中庸という優雅な奴がその戦場に舞い降りてくる。いや、来ない。中庸を採るのが正解だという話はよく聞くが、中庸を見つけた話はそう聞かない。だから、いずれも中庸に比べれば、不正解な発想のいずれかを採ることが、だらだらと中庸を探し回るよりは正解なのかもしれない。
いつも倉持さんの世界観には非常に惹かれるものがありますが、今まで触れた作品群のなかでも、今回の作品については特に多くの魅力を感じていました。個人的には白水社からの戯曲本を数年前に既に拝読していて、その後PPPPでの初演の模様を映像で拝見し、「別世界カンパニー」という劇団でのプロダクションにも触れました。日常生活から地続きの不条理的な世界が展開し、一つひとつの言葉も非常に個性的で面白く、推理小説のように観客を惹きつける巧妙さも兼ねます。上演中はバラバラに散らばった断片の数々が、まるでパズルのように観客の頭の中でハマっていきます。最終的に頭のなかでパズルが完成する人もいれば、完成しない人もいるでしょうし、きっとそのパズルの完成形も一人ひとり違うのではないでしょうか。このように複雑になってしまった例え話と同じぐらい、複雑かつ重層的に交錯していく作品であり、さまざまな解釈があって当然です。「ワンマン・ショー」というひとつの舞台に対して多くの解釈があり、胸に迫るものが人それぞれ違うと言うのは非常に豊かで面白いことだと思いました。個人的には何度も触れている戯曲でしたので、一つひとつの場面に伏線やキーポイントが散りばめれていて、また違った楽しみがありました。きっと読み込めば読み込むほどに、多くの発見がある戯曲ではないでしょうか。さて、今回のプロダクションについて言及すれば、そんな奥深い巧妙な劇世界を上手く体現していたと思いました。まず出色していたのは中根聡子さんによる舞台美術。すべてが斜めに歪んだ空間が建て込まれていて、色使いもビビットなのにキレイで、いくつもの壁が舞台上をスライドして場面転換します。独特のサウンドがクセになる「SAKEROCK」による、オリジナル楽曲も不可思議な雰囲気をより一層高めます。役者さんについては若干グループ感に欠けていたように感じ、もっと上を目指せるメンバーが揃っている気がしますので、可能性がこれから更に広がるのではないかと思いました。
倉持 裕著
白水社 (2004.4)
通常2-3日以内に発送します。