「新国立劇場/高校生のためのオペラ鑑賞教室『蝶々夫人』」
出演(7月9、11、13日/日によってキャストが変わります):橋爪ゆか、成田勝美、米谷毅彦、三輪陽子、大野光彦、志村文彦、大森一英、工藤博、前田祐佳、ほか
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作曲:ジャコモ・プッチーニ 台本:ルイージ・イッリカ、ジュゼッペ・ジャコーザ 指揮:三澤洋史 演出:栗山民也 美術:島次郎 衣裳:前田文子 照明:勝柴次朗 再演演出:菅尾友 舞台監督:大澤裕 合唱:新国立劇場合唱団 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 主催:新国立劇場 特別協賛:ローム株式会社 協賛:株式会社損害保険ジャパン
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2007年7月9日(月)〜14日(土)/新国立劇場・オペラ劇場/http://www.nntt.jac.go.jp/
新国立劇場による夏の恒例企画「高校生のためのオペラ鑑賞教室」。高校生は2,100円、当日券4,200円で一般も購入可能でしたオペラの知識や作品紹介など充実のパンフレットが配布されたり、非常に贅沢な企画ですね。上演作品は栗山民也さん演出の「蝶々夫人」です。
2005年の初演を拝見しました。そのときは4階のバルコニー席(Z席:1,500円)だったので、一階のほぼ正面から拝見できた今回とでは、物理的な見え方でも相違がありました。

「蝶々夫人」というオペラの名作から響くものは変わらずとも、衝撃的な解釈の演出が待ち受けており、そういった意味でも非常に充実して満足できる作品でした。音楽的な面でも演劇的な面でも、見応えのあるプロダクションだと思います。
今まで悲恋的な男女の物語という印象が強かった「蝶々婦人」ですが、今回のプロダクションを経てみると、より深い部分まで味わえたのが収穫でした。
上演時間は20分間の休憩を1回含める、約2時間40分です。ちなみに新国立劇場のWEBサイトでは映像や舞台写真が公開中です。ぜひご一覧を・・・!
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http://www.nntt.jac.go.jp/season/H19highschool/index.html
明治の長崎。アメリカ海軍士官ピンカートンは、15歳の蝶々さんを軽い気持ちで現地妻とし、盛大な結婚式を挙げる。やがてピンカートンは祖国へ帰国。音信不通になっても、蝶々さんは「ある晴れた日にきっと帰ってくる」と信じ、女中のスズキと夫の帰国後に誕生した子どもと共に、ピンカートンの帰りを待ち続けている。しかし彼はアメリカで『本当の』結婚をし、妻ケートを連れて再び日本に寄港する。見知らぬアメリカ人女性の姿にすべてを悟った蝶々さんは、父の形見の短刀で自ら命を絶つ。−−−−WEB「新国立劇場」より
舞台美術(島次郎)や照明(勝柴次朗)、そして衣装(前田文子)をはじめとするスタッフワークにも大変魅せられました。素晴らしかったです。なぜ自分がオペラに足を運ぶのかと問われれば、それはきっと音楽と演劇が融合した、総合的な舞台芸術だからだと思います。
どの分野もそれぞれ突出して主張があるような気がしました。でもひとつのビジョンがしっかり提示されていて、それに向かって調和がされているのだと思います。見事でした。
幕が開くと巨大な壁が舞台を大きく取り囲み、円をかくようにどっしりと聳え立っていました。そんな壁の上部中央には四角い穴があいていて、そこから下まで大きな階段が壁に沿って続きます。素朴なクリーム系の色合いで統一された抽象空間には、蝶々婦人の住む家が襖や微々たる家具のみで表現されていました。ため息をついてしまうような、美しく刺激的な舞台美術です。
四角い穴の使い方が効果的でした。はためく星条旗が見えるのが印象的です。
照明は非常に大胆な色使いでした。登場人物の感情や場面を言及するように、抽象的な舞台空間に様々な構図や色合いの明かりを加えます。
衣装は素朴な風合い。蝶々婦人の着る紫色の着物が美しかった。キャストが全員日本人と言うこともあるのでしょうか、着物の着こなしや所作などが自然だったのも印象的です。