商業演劇、小劇場系、コンテンポラリー・ダンス、オペラ、バレエ、文学、音楽、映画・・・。
「舞台芸術」を中心に筆者の視点で切り取る、カルチャー・エンターテイメント・ウェッブログ。
シアタートラムと言う300席にも満たない小劇場で繰り広げられる、豪華で達者なキャスト4人による1時間弱のNODA・MAPです。こんな贅沢な観劇体験があって良いものだろうか。可笑しくて、背筋が凍って、涙が頬をつたって、恐ろしくて、そして楽しくて堪らなかったです。描かれていることはハード極まりないのですが、あの不快感と爽快感が体中を駆け抜ける感覚は忘れられません。個人的には野田さんの手がけた演劇作品で久々に魅せられ、また、この演劇体験はこれからかけがえのないものになると思います。この最高に刺激的な悪夢を、多くの方に見てもらいたいです。今はロンドンバージョンを観る日を心待ちにしています。1970年代の東京。平凡なサラリーマン・イドは、息子の誕生プレゼントを手に家路を急いでいた。自宅に近づくと、警官たちが非常線を張り、マスコミのリポーターたちが押し寄せている。聞けば、脱獄犯・オゴロが民家に押し入り、女と子供を人質にして立てこもっているらしい。「どこの家だ?」と思った途端、リポーターたちがマイク片手にイドを取り囲んだ。リポーター「イドさんですか?イドさんですか?今のお気持ちは?!」マスコミからは苦悩する犠牲者の姿を演じることを求められ、頼るべき警察は高圧的で無能な連中・・・。ある瞬間から、被害者であるイドは、残虐な加害者へと姿を変え、常軌を逸した行動へとひた走る。そして、報復の連鎖の行き着く果てにあるものは・・・・・?−−−−−WEB「NODA・MAP」より舞台美術(堀尾幸男)はシンプルだけど壮大な想像力と世界観をみせる、巨大な紙でした。その紙を使った演出が本当に鮮明で、その一つひとつの場面に興奮しました。紙を破いたり、切り取ったり、吊ってみたり・・・。そこに映像(奥秀太郎)が加わります。多くのもが抽象的または具象的に表現されていきますが、そのセンスと使い方には舌を巻きました。演劇では出来ないようなことが、演劇でしか出来ないこととなって、舞台上に体現されています。これは必見だと思いました。
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