「東京ミルクホール『ビンタン・スラバヤ−それいけ!星の演劇隊−』」
出演:哀原友則、北村直也、コースケ・ハラスメント、佐野崇匡、J.K.Goodman、浜本ゆたか、ヤギー蟇油、柳生タカシ、吉田十弾(五十音順) 前売:3,000円/当日:3,500円
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作・演出:佐野崇匡 舞台監督:赤坂有紀子、高橋京子 照明:贅川明洋 音響:眞澤則子、別所ちふゆ 日舞振付:橘左梗 洋舞振付:NORIMITSU 殺陣:大山マスカク バリ舞踊振付:8ビート兄弟 ヘアメイク:山本由美子 舞監助手:伊藤智史 スチール:辺見真也 テーマ曲演奏:衛藤幸生、櫛野啓介 オープニング映像:永山始 宣伝美術・劇中画:平凡パイン 前説:本橋内閣 制作:遠藤理子、東京ミルクホール 題材:猪俣良樹「日本占領下・インドネシア旅芸人の記録」
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2007年6月20日(水)〜24日(日)/シアターVアカサカ/http://tokyomilkhall.com/
佐野崇匡さんが作・演出を手がけられる「劇団東京ミルクホール」は、男性の役者さんのみで構成される旗揚げ4年目のカンパニー。殺陣や舞踊、歌唱などの要素が沢山盛り込まれた娯楽要素の強い作品を上演しています。何度かご縁があって拝見させて頂き、久々に劇場に足を運びました。

≪あらすじ−WEB「東京ミルクホール」より引用させて頂きました−≫
1942年3月、インドネシアのオランダ軍は日本軍に無条件降伏。オランダによる300年に及ぶインドネシア支配はここに終わりを告げた。インドネシアの人々は日本をオランダからの“解放者”とみなし熱烈に歓迎する。しかし日本もオランダ同様、植民地支配を目論む“征服者”であった。さぁて、困った!困った!支配するにはアメとムチ。強い軍隊みせつけたけど、日本が誇れる【文化】とは?ワビ?サビ?ギンザ?ナニワブシ?フジヤマ?モンペ?こりゃダメだ。ハリウッド映画で豊かな西洋文明を知っているインドネシア人には通用しない。どうする!どうする!それじゃあ、お芝居、演劇だ。歌に踊りにコントまで!楽しいショーが始まれば、戦意昂揚、ニッポンバンザイ、キモノ、サムライ、隣組、なんでもかんでもゴチャ混ぜだ!その名も劇団「ビンタン・スラバヤ」(スラバヤの星)・・・それは希望の星・・・星の演劇隊!!かつて日本軍政・宣撫工作として、インドネシア人を集め旗揚げされ一世を風靡した劇団が存在した。
猪俣良樹さんの著作「日本占領下・インドネシア旅芸人の記録」を基にし、東京ミルクホール流のエンターテイメント作品として新たに構成された作品です。上演時間は休憩なしの2時間30分強という長丁場。個人的には実際の体感時間が更に長く感じましたし、作品の完成度を上げるためにも再考が必要な気がします。多くの分野においても荒さやチープさが目立ち、今までの全体を力強く払拭する、そんなエネルギーも得られませんでした。この仕上がりが作品の面白さに直結していれば話は別ですが、総合的にみても非常に残念な仕上がりだったと思います。同カンパニーを初期の頃から追いかけている方が、残念そうに「今までで一番悪い出来だった」と仰ったのが印象的。例えば役者さんの1人は声がかなり枯れてしまっていて、結果的に台詞が非常に聞き苦しく、途中からマイクを使用するほどの状態でした。コンディションが万全な状態ではなかったようです。
少し前のこと、初めて同カンパニーの作品に触れたときのことです。若くて弾けた役者さんたちが舞台中を縦横無尽に動きまわり、何もかも払拭するような力強いエネルギーが伝わってきて、強く圧倒されたことを記憶しています。それと同時にきっと自分たちの表現を模索している最中で、今がカンパニーにとっての過渡期なんだろうとも思いました。しかし現在の作品と過去の作品を比較しても、ほとんど相違が見付けられませんでした。きっとこの作風を実現するためのアプローチはひとつではなく、まだ多くの可能性や指向が残されているのではないでしょうか。ただ我武者羅に面白いと思ったことを突き進めるのではなくて、自分たちの表現を見直したり、時に冷静になって着眼する視点も、作品や物作りの過程に必要不可欠なことだと思います。今作まで断続的に拝見して来た同カンパニーの公演ですが、また新たなステップを踏んだとき、劇場に足を運びたいと思いました。